NTTデータでCMMI®成熟度レベル5を達成 〜最新バージョンでは日本国内で2社目〜
2009年12月 9日
株式会社NTTデータ
株式会社NTTデータで安全保障に関わるシステム構築・サービス提供を行っている防衛システム担当がCMMI®の最高水準となるレベル5を達成しました。
CMMI (Capability Maturity Model® Integration) は、1999年に米国国防総省の援助のもとカーネギーメロン大学ソフトウェア工学研究所 (SEISM) で開発された、システム開発を行う組織の成熟度を表現したモデルで、現在では防衛関連だけではなく、世界中のシステム開発企業においてプロセス改善を進める際の参照モデルのデファクトスタンダードとして使用されています。
2006年8月にCMMIモデルおよび評定手法が現バージョンに改訂された際、特にレベル4、5の基準が厳格になりましたが、今回の防衛システム担当の結果は、改訂後のバージョンでは日本企業では2番目のレベル5達成となります。
NTTデータでは、防衛システム担当が達成までに整備した開発プロセスや経験、ノウハウを他部門にも展開し、高品質なシステム・サービスを提供するための組織的なレベルアップを継続的に行っていきます。
【NTTデータグループにおけるCMMIへの取り組み】
NTTデータグループでは、2013年3月期まで掲げる中期経営方針における重点施策「SI競争力強化」の一環として、お客様に品質の高いシステム・サービスを提供するため継続的にCMMIに基づくソフトウェア開発プロセスの改善に取り組んでいます。
今回レベル5を達成したパブリック&フィナンシャルカンパニー防衛システム担当は、基本プロセスの徹底と変化に対応できる能力の向上を組織目標に設定し、当社の中では先駆けとして2001年より取り組みを開始、2007年にはNTTデータで初のCMMIレベル4を達成しました。当グループでは、防衛システム担当のほかにも複数の組織がレベル3を達成し、より上位のレベルの達成をめざし改善活動を進めています。
【CMMI成熟度レベル5について】
今回防衛システム担当が達成したCMMIレベル5は、組織がソフトウェアの開発プロセスを事業目標に結びつけ、状況の変化に合わせて最適なプロセスに自らが変革していく能力を有している状態(「最適化している状態」)とされています。
2006年8月のCMMIおよび評定手法SCAMPISMのバージョン1.2リリースに伴い、レベル達成に必要な評定の手順および基準が大幅に改訂されました。特にレベル4以上の高成熟度レベルの評定では、事業目標とプロセス改善との関係や、改善の実施効果の定量的な把握、定量データの分析における統計技法の正確な使用などを厳格に示すことが求められるようになりました。その結果、改訂後にレベル4ないしはレベル5を達成した企業の数は激減しました。
防衛システム担当では、マネージャーのリーダーシップのもと、プロジェクトメンバー全員が粘り強くプロセス改善活動を継続した結果、バージョン1.2リリース後では日本国内企業で2社目となる成熟度レベル5を2009年10月30日に達成し、カーネギーメロン大学ソフトウェア工学研究所より11月25日に結果の公表を許可する旨の通知を受領しました。
【今後の取り組み】
今後は、NTTデータグループとしてCMMIの適用を進める中で、防衛システム担当が整備した開発プロセスや経験、ノウハウをグループ全体のプロセス改善活動に展開し、中期経営方針の最大の目標である「お客様満足度No.1」の獲得に向け、組織的にレベルアップを行っていきます。
- 注 CMMI
- CMMI (Capability Maturity Model Integration) は、米国国防総省の援助のもとカーネギーメロン大学ソフトウェア工学研究所 (SEI) で開発されたシステム開発を行う組織の成熟度を表現したモデルです。成熟度を段階的なレベルで表現するとともに、各成熟度を満足するために有効なプロセスの特徴を定義しており、プロセス改善を行う際のリファレンスモデルのデファクトスタンダードとして、世界中の多くの企業で使用されています。
なお、V1.2の改訂に伴い、関連要素群 (constellation) の概念が導入され、開発以外の領域(調達やサービス)向けのCMMIも定義されています。今回のレベル5達成は「開発のためのCMMI」に基づいています。
注 SCAMPISM
Standard CMMI Appraisal Method for Process Improvementの略で、CMMIに照らして組織のプロセスを評定する際の条件や手順を定義したものです。レベル評価は、SEIに認定された主任評定者によりSCAMPIに厳格に沿って行われなければなりません。なお、評定結果の有効期間は3年間とされています。
注 CMMIおよびCapability Maturity Modelは、アメリカ合衆国特許商標庁に登録されています。
注 SEISM、CMM IntegrationSM、SCAMPISMは、カーネギーメロン大学のサービスマークです。
注 文中に記載されている商品・サービス名、および会社名は、それぞれ各社の商標または登録商標です。