医療機関向けレセプト院内審査支援システムを「レセプト博士Neo」として一新 ~レセプトのコンピュータチェックのニーズ拡大をふまえ、シェア拡大に向けた販売戦略を加速~

ニュースリリース/NTTデータ

2011年3月9日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータは、レセプト院内審査支援システム「レセプト博士®」の商品体系を一新し、診療所から大学病院まで幅広い医療機関注1のニーズに対応した新バージョン「レセプト博士Neo」を2011年4月1日より提供開始します。

「レセプト博士」は、NTTデータが2002年より提供している医療機関におけるレセプト注2の院内審査を自動化するパッケージソフトウエアで、主として大規模~中規模の病院を中心に多くの販売実績を持っています。

現在、レセプト院内審査に関わる市場環境としては、社会保険診療報酬支払基金の『支払基金サービス向上計画』注3で「コンピュータチェックの充実」が掲げられるなど、レセプト院内審査のコンピュータチェックのニーズが大規模病院から診療所まで幅広い医療機関に広がっています。こうした動向をふまえ、NTTデータではこのたび「レセプト博士」のさらなる利用拡大を目指して従来の商品体系を「レセプト博士Neo」として一新し、医療機関の規模・特性に応じた最適な機能を提供するための商品ラインアップを用意します。

また、「レセプト博士Neo」では、チェック速度の向上などの機能強化が図られているほか、4月1日の提供開始後も順次歯科レセプトへの対応や統計機能の搭載などの新機能追加を予定しています。

NTTデータでは、「レセプト博士Neo」で幅広い医療機関のニーズに対応することで、現在の約2,000ユーザーを2013年度までに10,000ユーザーへシェアを拡大することを目指します。

背景

「レセプト博士」は、医療機関におけるレセプトの院内審査を自動化するパッケージソフトウエアで、レセプト電算形式の電子ファイルをチェックするため、従来1件1件目視点検が必要だった院内審査のほとんどをコンピュータ上で行うことが可能となり、医療機関におけるレセプト院内審査にかかる事務コストの削減と、適正な医業収入の確保を支援しています。2002年の販売開始からレセプト電算処理注4の普及とともに販売数を伸ばし、現在、病院におけるシェアは、約16%で業界NO.1を誇っています。(2011年1月末現在。当社調べ)。

市場動向としては、社会保険診療報酬支払基金が2011年1月13日に発表した『支払基金サービス向上計画』で審査充実のための方策として「コンピュータチェックの充実」が掲げられ、審査支払機関がコンピュータチェックの強化を図るなかで、医療機関にとってもレセプト院内審査のコンピュータチェックは不可欠であり、今後精度の高いチェックが実現できる院内審査支援システムの需要は、全ての医療機関において伸びると予想されます。

新商品戦略

NTTデータではこれら行政動向、市場動向をふまえ、「レセプト博士」のシェア拡大に向けて商品戦略の見直しを行いました。これまでは、導入効果が高いとされるレセプト件数の多い中・大病院を主なターゲットとし単一商品として展開していましたが、今回、医療機関の規模・特性に合わせた3つの商品体系を整備することで、中・大病院のシェア拡大はもちろん、院内審査支援システムの需要が高まっている小規模病院や診療所を新たなターゲットとしてユーザーの拡大を目指します。

従来から提供しているフォーマットチェック注5、算定チェック注6、疾患チェック注7の高精度で豊富なチェックマスタ、院外処方と外来レセプトの突合チェック機能、入院・外来またがりや複数月の縦覧チェック機能、医療機関で自由に独自の算定漏れ等を設定できるチェック機能に加え、歯科レセプトのチェック機能を順次提供する予定です。

また、使いやすさをさらに向上させ、画面に連動したヘルプ表示機能やガイダンス機能の搭載とチェック速度の向上によりお客様のさらなる業務効率化を実現します。

「レセプト博士Neo」は、今後ますます加速する医療制度改革や診療報酬制度改定と審査支払機関の動向への対応と、ユーザーのニーズを積極的に取り入れ、常に進化するレセプトチェックシステムとして、機能強化と新機能追加を行っていく予定です。

新商品体系

レセプト博士Neo Premium

  • 対象

    中~大規模病院・急性期病院(DPC注8対象病院・準備病院)向け

  • 特徴

    DPCレセプトチェックを標準搭載したフルスペック機能装備の最上位商品です。DPC病院からニーズの多かったコーディングデータに基づいた診断群分類の妥当性チェックや様式1とE・Fファイルの相互チェック、出来高と包括点数の比較、および診断群分類番号の検索(樹形図参照)が可能となり、レベルの高いDPCチェック機能を提供します。

レセプト博士Neo Standard

  • 対象

    DPC請求を行っていない一般病院及び慢性期病院、有床診療所向け

  • 特徴

    従来のレセプト博士が持つ高精度のチェック機能を継承しつつ、コストパフォーマンスを高めた後継商品です。チェック速度、ユーザビリティの向上に加え、収益管理に役立つ各種統計出力及び集計が可能となり蓄積されたレセプトデータの有効活用を実現します。

レセプト博士Neo For Clinic

  • 対象

    無床診療所向け

  • 特徴

    電子レセプト請求の普及に伴い、今後ニーズが高まる診療所に対し外来レセプトのチェック機能に簡素化することで、導入しやすさを実現するとともにコストパフォーマンスを高めた商品です。従来のレセプト博士で培ったノウハウを生かし、外来レセプトチェックに求められる高精度で信頼性の高いチェックマスタを提供します。

