金融機関向け電子記録債権対応ASPサービス「DENTRANS®」提供開始 ~電子記録債権導入における金融機関負担軽減と利用企業の利便性向上を実現~

ニュースリリース/NTTデータ

2013年2月18日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータは、2013年2月18日より金融機関向け電子記録債権対応ASPサービス「DENTRANS®」をサービス開始します。本サービスは、金融機関が株式会社全銀電子債権ネットワーク(以下:でんさいネット)に接続する際に必要な機能を提供する金融機関向けサービスです。

電子記録債権は企業にとって、印紙税の不要化、手形管理負担や紛失・盗難リスクの低減、債権の分割譲渡や割引の実現等の各種メリットがあるため、新たな決済手段として今後広く普及が見込まれているものです。金融機関は本サービスの利用により、でんさいネット接続に伴うシステム投資を大幅に削減しつつ、電子記録債権の利用を希望する企業に対してインターネット・FAX・金融機関窓口といった多様な手段で電子記録債権取引を提供することが可能となります。なお、本日より200を超える金融機関で、本サービスを利用した電子記録債権サービスが開始されており、今後さらに多くの金融機関における導入が予定されています。

今後はでんさいネットとともに、電子記録債権取引を支える社会経済インフラの一翼として、さまざまな機能の拡充や新たなサービス展開を実現していきます。

背景

平成20年度12月の電子記録債権法施行以降、電子記録債権を新たな資金調達・決済手段として取り扱うサービスの検討が進められてきました。検討の結果、構築が進められてきたでんさいネットが、2013年2月18日よりサービス開始することとなりました。なおでんさいネットには、一般社団法人全国銀行協会に加盟する会員銀行ならびに、信用金庫、信用組合等の金融機関が参加加盟しています。

でんさいネット加盟金融機関が、企業向けにでんさいネットのサービスを提供するには、金融機関側ででんさいネット接続対応、電子記録債権を取り扱う上での各種セキュリティー機能の構築、ハードウエア設備拡張などのシステム対応を実施する必要があります。多くの金融機関でこれらシステム改修が必要となる中、金融機関の負担を極力おさえ、電子記録債権取引を広く普及させていくために、NTTデータでは電子記録債権対応ASPサービス「DENTRANS」を提供することとしました。これにより、金融機関はでんさいネット接続に伴うシステム投資コスト大幅に削減しつつ、企業向けに電子記録債権を用いた各種サービスを提供することが可能となります。

【図】

図:DENTRANSサービスイメージ

概要(特長)

NTTデータは、これまで金融業界横断のさまざまなインフラシステムを構築し提供してきました。今回の「DENTRANS」サービスについても、これらの多様なシステムサービスの構築実績を踏まえ、次世代の社会経済インフラシステムを担うサービスとして必要な機能を実現しています。「DENTRANS」サービスの特長は以下のとおりです。

1.ASPサービスにより金融機関のシステム対応負担を軽減

  1. 1.金融機関個別のシステム投資を大幅削減

    金融機関がでんさいネットに接続するためには、新たなシステム対応が必要となるため、多くの投資コストが発生します。金融機関は、「DENTRANS」を利用することで、以下のようなシステム対応を独自に行う必要がなくなり、個別のシステム対応を行う場合と比較すると、構築時、運用時ともに、大幅にコストを抑制して、でんさいネットのサービスを提供することが可能となります。

    • でんさいネットとのデータ送受信機能の構築
    • 利用企業認証機能の構築
    • 電子記録債権の登録管理機能の構築
    • 数年ごとに必要となるシステム更改への対応
  2. 2.取扱量の増減に柔軟に対応可能

    電子記録債権の取扱量が増えた際、通常はその取扱量に応じた大規模な設備投資が必要になります。特に新しいサービスにおいては、将来的な取扱量の予測が難しいため、過剰な投資コストが発生するリスクがあります。一方で「DENTRANS」は、ASPサービスのため、金融機関は個別に取扱量の変化にシステム対応する必要がなくなります。また取扱量に応じた料金体系を採用しているため、金融機関はサービス量の変化に対して、過剰投資や設備不足といったリスクを避け、柔軟に対応を行うことが可能となります。

