財務情報流通ゲートウェイサービス ZaimonTMサービス開始 〜第一弾の「Zaimon e-Taxデータ受付サービス」が三井住友銀行に採用決定〜
2008年5月14日
株式会社NTTデータ
(株)NTTデータは、企業財務情報のXBRL注1データを扱う「財務情報流通ゲートウェイサービス‐ZaimonTM(ザイモン)‐」の提供を開始します。第一弾として、国税電子申告・納税システム (e-Tax) に提出された企業の電子申告データを金融機関が融資審査資料として受け取るための「Zaimon e-Taxデータ受付サービス」を提供します。
本サービスのファーストユーザとして6月2日より株式会社三井住友銀行の採用が決定しており、その他、複数金融機関での採用が内定しています。
<Zaimonとは>
Zaimonは企業と利用者の間の財務情報のやり取りを、XBRLを用いてワンストップでセキュアかつ利便性高くサポートするASPサービスとして、企業の財務データの総合的な流通プラットフォームを目指しています。
主なサービスとしては、企業が国税庁に電子申告した財務データを金融機関が受け付け、融資審査業務を効率化できる「Zaimon e-Taxデータ受付サービス」と、金融庁のEDINETや東京証券取引所のTDnetに登録されている企業の公開財務情報をNTTデータが金融機関等の利用者に代わり取得し、XBRLから利用者が活用しやすいファイル形式や科目体系に変換/集約して提供する「公開財務情報取得代行サービス」の2つのサービスを提供します。
今回は第一弾として「Zaimon e-Taxデータ受付サービス」を開始し、今年度末頃には「公開財務情報取得代行サービス」を開始する予定です。
<Zaimonのサービスイメージ図>
【Zaimon e-Taxデータ受付サービスの概要】
本サービスは、企業が国税庁のe-Taxに提出した電子申告データを金融機関への融資審査資料として活用でき、各金融機関では受け付けた電子申告データをそのまま財務分析システムと連携させることにより、審査業務の効率化を実現するサービスです。これによって、金融機関は紙資料で提出される申告書の入力処理に伴う手作業の煩雑さを解消し、資料自体の真正性確保や融資審査のスピード、分析の質の向上を実現できます。さらに電子申告を行った企業も、国税庁に提出した申告書の印刷や金融機関への提出等にかかる手間を省くことが可能となります。
NTTデータは、企業・金融機関の業務効率化ならびにe-Taxの利用促進への貢献を目的とし、2007年11月12日から2008年3月31日まで本サービスのトライアルを実施し、36の金融機関が利用しました。
【サービスメニュー】
- 標準サービス
企業がWebサイト上で、e-Taxで提出した申告書や電子納税証明書を送信する指示を行うことで、これらのデータを金融機関が直接受け付け、利用することができるようになります。
サービス利用開始にあたり、企業と金融機関の間でZaimon利用に関する契約が必要になります。標準サービス利用料金:基本料金とファイル送信件数に応じた従量課金。ボリュームディスカウント有り。
- オプションサービス
- 税理士による送信機能
現在e-Taxの利用率が高い税理士向けに代理送信機能を提供します。税理士は一回のログインで複数の金融機関へ企業の電子申告データを送ることができるため、個別の企業毎に印刷し各々の金融機関へ持ち込む手間が軽減されます。 - IP-VPNによるセキュリティ強化
金融機関によっては、よりセキュアな対応が必要とされるため、金融機関センターとZaimonセンター間をIP-VPNにて接続可能とし、より専用線に近いセキュリティ環境でデータの受け取りを可能にします。これにより各々の金融機関のセキュリティポリシーに柔軟に対応することが可能です。 - データ自動配信サービス
Zaimonから金融機関がデータを入手する際の確認や操作の負担を軽減するため、企業から提出されたデータを、金融機関へ定期的に自動配信する機能を提供します。金融機関は取得したデータを既存システムに取り込むことで、データの入手から分析までをシームレスに実現することが可能となります。 - 申告データのPDF変換サービス
XML形式で作成された税務申告データをPDFファイルに変換することによって、金融機関が取得した税務申告データ(XTXファイル)を従来の帳票形式で参照することができるため、税務申告データの金融機関内での利活用を格段に効率化することができます。 - 金融機関独自の勘定科目集約サービス
Zaimonでは、金融機関が取得した税務申告データを自社の財務分析システムへ投入する際に、三井情報株式会社のCASTER®の勘定科目への集約機能を提供する予定としています。トライアルを通じてさらに金融機関独自の勘定科目への変換の要望があったため、金融機関独自の勘定科目への集約機能を提供します。これを利用することにより、独自に財務分析システムを構築している金融機関においても、取得した税務申告データをシームレスに財務分析システムへ投入することが可能となり、さらなる業務効率化を実現できるものと考えています。各オプション利用料金:金融機関のニーズに応じて個別見積り。なお、税理士による送信機能は無料。
- 税理士による送信機能
【利用金融機関】
平成20年6月2日より三井住友銀行の利用開始をはじめとし、平成25年までに約100金融機関による利用を見込んでいます。
【今後の予定】
Zaimonは将来的に中国・ベトナムなどアジアや欧米企業の財務情報をXBRLでつなげるグローバルサプライチェーンの構築を目指しています。またNTTデータでは中国最大の会計パッケージベンダの用友社ともXBRLビジネスでの協業を実施しています。
注1 XBRLとは
XBRL (Extensible Business Reporting Language) とは、企業の財務データを作成・流通・加工するためのコンピュータ言語です。情報の信頼性を高め、様々な企業間での流通を促進する国際的なスタンダードとする動きが活発化してきています。XBRLの採用により、企業財務情報を多様なコンピュータで扱うことが可能となり、しかも柔軟に加工分析ができるようになります。さらにデータのチェック機能があるため情報の正確性が高まるほか、さまざまな言語への対応が可能になります。
日本では、2004年の国税電子申告・納税システム (e-Tax) における採用を皮切りに、2005年の地方税ポータルシステム (eLTAX) 、2006年の日銀考査オンラインと相次いでXBRLが採用され、そして2008年の金融庁EDINETへの有価証券報告書のXBRL形式での提出義務化、さらに東京証券取引所第三次TDnetでの活用により、日本においてもXBRLは重要な技術になると見られております。
注 「ZaimonTM」は株式会社NTTデータの商標です。
注 「CASTER®」は三井情報株式会社が提供している、経常収支比率を中心とした分析手法を使った企業財務分析システムです。現在、地方銀行を中心に約170の金融機関への導入実績があるデファクトスタンダードパッケージです。「CASTER」は三井情報株式会社の登録商標です。
注 記載されている会社名、製品名は、各社の登録商標または商標です。