クレジットカード加盟店審査業務の高度化に関する実証実験を開始 ~「データウェアハウス/ビジネスインテリジェンス・ラボ®」を利用した高度な分析で加盟店審査業務をサポート~
2013年10月15日
株式会社NTTデータ
株式会社NTTデータ(本社:東京都江東区、代表取締役社長:岩本 敏男、以下:NTTデータ)は、非構造化データ分析技術を用いた、クレジットカード加盟店審査業務の高度化に関する実証実験を10月15日より開始しました。
背景
昨今のカードビジネスを取り巻く環境においては、ECビジネスの爆発的な増加、スマートフォン決済を含む決済手段の多様化など、消費者のクレジットカード利用シーンが一層増しています。これに伴い、改正割販法の施行注1をはじめ、消費者がより安心してクレジットカードを利用できる環境の整備が進んでいます。
実店舗、ECサイトを問わず、クレジットカード決済の可否は、消費者にとってその店舗の重要な信用指標の一つであることから、カード会社にとって、多種多様な業態の加盟店に対し今まで以上に高度な加盟店審査業務の実施することが急務となっています。
そこで、NTTデータは、加盟店審査業務高度化の取り組みの一環として、非構造化データ分析技術を用いた、加盟店審査関連情報収集の高度化/自動化の実証実験を開始することとしました。
実証実験内容
NTTデータが開発した加盟店審査プロトタイプシステムを、三井住友カード株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:島田 秀男、以下:三井住友カード)に提供し、三井住友カードの加盟店審査業務における実務検証を通じて、業務の自動化・効率化の検討を進めます。本実証実験は10月15日より開始し、約2カ月間実施します。
構築システム概要
今回構築するシステムは、米マークロジック社のEnterprise NoSQL Database注2「MarkLogic Server®」による、柔軟性・拡張性に富んだ開発基盤を軸に、NTTデータのエンリッチ化技術注3を組み込んだ加盟店審査用のプロトタイプシステムとなります。当該システムはトライアル環境や外部データの提供において、当社の「データウェアハウス/ビジネスインテリジェンス・ラボ」のサービス(後述参照)を利用しています。
加盟店審査時には、さまざまな情報を参照・分析して総合的な判断を行いますが、特に「非対面先」と呼ばれる実店舗を持っていない加盟店(EC加盟店、スマホ加盟店等)に関しては、従来の加盟店審査と比較して情報参照先が多岐にわたります。これら多岐にわたる情報分析を、加盟店審査部門がいかに正確かつ効率的に実施することができるかをポイントに、以下の機能を構築します。
- 1.情報収集機能
インターネット上の第三者情報、ECサイトの記載内容、口コミによる評判情報など、インターネット上に大量に存在する情報の中から、審査に必要な情報を抽出し収集する機能です。
- 2.審査用データベース構築機能
収集したインターネット上の情報や、公知の情報(半構造化データ、非構造化データ)とお客さま社内の業務データ(構造化データ)をエンリッチ化による意味解釈を行い、Enterprise NoSQL Database上へタグ付けして格納します。これにより、あらゆるデータが格納された審査用データベースを構築します。
- 3.ダッシュボード表示機能
審査用データベースに蓄積されているお客さまの業務に必要な分析結果、情報収集結果を一つの画面に表示することが出来るダッシュボード機能で、審査業務の効率化を実現します。
なお、今後さらに審査対象先の予兆検知を行う仕組みの検討や、審査時に蓄積される審査結果データの統計解析にもとづく加盟店審査モデルを策定することで、将来的には自動審査の実現も視野に入れて研究を進めていきます。
システム概要
今後について
NTTデータでは、本実証実験を通じて開発したシステムについて、将来的に広くクレジット業界へ拡大展開していく予定です。また、引き続き「データウェアハウス/ビジネスインテリジェンス・ラボ」のビッグデータ分析サービスを活用し、Twitterを中心としたソーシャルデータを用いた予兆検知機能の追加も検討していきます。
参考
「データウェアハウス/ビジネスインテリジェンス・ラボ」について
「データウェアハウス/ビジネスインテリジェンス・ラボ」は、ビッグデータ活用の構想段階からデータ分析の専門家であるデータサイエンティストを交えたコンサルティングや、NTTデータや他社のソリューションを検証できるトライアル環境、Twitterデータをはじめとした外部データと組み合わせた分析を行うサービスを提供します。これによりデータ活用領域に応じて最適な技術・専門性を持ったメンバーを組み合わせて課題や新規事業をともに検討できるほか、企業・組織内のデータだけでなく社外のデータを横断的に組み合わせ幅広い視点での分析をすることで、顧客企業は経験や勘ではなくデータに基づいた効率的な企業活動が可能になります。
注釈
- 注1改正割販法とは、分割払いを利用した悪質商法や、消費者の支払い能力を超えるクレジットを提供することを防止するために、クレジット会社が販売店を加盟店にする際、あるいは消費者にクレジット提供をする際に適正な審査を行うことを義務付けた法律です。
- 注2Enterprise NoSQL Databaseとは、XML文書をその構造のまま格納・操作を行うことができるXMLデータベースです。
- 注3エンリッチ化技術とは文章や表など、半構造化・非構造化データの構造を推定し、意味を付与する技術です。
- 「データウェアハウス/ビジネスインテリジェンス・ラボ」は日本国内における株式会社NTTデータの登録商標です。
- 「MarkLogic Server」は米国内におけるMarkLogic Corporationの登録商標です。
- その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。
本件に関するお問い合わせ先
報道関係のお問い合わせ先
株式会社NTTデータ
広報部
甘田(かんだ)
TEL:03-5546-8051
実証実験に関するお問い合わせ先
株式会社NTTデータ
第一金融事業本部
金融グローバルITサービス事業部
光石、宮本、渡辺(由)
TEL:050-5546-2649
「データウェアハウス/ビジネスインテリジェンス・ラボ」に関するお問い合わせ先
株式会社NTTデータ
ビジネスソリューション事業本部
ビッグデータビジネス推進室
吉村、森本、安藤
TEL:050-5546-7791