2.利用者(利用企業・金融機関)ニーズに沿った機能を提供

「DENTRANS」では、サービス提供の主体となる金融機関業務の立場に立ち、以下の機能を提供します。

  1. 1.利用企業に向けた多様な電子記録債権取引機能を提供

    利用企業が、でんさいネットの提供する電子記録債権の発生記録請求や譲渡記録請求など多様な取引を行う際に必要となる、各種取引画面や帳票を提供します。また、この発生記録請求等において、同時に多数の債権を取り扱うための一括記録請求というしくみにも対応しています。

  2. 2.営業店での取引を可能とする運用管理機能

    金融機関における現状の手形取扱事務・運用を考慮し、各営業店でも電子記録債権の取引操作が可能となるよう、運用管理機能を提供します。

  3. 3.インターネット取引に加え、窓口、FAX取引にも対応

    企業が電子記録債権の取引を行う場合、通常はインターネット経由での利用が見込まれますが、金融機関の窓口やFAXでの取引も可能なしくみを備えています。

  4. 4.インターネットバンキングとのシームレスな連携

    インターネットバンキングシステムと認証のしくみを共有・連携する事により、企業はシームレスに電子記録債権の取引を行う事ができます。

  5. 5.制度改正によるシステム変更に対応

    今後想定されるさまざまな制度改正により必要となるシステム的な変更についても、「DENTRANS」にて機能的な対応を図ることで、金融機関側のシステム変更を極力行わなくて良いしくみを構築していきます。

  6. 6.DENTRANS企業向けヘルプデスクサービスを提供

    企業からの問い合わせに対して金融機関が自前でコールセンターを設置することはコスト負担になります。そこで他のインターネットバンキングで提供しているヘルプデスクサービスで培ったノウハウを生かし「DENTRANS企業向けヘルプデスクサービス」を提供します。

3.高度な信頼性対策並びにセキュリティーの具備

  1. 1.社会経済インフラを担うサービスとしての高い信頼性の確保

    「DENTRANS」は、NTTデータがこれまで金融機関向けインフラシステムを多数手がけてきた実績を生かし、新たな社会経済インフラを担うサービスとして高い信頼性を確保しています。またバックアップセンターを用意し、システムの安定運用が行えるよう十分な対応を図っています。

    • 主な対応

      サーバー・電源設備の完全二重化、耐震構造をもつデータセンターへの設置

  2. 2.金融機関のニーズに対応した各種セキュリティー機能

    金融機関が企業へ提供するサービスとして求められる各種セキュリティー機能について、NTTデータのインターネットバンキングシステム提供実績に基づく、多種・多様なセキュリティー機能を提供します。

    • 主な対応

      不正アクセス防止機能、なりすまし防止機能

利用金融機関

2013年2月18日時点で200を超える金融機関が、「DENTRANS」を利用した電子記録債権サービスの提供を開始しています。

今後について

でんさいネット利用における金融機関向けのデファクトサービスとして、利用企業や金融機関のニーズを反映した各種機能やサービスのさらなる充実を図っていきます。

また、今後でんさいネットに参加加盟する金融機関に対しても、積極的に「DENTRANS」の展開を図っていきます。

さらに将来的には、次世代の企業向け金融サービスとして、手形の代替機能のみならず、多種多様な新規機能を拡充していきます。

注釈

  • 「でんさいネット」は、株式会社全銀電子債権ネットワークの提供するサービスです。
  • 「DENTRANS」は、日本国内における株式会社NTTデータの登録商標です。
  • その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

報道関係のお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
広報部
戸田
TEL:03-5546-8051

製品・サービスに関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
第二金融事業本部
e-ビジネス事業部
でんさい統括部
商品企画担当
佐藤、森
TEL:03-5484-4561