容量を柔軟に拡張可能な分散型ストレージを提供 ~障害発生時の自動復旧・自律的なストレージ環境の構築により運用コストを大幅に削減~

ニュースリリース/NTTデータ

2014年10月14日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータ(本社:東京都江東区、社長:岩本 敏男、以下:NTTデータ)は2014年12月1日より、分散型ストレージ注1をオンプレミスで構築可能な「NTT DATA Open Solutionsブロックストレージ」(以下、本製品)の提供を開始します。

本製品は数十テラバイトから数百ペタバイトまで、容量を柔軟に拡張できるストレージです。本製品を利用することで、ユーザーは初期投資が少ない小規模構成からストレージを構築でき、利用状況に合わせてストレージ容量を拡張できます。汎用的なiSCSI注2(アイスカジー)インターフェースを備えているため、既存のアプリケーションも改修することなく利用が可能です。また、ストレージ内のデータを障害発生時に自律的に復旧できる機能を備え、ストレージの全監視を行えるツールを標準で提供するため、より安全で効率的なストレージ管理が可能となります。

NTTデータは本製品の提供により2018年までに累計10億円の売り上げを目指します。

背景

近年、クラウド環境の持つ迅速性とオンプレミスのもつセキュリティーを両立させるため、プライベートクラウド環境が注目され、さらにOpenStack注3に代表される安定したクラウド基盤の登場により、プライベートクラウド環境の構築ニーズが増大しています。ビッグデータ時代に対応するため、プライベートクラウド環境においてはデータ蓄積・分析に対する効率化のニーズが高まっている中、従来のストレージ技術では急速に増大するデータへ対応するための拡張性が不十分でした。

そこで今回NTTデータは、プライベートクラウド環境において柔軟な拡張が可能な汎用ストレージを構築することができる「NTT DATA Open Solutionsブロックストレージ」の提供を2014年12月1日より開始することとしました。

概要

本製品は従来と比較して大幅に容量の拡張が可能で、運用が容易なストレージアプライアンスです。本製品を導入することで、ユーザーは初期投資が少ない小規模構成からストレージを構築でき、その後は変化するストレージ要件に合わせ、必要なだけ必要なタイミングで容量の増設・減設ができます。また、汎用的なiSCSI インターフェースを備えているため、プライベートクラウド環境に限らず適用でき、既存のアプリケーションも改修することなく利用が可能です。そのため、既存ストレージからの移行も容易です。

【図】

図1:本製品の利用イメージ

【図】

図2:製品本体イメージ

特長

  1. 1.小規模から大規模までの無停止増設・減設を実現

    本製品は、従来製品よりもはるかに大規模な数千台までクラスタリング注4可能なため、数十テラバイトから数百ペタバイトまでのストレージ容量を実現できます。さらに、利用状況に合わせて柔軟に容量を無停止拡張可能なため、導入当初に将来の規模を想定して機器導入する必要がありません。そのため、無停止で拡張が必要なサーバー仮想化環境のブロックストレージ基盤や、容量が急拡大する企業統合文書管理システムのストレージインフラとしての利用などに適しています。

  2. 2.データ冗長化による高堅牢性・高可用性

    ソフトウエアによって自律的にデータの冗長化・分散化を行うことで、ストレージの高堅牢性・高可用性を実現しました。堅牢性、可用性のレベルはユーザーのニーズに応じて自由に設定することが可能です。さらに、iSCSI マルチターゲット、iSCSI マルチパス I/O機能を備えることで障害時にフェイルオーバー注5を行うことから、可用性も向上しました。

  3. 3.自律動作による運用コストの削減

    自律的に動作し、クラスタ構成を自動検出します。購入したサーバーの電源を入れるだけで、自動的にストレージ環境の構築ができ、複雑なクラスタ設定は一切不要です。また、故障ノードの自動切り離しや、データの冗長化・分散化が自動的に行われることで、障害発生時にも運用オペレーターが緊急に対応をする必要がありません。これにより、大量のハードウエアによって構成される大容量ストレージであっても少人数で運用することができることから、従来のストレージに比べて運用にかかるコストの大幅な削減が可能です。

  4. 4.統合的な監視・可視化システムを提供

    ストレージサービス運用に必要な全ての監視・可視化項目(利用容量や空き容量、スループット性能、利用傾向、CPUやメモリー資源の利用率等)をカバーし、クラスタ化されたストレージ全体を統合した監視・可視化システムを提供します。

  5. 5.運用時に必要な周辺機能を充実

    仮想化環境において、データ保全や環境切り戻しに重要となる「スナップショット」やクローンなどの「ボリューム操作機能」、容量設計を手助けする「シンプロビジョニング機能」、またデータの変更分のみをバックアップ保存可能とすることで定期的なバックアップを容易にするボリュームの差分取得などの機能を備えています。

  6. 6.最先端のオープンソースを利用

    世界でも多数の利用実績のあるオープンソースソフトウエア「Sheepdog注6」(日本電信電話株式会社の研究所である、ソフトウェアイノベーションセンタが開発)をベースに、品質強化や独自の機能追加を行いました。

なお、本製品は NTT DATA Open Solutionsの「プライベート・クラウドストレージ・ソリューション」のラインナップとして提供されるため、すでに提供している分散オブジェクトストレージと合わせて、あらゆる用途に対して最適なストレージソリューションを提供します。

価格

100TB環境の場合、1,600万円(税抜き)から提供

今後について

NTTデータは、今後も市場の変化やユーザーのニーズに迅速・的確に対応した、最適なクラウドソフトウエア/オープンソースソフトウエアの提供を目指します。また、本製品の提供を推進することで、2018年度までに累計10億円の売り上げを目指します。

参考

出展のご案内

本製品の提供に先立ち、ITpro EXPO 2014(主催:日経BP社)NTTデータブースにてデモンストレーション展示を行います。

ITpro EXPO 2014 NTTデータグループブース

  • 会期:2014年10月15日(水)~17日(金)
  • 会場:東京ビッグサイト(東4-6 ホール 小間番号1-37)

注釈

  • 注1分散型ストレージとは、複数のサーバー機をネットワークで接続し、一つの仮想的なストレージを実現する技術です。
  • 注2iSCSIとは、記憶装置とコンピューター間の通信に使用するSCSIコマンドを、IPネットワークで送受信するためのプロトコルです。
  • 注3OpenStackとは、企業のプライベートクラウド環境や、データセンター事業者のクラウド環境を実現する多様な機能を統合したソフトウエアです。
  • 注4クラスタリングとは、複数のコンピューターを連結し、1台のコンピューターとして束ねることです。
  • 注5フェイルオーバーとは、稼働中のシステムが障害を起こした際に代替システムに自動的に引き継ぎ、稼動を停止させることなく処理を続行する仕組みです。
  • 注6Sheepdogとは、日本電信電話株式会社の研究所である、ソフトウェアイノベーションセンタによって開発された、分散ストレージを実現するオープンソースソフトウエアです。適切に導入することで、一般的なIAサーバーを高度なストレージとして活用できます。
  • 「Sheepdog」は日本電信電話株式会社の登録商標です。
  • その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

報道関係のお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
広報部
甘田(かんだ)
TEL:03-5546-8051

製品・サービスに関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
基盤システム事業本部
システム方式技術事業部
森田、三浦
TEL:050-5546-2301