「FairCast®-子ども安全連絡網」が平成21年度情報化月間における「情報化促進貢献情報処理システム」として「情報化月間推進会議議長表彰」を受賞

ニュースリリース/NTTデータ

2009年10月 2日

株式会社NTTデータ

 株式会社NTTデータが2006年7月から提供している「FairCast®-子ども安全連絡網」が、平成21年度情報化月間の「情報化促進貢献情報処理システム」として「情報化月間推進会議議長表彰」を受賞しました。
 情報化月間とは、経済産業省、内閣府、総務省、財務省、文部科学省、国土交通省が、社会における情報化に関する普及・啓発を重点的に進めるために毎年10月に定めているもので、1972年から始まり今年で38回目を迎えます。
 このたび「FairCast」が受賞した「情報化月間推進会議議長表彰」の「情報化促進貢献情報処理システム」は、国民の健康の増進や教育文化の向上、企業経営の高度化・合理化など我が国の情報化の推進に資する情報処理システムであって、技術的、社会的波及効果が優れているものや先進性に富んでいるもの、安全性、信頼性に優れているシステムを表彰するものです。

 「FairCast」は学校現場における正確な情報を迅速かつ公平に伝達することで、子どもたちの安全と保護者の安心をサポートする、複数メディアを活用した一斉連絡サービスです。最大の特長は、音声・メール・FAXの3つの手段により学校から一斉に保護者に連絡ができ、かついずれの手段においても送達確認ができる仕組みを保有していることです。これにより、「従来の電話連絡網」や「メールによる一斉連絡」だけでは実現することが困難だった正確・迅速・公平な情報伝達による情報格差改善をはかることができます。
 今回の受賞では、地域で子どもたちの安全を守るために関係者が共有すべき緊急情報や連絡情報を、正確・公平・安価・迅速・確実に伝えることを可能にし、従来の緊急連絡網の不都合を解決する、安全のためのシステムとして評価されました。
 また、(財)日本産業デザイン振興会が主催する「2008年度グッドデザイン賞」(産業・社会領域:ソリューションビジネス、サービスシステムのカテゴリー)も受賞しており、複数メディアを活用した学校連絡網の重要性が社会から求められているものと考えております。
 NTTデータでは、ITを活用した仕組みの提供により、安心・安全な社会へこれからも取り組んでいきます。

【写真】

■サービス誕生の背景

 「FairCast」は、NTTデータに勤める2人の子どもを持つ母親社員のPTA役員経験から生まれました。
 2004年、子どもが犠牲になる凶悪事件が発生し、事件現場の近くに住んでいた同社員は子どもを持つ保護者として学校と連携して対応していました。しかしながら不審者情報や緊急連絡が従来の電話連絡網では学校から正確な情報が迅速かつ公平に届きにくい状況を経験し、「ITでこの困った状況を何とかできないか」と考えたのが、誕生のきっかけです。
 それから電話連絡網に代わる仕組みの検討を開始し、2005年11月〜2006年3月の実証実験を経て、2006年7月に全国一斉にサービスを本格開始しました。2009年9月末現在、導入された学校数で400校、家庭数では約20万の家庭で使われるサービスにまで成長しています。

■サービスの特長

 総務省による「通信利用動向調査」でもあらわれているように、携帯電話やパソコンの利用率はどの世代においても100%ではなく、また就業している保護者がタイムリーにメールをチェックできるとは限らない状況を鑑み、メールに加えて固定・携帯での音声連絡とFAXが連絡手段な点です。実際、「FairCast」では17%(40人学級で7人に相当)の保護者が、音声とFAXでの連絡を希望して登録しています。また1回だけの連絡ではなく最大3回まで追いかけて送達確認する仕組み(追掛連絡)も構築しました。これにより、たとえば母親に連絡がつかなければ父親へ、父親がダメなら祖父母へ、といった連絡をすることも可能になります。

