航空管制分野における新ブランド「airpalette™」を立ち上げ、第一弾としてeTODソリューションを提供

ニュースリリース/NTTデータ

2015年1月23日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータ(本社:東京都江東区、代表取締役社長:岩本 敏男、以下:NTTデータ)は、航空管制分野でのブランド力の向上と製品ラインナップの拡張によりさらなる海外におけるビジネスの拡大を図るため、2015年1月23日、航空管制製品ブランド「airpalette(エアパレット)」を新たに立ち上げました。

また、airpaletteブランドの製品第一弾として、米国Digital Globe社による世界最高峰の高解像度衛星画像、独立行政法人宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)による全世界をカバーした3D地形データ、およびNTTデータの三次元空間情報処理技術を融合したairpalette eTOD(イーティーオーディー、electric Terrain & Obstacle Data)ソリューション(以下、eTODソリューション)の提供を開始します。

eTODソリューションは、航空管制分野における世界最高解像度を用いた唯一の地形・障害物データ提供サービスです。本サービスを活用することで、全世界で最新かつ精緻な地形・障害物データを容易に利用することが可能となり、飛行方式設計業務における飛行経路障害物検証の正確性と効率性を改善すること等が可能となります。

背景

現在、ICAO(国際民間航空機関)によると、世界各地域における航空交通輸送量は2025年まで継続的に大きく増加していくと予想され、アジア・太平洋地域だけを例にとっても、2025年まで年平均5.8%の割合で増加していくと見込まれています。

このためICAOは、2025年およびそれ以降を見据えた航空交通管理に関する指針(グローバルATM運用概念)注1を策定し、より安全かつ効率的な航空機運航実現の支援を図っています。この動きに合わせ、日欧米では当該指針に基づいた長期ビジョン(日本:CARATS(航空交通システムの変革に向けた協調的行動、Collaborative Actions for Renovation of Air Traffic Systems)、米国:NextGen(Next Generation)、欧州:SESAR(Single European Sky ATM Research))が策定され、次世代航空交通管理システム構築が進められるなど、航空交通システムを整備して将来の航空交通輸送増大に対応していくことは国際的な課題となっています。

これまでNTTデータは、飛行方式設計システム「PANADES®注2の提供を通じて、全世界での安全かつ効率的な航空機運航の実現に貢献するとともに、航空管制分野における海外ビジネスに取り組んできました。今回、製品販売ビジネス、サービス提供、システムインテグレーション等、さまざまなビジネスの形態へ柔軟に対応して海外ビジネスを一層推進するため、NTTデータの航空管制分野の製品ラインナップを統括するブランド「airpalette」を立ち上げるとともに、第一弾のサービスとしてeTODソリューションの提供を開始します。

「airpalette」ブランドとは

「airpalette」は、航空管制分野におけるNTTデータの製品ブランドです。「Air(空)」と「Palette(絵を描く際に使われるパレット)」を掛け合わせた造語であり、次のようなブランドコンセプトがあります。

  • 多彩な(多才な、個性豊かな)製品で、全世界における空の安全や効率的な航空機運航を実現
  • パレットに色を足すように、充実していく製品ラインナップ
  • 絵の具を混ぜて新しい色を生み出すように、さまざまな製品を組み合わせて次世代の航空交通の世界を創出

このブランド創設により、海外航空管制システム分野における認知度向上とビジネス拡大を目指します。

eTODソリューションとは

「airpalette」ブランドの製品第一弾となるeTODソリューションは、航空管制分野において「ICAO ANNEX(国際民間航空条約附属書)」注3に適合し、世界最高解像度を用いた唯一の地形・障害物データ提供サービスです。

NTTデータは米国DigitalGlobe社の世界最高解像度(31cm~50cm)を誇る衛星画像注4の公共・民間分野における日本国内総代理店であり、また、JAXAから製造委託された「全世界デジタル3D地図」注5についても利用許諾を受けて世界販売を行っています。これらを入力データとし、これまでNTTデータがJAXAおよび中央省庁等から上記「全世界デジタル3D地図」をはじめとする画像処理業務で蓄積してきた三次元空間情報処理技術を用いることで、高解像度衛星画像と地形情報に基づく、全世界で最新かつ精緻な地形・障害物データを容易に利用することが可能となります。

このサービスは全世界の航空管制当局や軍組織に対し空港単位で提供を行う注6もので、航空管制当局・軍組織等の飛行方式設計業務において必要不可欠となる飛行経路障害物検証の正確性と効率性の改善等を図ります。

eTODの地形・障害物データイメージ

【図】
  • 【線の色】緑系は樹木、赤系は建物を表す【線の長さ】高さを表す

今後について

今後NTTデータは、欧米市場からeTODソリューションの展開を開始するとともに、airpaletteブランド製品ラインナップの拡張を順次行っていく予定です。

参考

注釈

  • 注1ICAOが策定した航空交通管理に関する指針(グローバルATM運用概念)では、航空交通の安全性、効率性、環境問題への対応等の目標を達成するにあたって重要な、将来の航空交通管理運用における構成要素が掲げられています。
  • 注22015年1月19日現在、タイ、インドネシア、ベトナム、ラオス、ミャンマーに導入済みです。商標登録についてはタイでは登録済み、インドネシア、ベトナム、ラオス、ミャンマーでは出願中の状態です。
  • 注3ICAO ANNEX(国際民間航空条約附属書)とは、ICAOが定める航空に関する国際標準です。
  • 注4NTTデータは、米国DigitalGlobe社と日本国内の公共・民間分野を対象とするマスターリセラー(総代理店)契約を締結しました。本契約にもとづきNTTデータはNTT空間情報と共同で、2014年4月より公共・民間分野向けにDigitalGlobe社が保有する衛星画像を活用した衛星画像提供サービスを開始しました。 また、DigitalGlobe社とは、DigitalGlobe社の衛星画像とNTTデータの衛星画像処理技術を融合して新たな付加価値製品を開発・世界に向けて販売するInformation Partner Programを実行中です。
  • 注5NTTデータが、JAXAより製造委託および成果物の利用許諾を受け、一般財団法人リモート・センシング技術センターと共同で「全世界デジタル3D地図提供サービス」を開始しました。本製品はJAXAの陸域観測技術衛星「だいち(ALOS)」により撮影された衛星画像を用いて作成される、世界で初めて5m解像度で全世界の陸域をカバーする数値標高モデル(DEM:Digital Elevation Model)となります。
  • 注6軍組織へのデータ提供にあたっては、JAXAの「全世界デジタル3D地図」の利用は行いません。
  • 「airpalette」は、株式会社NTTデータの商標です。
  • その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

報道関係のお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
広報部
後藤(尾)
TEL:03-5546-8051

製品・サービスに関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
公共システム事業本部
第一公共システム事業部
齋藤、奥村、仁平
TEL:050-5546-2289