分散コンピューティングプロジェクト「デジタルハイビジョン環境におけるアニメーションの研究と実証」を開始 〜“cell computing® βirth/セルコンピューティングバース”で分散レンダリングを行い、デジタルハイビジョンアニメーション製作に参加しよう!〜

ニュースリリース/NTTデータ

2007年11月15日

有限会社WHIRLWIND
株式会社イージア
株式会社NTTデータ

 (有)WHIRLWIND(文京区 社長:長村 浩志)、(株)イージア(杉並区 代表取締役:高橋 啓太郎)、(株)NTTデータ(江東区 社長:山下 徹)の3社は、11月15日より、デジタルハイビジョンアニメーションの映像を“cell computing® βirth/セルコンピューティングバース”を利用し、参加者のPCで手分けをしてレンダリング(=画像化)を行うプロジェクトを開始します。
製作した映像は、上映およびインターネット配信を予定しております。(インターネットで配信する映像はハイビジョンではありません)

【プロジェクトの概要】

 本プロジェクトは、NTTデータが“cell computing βirth/セルコンピューティングバース”で培ってきた、分散レンダリング技術と、(有)WHIRLWIND、(株)イージア共同で既存の製作技法を基に、デジタルハイビジョンに対応したアニメーションを製作する実証実験を行います。従来のセル( 2D )アニメーションや、実験的Full 3D-CGでなく、約30秒の2D/3D-CG合成アニメーションをFull-HD( 1920×1080p, 30fps )作品としてパイロット版製作を行い、一般に公開することを目的とします。
今回の分散レンダリングでは、ホラーアニメーション『The Bride』のパイロット版を作成します。この物語は幻想的な洋館内で展開されます。そのため背景となる洋館内の画像をFull 3Dでモデリングし、分散レンダリングすることで様々な角度から見た背景画像をこれまで以上にリアルに表現されることが期待されます。

 今回“cell computing βirth/セルコンピューティングバース”では、“elecle@cellcomputing(エレクル@cellcomputing)プロジェクト”を初めとしてさまざまな分散レンダリング実験で検証した技術だけでなく、現在稼働中の“sekigaharaプロジェクト”で開発しオープン化したJavaのレンダリングソフトを利用しています。

 さらに、新しい試みとしてLiveCDによるクライアント環境も用意しました。
LiveCDとは、ハードディスクにインストールせずCDから起動して使うオペレーティングシステムおよびそのメディアで、KNOPPIX(クノーピクス)、Ubuntu(ウブントゥ)などが知られています。LiveCDのクライアントは、メモリ上で稼働し、ハードディスクを使用しません。現在利用しているPCの環境を一切変更しませんので、「cell computingを試してはみたいが、インストールまでは…」という方でも安心してご利用いただけます。

 cell computingのLiveCDは、近年使いやすさで注目されているUbuntuの最新日本語バージョン7.10をベースに、NTTデータが開発したTOMOYO® Linux(トモヨ リナックス http://tomoyo.sourceforge.jp/外部サイトを別ウインドウで開きます)を組み込んだものになっています。TOMOYO Linuxの機能により利用者の方が壁紙を変更することができない設定となっていますが、その他の機能は標準のUbuntuそのものですので、LinuxやUbuntuにご興味をお持ちの方にも是非ご利用ください。

【cell computing βirth/セルコンピューティングバースについて】

 パソコンのCPU、メモリ、HDDをネットワーク上で統合協調利用し、仮想的なひとつのスーパーコンピュータとして利用することを可能にするcell computing/セルコンピューティングで、インターネットを介し、一般の皆様の家庭にあるパソコンの参加により計算を行うプロジェクトを2005年2月より行っています。既に「ゲノムスーパーパワーを見つけよう!/自然免疫系遺伝子領域解明プロジェクト」、「ゲノムのパズルを解こう!/ヒトゲノム染色体間法則性解明プロジェクト」「みんなでCGアニメを創ろう!/elecle@cellcomputing」「タンパク質の秘密を探ろう!/タンパク質分子表面類似性網羅的探索プロジェクト」「スギ花粉の経路を追跡せよ!/花粉飛散経路探索プロジェクト」の4つのプロジェクトを完了し、現在は「ゲノムのパズルを解こう!/ヒトゲノム染色体間法則性解明プロジェクト」、「関ヶ原の合戦シーンをつくろう/sekigaharaプロジェクト」を実施しています。

【参加方法について】

 11月15日以降、次のキャンペーン用Webページより案内をいたします。なおLiveCDを利用したい方もこちらをご参照下さい。

  • http://www.hd-animation.jp/

 具体的には、参加するPCの必要な仕様を確認した後、cell computing βirth/セルコンピューティングバースのアカウント作成し、メンバソフトのダウンロードとインストール、および、“HD-Animationプロジェクト”の登録をしていただきます。また参加者のPC環境により、あらかじめJavaVM(Java仮想マシン)のインストールと設定が必要になります。

【実施期間】

 平成19年11月15日〜平成20年1月31日(予定)
(セルコンピューティングによるレンダリング期間は平成19年12月28日終了予定)

【有限会社WHIRLWIND(ワールウィンド)について】

 平成17年3月に設立。ゲーム用ソフトウェアの企画・開発・販売や映像コンテンツの作成などの事業内容を展開しており、出版社などのメディアとも多数の取引実績を有しています。今回のプロジェクトでは既に所有している映像コンテンツを提供するなどのコンテンツとプロモーションに関する主要な役割を担っています。

【株式会社イージアについて】

 平成10年8月に設立。データオフライン保存システム・伝送サービス・レンダリングファーム アウトソーシングサービス、などのソリューション、サービスを提供し、2Dアニメーションはもちろん、3DにおけるCGコンテンツの企画・制作の専門家集団としての地位を確立しています。今回のプロジェクトではパイロット版製作に関わる主要な役割を担っています。

【今後について】

 当プロジェクトでレンダリングしたデータを元に製作した映像は、上映およびインターネット配信を予定しております。(インターネットで配信する映像はハイビジョンではありません。)

注 cell computing®は株式会社NTTデータの登録商標です。
注 TOMOYO®は株式会社NTTデータの登録商標です。
注 その他、文中の社名、商品名等は各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先
本プロジェクト全般に関するお問い合わせ先

HD-Animation 広報窓口
E-Mail:info@hd-animation.jp

報道関係のお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
広報部 宗像(むなかた)
TEL:03-5546-8051

cell computingに関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
技術開発本部
E-Mail:info@cellcomputing.jp

TOMOYO Linuxに関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
技術開発本部
原田
E-Mail:haradats@nttdata.co.jp