【図】携帯電話およびパソコンの利用率(世代別)【図】FairCastにおける登録メディアの比率

■新型インフルエンザ流行に役割を果たす「FairCast」

 今年5月の新型インフルエンザ発生時、学校連絡網として機能しました。導入している関西のある中高一貫校(生徒数1,500名)では、学校閉鎖を決定し「FairCast」を使って全保護者に連絡したところ、1人の生徒も登校しなかった、という事例があります。この学校には遠隔地からも生徒が通学しており、従来の電話連絡網だけでは対応できなかっただろう、と関係者から高い評価をいただいています。また、学校などで2学期が始まった9月以降、学校・学級閉鎖が相次ぐ中、「FairCast」を利用して連絡している学校が増えており、配信数が増えています。

【図】

■今後について

 9月末時点で、新型インフルエンザの流行に備え、年度途中から導入した新規契約校は、私学50校(昨年22校)、国公立66校(同67校)と、予算の制限を受けにくい私学が急増しています。
 そうした状況に対して、今年度より新料金体系として「下期プラン」を設定しました。従来は年間契約のみでしたが、この「下期プラン」により費用面で参加しやすい環境を提供します。
 新型インフルエンザの流行、子どもを狙った犯罪の悪質化、共働き夫婦の増加などといった、子どもを取り巻く環境は待ってはくれません。「FairCast」は子どもたちの安全と保護者の安心をサポートする学校連絡網として、より多くの学校・家庭でご利用いただきたいと考えております。

■「FairCast】を導入した学校関係者の声

北海道 国立付属中学校 教諭
 『学校連絡網についてのアンケートを実施したところ、電話連絡網についての不満よりも、いざという時に学校からの連絡を受け取れないのでは ? という不安を抱えている保護者が多くいらっしゃることに驚きました。緊急時の連絡にはIT活用が有効と考えている方が多かったため個人情報保護対策をしっかりしているサービスを探していました。現在では、100%の教職員&保護者が登録しているので今までの苦労がウソのように全員に一斉連絡できます。』
東京都 公立小学校 校長
 『電話連絡網では、全員に正しい情報を早く伝えることは到底無理でした。次の方に回す間に内容が変わってしまうことも多く、全員に正しい情報を伝えるためにはプリント配布しかないとあきらめていましたが、近隣の学校から、全員に伝えられるしくみがあると聞き、導入を決めました。送達確認機能があるので伝わったことはもちろん、伝わっていない人への再送ができます。全員に正確な情報を確実に伝えられる手段を得たことは、学校運営の大きな安心につながっています。』
大阪府 私立中学・高等学校 事務長
 『導入前、ITを使ってまで配信する緊急連絡があるのか ? 本当に全員登録するのか ? などといったデメリットを声高に指摘する先生もいました。実際運用をスタートしてからは、ボタン1つでグループ全員に連絡できる便利さから、いろんな情報発信に使いたいという声が寄せられます。しかし、配信が増えすぎると注意して受け取ってもらえなくなる可能性もあると思い、あくまでも学校からの重要で緊急なお知らせ用として活用しています。』
福岡県 公立小学校 PTA会長
 『数年前から希望者を対象にメールだけの連絡網を導入していましたが、メールを持っていない方や、仕事中はメールを確認できない方もいることから、結局大事な連絡は電話連絡網で回しつつ、補完的にメールを利用していました。近隣で子どもの安全をおびやかす事件が発生したのを契機に、保護者がメールを持っていないことで子どもの不利益につながることがあってはならない、という意見が多く寄せられ、全員登録が可能なサービスを導入することに決めました。今では、1人残らずすべての家庭に平等で正確・迅速な連絡ができるようになりました。』

注 「FairCast」は、株式会社NTTデータの登録商標です。

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広報部
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ソリューション&テクノロジー事業推進部
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フリーダイヤル:0120-059908(受付:平日10:00〜18:00)
TEL:050-5546-9118
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