タブレット端末（Androidアプリ）を活用した救急搬送情報共有システムを岐阜県で構築

株式会社NTTデータは、岐阜県の救急隊向けの救急搬送情報共有システム（Emergency Transport Information System：ETIS（エティス）、以下Android版救急搬送情報共有システム）を、Androidアプリケーションおよび、タブレット端末を利用して構築しました。救急隊は本システムを用いると、携行したタブレット端末に救急搬送情報を入力し、県内の救急隊間で共有することができます。これにより、救急搬送先選定における受入の重複を防止することができ、搬送先医療機関の選定時間短縮や集中搬送の回避などが可能になります。岐阜県は、本システムの運用を2012年8月1日より開始します。

全国の救急隊出動件数は3年連続増加しており、2011年度は過去最高の出動件数となるなど、救急医療を取り巻く環境は厳しい状況が続いています。

そのような中、岐阜県では県内22の消防本部、126の救急隊により、年間約80,000件の救急出動（2011年度79,562件）に対応していますが、大都市部に見られるような、医療機関への受入照会が数十回に及ぶ重大な受入医療機関選定困難事案の発生はありません。しかし、地域によっては消防管轄を超えた傷病者の救急搬送があること、特定の医療機関に搬送が集中することなどから、より迅速に救急搬送先選定を行うためには、救急隊相互の情報共有が欠かせない状況です。

一方NTTデータでは、全国27都道府県へ救急医療情報システム^注1を提供しているほか、自治体へ救急隊向け情報支援ソリューションを提供しています。また、2009年度総務省消防庁の「救急安心センターモデル事業」に参画し、携帯電話を利用した救急搬送情報共有システム^注2（以下、iモード版救急搬送情報共有システム）を全国に先駆け愛知県にて構築した実績があるなど、救急医療情報システムのノウハウを蓄積しています。

そこで今回NTTデータは、岐阜県内の救急隊間で、タブレット端末を用いて、救急搬送情報をリアルタイムに共有することができるシステムを構築しました。本システムは、愛知県にて構築・運用中のiモード版救急搬送情報共有システムをAndroidアプリケーションに対応させたものです。

本システムの導入により、搬送先医療機関選定時間やそれに伴う搬送時間全体の短縮、さらには分散搬送による医療資源の有効活用が可能になります。
岐阜県は本システムを本日より運用開始します。

今後NTTデータは、救急隊向け情報支援ソリューションのレベルアップを図り、他都道府県への展開を目指します。