オープンソースの分散処理基盤Hadoopの構築・運用ソリューションを提供開始 ~NTTデータのクラウドサービス「BizXaaS®」の新たなラインナップとして提供~

ニュースリリース/NTTデータ

2010年7月1日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータは、「BizXaaS®」(ビズエクサース)の「クラウド構築サービス」のラインナップとして「Hadoop構築・運用ソリューション」の提供を本日より開始します。

Hadoopはオープンソースの分散処理基盤ソフトウエアで、大規模データを多数のサーバーに分散して蓄積するとともに、大量・複雑な計算を並列処理させることができるため、データを高速に処理できます。今後の利用拡大が期待される行動情報、センサー情報やライフログなどの大量データを利用したビジネスなど、新領域での活用においても大変注目されています。

本ソリューションは、NTTデータのHadoopのノウハウを活かし、大規模データを保有するお客様に対して新しいビジネス機会を生み出すためのコンサルティングを始めとし、システム構築、運用まで幅広く対応します。

NTTデータはこれまで提供してきた、仮想化技術によりサーバーを集約するクラウド環境に加え、スケーラビリティ(拡張性)の高いクラウド環境を提供することで、プライベートクラウドの活用の拡大を目指します。

概要

ITシステムの適用領域が拡がり、様々な情報がデータ化されるとともに、その活用方法が探求されています。増え続けるデータをどのように格納・管理し、そのデータから有意義な情報をどのように見いだすかに注目が集まっています。それは、大量データを整理・分析することで、新しい発見を生んだり、社会をより効率化したりすることができると考えられているからです。たとえば、購買データを今までにない規模や長期間で柔軟に分析することで新しい商機を見いだすことができたり、移動体端末から収集される行動情報やセンサー情報を解析することによる社会動向の分析やシミュレーションなどに活用できたりすると期待されています。NTTデータでは、このような大規模データや大規模処理に対応するひとつの解として分散処理Hadoopの利用を推し進めており、今回、NTTデータのクラウドサービス「BizXaaS」のソリューションとして提供開始します。

【図】

図:大量データや大規模分散処理のイメージ

Hadoopについて

Hadoopはオープンソースの分散処理基盤ソフトウエアであり、広く一般に利用されているIAサーバーを活用し、その利用台数に応じて扱えるデータの規模や処理能力を拡張できる利便性の高い分散処理システムを構成できるようになります。従来、複数サーバーで1つの処理を行う場合、処理の分散や結果の集約、また分散処理の信頼性確保などについて、アプリケーションごとに個別の設計が必要でした。Hadoopでは、アプリケーション開発者はMapReduceフレームワークを用いて個々の分散制御を意識することなく、処理の分散化を実現できます。

NTTデータのBizXaaS Hadoop構築・運用ソリューションについて

NTTデータは、今までに数十台~千台のサーバーで構成したHadoopシステムをお客様に提供してきました。今回、これまでに培ったHadoopの構築・運用に関する技術力をもとにBizXaaSの「クラウド構築サービス」のラインナップのひとつとして「Hadoop構築・運用ソリューション」を提供します。

これまでBizXaaSの「クラウド構築サービス」では、仮想マシン技術を活用したサーバーを集約できるプライベートクラウド環境を提供してきましたが、「Hadoop環境・運用ソリューション」によりスケーラビリティを追求したクラウド環境を提供することで、プライベートクラウドの活用シーンの拡大を目指します。

「Hadoop環境・運用ソリューション」では、お客様の新しいビジネス機会を生み出すシステムの実現のためのコンサルティング、システム構築、運用設計、導入後のサポートまで幅広く対応します。本サービスで提供するHadoopの環境には、信頼性を向上させるための冗長化の仕組みや多数のサーバー管理する際に顕在化しやすい運用コストの増大を抑える仕組みを実現しており、Hadoopを業務システムや社会基盤システムとして活用できるノウハウが盛り込まれています。

特徴

高いスケーラビリティを持つ分散処理基盤の実現

HadoopとIAサーバーを活用することにより、従来に比べて比較的低いコストで分散処理システムを導入できます。また、サーバー台数を増やすことで性能向上が可能な高いスケーラビリティを実現しているので、需要に応じて柔軟に設備拡張が可能です。Hadoopが持つ耐障害性の仕組みに加えて、NTTデータが開発した冗長化機構を組み合わせることで、業務システムや社会基盤として求められる信頼性を実現します。

準定型データの分析やアドホックな分析の実現

従来のRDBMSで扱ってきた定型データだけでなく、個々にフォーマットが変動するような準定型のデータも格納・処理することができます。様々なデータソースから集まってくる多様なログデータをそのまま格納しておき、処理する際にデータの意味づけを行うような処理や、ワンタイムでマーケティング分析を行うようなアドホックな処理にも向いています。

運用コストを低減する仕組みを実現

数十台~千台規模の大量のサーバーを持つシステムでは、そのサーバーの運用コストが増大しがちです。本ソリューションでは、サーバー台数が増加した場合にも、運用コストの増大を抑える仕組みを実現しています。たとえば、ハードウエア故障時の復旧手順などを自動化するなど、人手のかかる作業や判断を最小限に抑える仕組みを持っています。

周辺プロダクトとの連携対応、サポート

Hadoopが持つ分散ファイルシステムHDFS(Hadoop Distributed File System)や分散処理フレームワークHadoop MapReduceはもちろんのこと、連携して動作するHBase、Hive、Pig、Mahout、Avro、Sqoopなどの周辺プロダクトにも対応します。また、Hadoopを動作させるために必要なLinuxやJDK(Java Development Kit)などのミドルウエアも含めたソフトウエアサポートサービスも提供します。

注釈

  • BIzXaaS

    NTTデータのクラウドサービスのブランド名称。

  • 「BizXaaS」は株式会社NTTデータの登録商標です。
  • その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

報道関係のお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
広報部
高橋
TEL:03-5546-8051

「Hadoop構築・運用ソリューション」に関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
基盤システム事業本部
政谷(まさたに)、濱野
TEL:050-5546-2496

「BizXaaS クラウド構築サービス」に関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
基盤システム事業本部
マーケティング推進室
TEL:050-5546-9605