    • 歯科診療所は現在未対応です

主な機能強化項目・新機能と提供予定時期

機能強化

1.チェック速度の改善

チェックロジックの大幅な見直しを行い、チェック処理時間の短縮を図ります。

2.ユーザビリティの向上

利用者の使いやすさを考え、使用中の画面に連動したヘルプ表示機能により、不明な点を即時に解消できます。またパソコンに不慣れな方でも操作できるようガイダンス機能を搭載します。

3.DPC機能の強化(2011年7月提供予定)

コーディングデータに基づいた診断群分類の妥当性チェック、様式1とE・Fファイルの相互チェック、出来高と包括点数比較、及び診断群分類番号の検索(樹形図)が可能となります。

新機能

4.各種統計機能の搭載(2011年7月提供予定)

レセプトデータや返戻レセプトデータより、医療機関の収益管理に役立つ各種統計出力及び集計ができます。

5.歯科レセプトへの対応(2011年度中提供予定)

歯科レセプトへの対応として、厚生労働省の法令に基づく「光ディスク等又はオンライン請求注9に係る記録条件仕様(歯科用)」に準拠したフォーマットチェックを行います。尚、算定チェック、疾患チェックについては順次対応を予定しています。

  • 提供時期は制度変更等により上記と異なる場合がございます。
【図】

導入効果

  1. 1.「レセプト博士」が持つ、高精度の算定チェック、疾患チェック機能、縦覧チェック機能等を継承しており、システムによるチェックで正確なレセプトの提出が可能となり、電子レセプトの導入効果をより高めるとともに、返戻・減点査定の減少が図れます。
  2. 2.レセプト院内審査業務にかかる稼働が、今までの目視でのチェックに比べ、約40~60%(病院の規模や現状のチェック方法により異なる)の削減を図ることができ、残業時間の減少、人員削減等の経費削減が図れます。
  3. 3.新機能である各種統計出力機能によりレセプトデータ、返戻レセプトデータを活用することで、返戻の傾向分析等、病院経営に役立つ統計出力及び集計が可能となり、利用範囲が大幅に拡大します。

販売目標

2013年度までに、10,000ユーザーの獲得を目指します。

注釈

  • 注1「レセプト博士Neo」は、病院、医科診療所を対象としております。
  • 注2レセプト

    通常、各個人が治療などのため病院にかかると、その費用の一部を自己負担し、残りは各個人がそれぞれ加入している医療保険(国民健康保険や各種健康保険)に応じ、保険者(医療保険を提供している健康保険組合や共済組合、市町村など)が支払うこととなります。

    レセプトとは、診療報酬明細書のことで、病院が保険者に対して、被保険者の加入している医療保険に応じ、保険者が支払う医療費を請求する書類です。病院は、保険者が負担する金額を算出するため、カルテを元に、一人ひとりの患者に対して一ヶ月ごとに行った医療行為(診察や検査、投薬など)や費用をレセプトにまとめ、保険者に対して提出しています。

  • 注3支払基金サービス向上計画

    平成23年1月13日、社会保険診療報酬支払基金が発表した『支払基金サービス向上計画』(平成23年~27年度)。審査の充実のための方策として今後、コンピュータチェックの充実を図るとともに従来の単月点検に加え新たに突合点検、縦覧点検を実施することにより原審査の充実を図るとしております。実施にあたっては、原審査査定点数に占めるコンピュータチェックの寄与率に関する数値目標が設定されており、コンピュータチェックを契機とする部分の比率について、平成22年9月審査分37.4%から平成27年度中に7割程度に倍増することを目指すと示されております。

  • 注4レセプト電算処理システム

    レセプト電算処理システムは、平成11年4月より、厚生労働省や審査支払機関などが中心となり、診療報酬の請求を紙のレセプトにかえて、電子媒体に収録したレセプト(電子レセプト)で提出を行うことが出来る仕組みを整備したものです。医療機関、審査支払機関及び保険者を通じて一貫した整合性のあるシステムを構築し、業務量の軽減と事務処理の迅速化を実現することを目的としています。

  • 注5フォーマットチェック

    電子レセプトファイルがレセプト電算処理の記録条件仕様(光ディスク等又はオンラインによる請求に係る記録条件仕様(医科用・DPC用))に準拠しているかチェックします。記録順序や各レコードの桁数等に不備がないか、外字が含まれていないか等をチェックしています。記録内容にエラーがある場合、審査支払機関では受理されません。

  • 注6算定チェック

    医科点数表の解釈をもとにしたチェックを行っています。算定チェックは、審査支払機関側のレセプト電算処理システムで公開されている標準仕様(光ディスク等又はオンラインによる請求に係る標準仕様(医科用・DPC用))に準拠した内容となっています。

  • 注7疾患チェック

    薬品と疾患、検査と疾患等の他、診療行為の適応性をチェックしています。標準で提供している疾患チェックマスタは、医療用医薬品の添付文書情報等をもとに常用量や適応疾患が設定されていますが、使用する医療機関ごとに変更や追加ができるようになっています。

  • 注8DPC

    DPCとはDiagnosis Procedure Combinationの略で、従来の診療行為ごとに計算する「出来高払い」方式とは異なり、入院患者様の病名とその症状・治療行為をもとに厚生労働省が定めた1日当たりの金額からなる包括評価部分(投薬、注射、処置、入院料等)と出来高評価部分(手術、麻酔、リハビリ、指導料等)を組み合わせて計算する新しい計算方式です。

    DPCは単に支払方式の改革だけではなく、良質な医療、効率的、効果的な医療、医療の透明化等を図るために実施されるものです。

  • 注9オンライン請求

    レセプトを、オンラインを活用した電子的手法(専用線やインターネットVPN)により審査支払機関へ提出する仕組み。

  • 「レセプト博士」は日本国内における株式会社NTTデータの登録商標です。
  • その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

関連情報

レセプト博士WEBサイト

本件に関するお問い合わせ先

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