国内初、次世代給電方式を利用した商用システムを構築 ～日本無線の社内システムとして構築、10～20%の電力を削減～

株式会社NTTデータ（代表取締役社長：山下　徹、以下　NTTデータ）、NTTデータ先端技術株式会社（代表取締役社長：三宅　功、以下　NTTデータ先端技術）は、高電圧直流（以下　HVDC）を利用した日本で初めての商用システム基盤を構築し、日本無線株式会社（代表取締役社長：土田　隆平、以下　JRC）の社内システムとして、3月5日から稼動を開始しました。

今回のシステムは、JRCの社内システムをプライベートクラウド環境として構築するとともに、従来の交流（AC）給電ではなく、HVDCを給電方式として採用したものです。HVDC給電は交流給電と比較して10%～20%の電力効率化が見込まれ、ランニングコストの大幅な削減が期待できます。

なおプライベートクラウド環境構築にあたっては「BizXaaS^®構築・運用サービス」を利用しています。

サーバ統合・集約化によるエネルギーの効率利用が進む中、さらなるエネルギー効率化を図るべく、従来の交流給電よりもエネルギー効率が高く、システム全体の省電力化を図ることが可能なHVDC給電に大きな注目と期待が集まっています。しかし、技術的な課題、作業上の安全性の確保、対応機器の少なさが、これまでHVDC給電を利用したシステムの普及の妨げになってきました。

今回、JRCはITコスト削減を目的に、NTTデータが提供する企業向けプライベートクラウド構築サービス「BizXaaS構築・運用サービス」を利用して、社内システムのサーバ統合を行いました。その際、JRCのHVDC給電システム、およびNTTデータ、NTTデータ先端技術のHVDC対応製品を採用し、サーバ台数削減と給電システム改善により、エネルギー効率の向上を実現しました。HVDC給電システムが商用システムに採用される国内初の事例となります。

「DC SERVER RACK SYSTEM」は、JRCのHVDC給電システム「FRESH HVDC」から供給される高電圧の直流電流を安全な電圧まで下げるシステムラック内の集中電源ユニットです。これにより、サーバ側におけるHVDC専用の電源ユニットが不要となります。また、集中電源によって電力を集約するため、CPUの稼働率が少ない状態においても常に高効率を実現します。

「PRORIZE DCサーバ」はNTTデータが提供するHVDC対応の省スペース型サーバです。

「DC SERVER RACK SYSTEM」と組み合わせることで直流給電対応が可能となり、システム全体の省電力化に貢献します。

「Cisco UCSサーバ」はシスコシステムズが提供するブレードサーバです。

「BizXaaS構築・運用サービス」は、お客さま専用のプライベートクラウドや特定企業グループ様向けのコミュニティクラウド等の構築・運用を行うサービスです。NTTデータの運営するデータセンターやお客さまが指定された場所（データセンター等）にシステムを構築し、毎月のご利用量に応じてシステム利用料をお支払いいただくサービスです。

「FRESH HVDC」は、交流で受電した電力を高電圧直流に変換し、直流のまま一気にサーバラックに供給する給電システムです。交流/直流変換は一度しか発生しないため、電力の損失を抑えるとともに余分な発熱が生じないため空調の電力削減にも寄与します。

今後、NTTデータグループではHVDC給電の普及に向けて標準化への取り組みを加速させるとともに、優れたエネルギー効率を実現するHVDC給電とお客さまのさまざまなニーズにお応えする総合クラウドサービス「BizXaaS」の推進を図っていきます。