キリンが「BizXaaS®BA Analytics Framework」を採用 ~データ分析基盤における分析前処理を、GUIベースで簡易化・効率化~
2015年6月25日
株式会社NTTデータ
株式会社NTTデータ(以下:NTTデータ)のビッグデータ分析活用に伴うデータ加工・集計支援サービス「BizXaaS®BA Analytics Framework」注1が、キリン株式会社(以下:キリン)のデータ分析基盤構築において採用され、6月25日より本格運用を開始しました。
本サービスは、ビッグデータ分析作業の際の煩雑で作業負荷の高い、データ加工・集計等の分析前処理作業を効率化できるよう、「BizXaaS BA」に新たな機能として追加したものです。GUI(Graphical User Interface)ベースの簡単な操作で、企業担当者自身による分析前処理作業を可能にするとともに、作業負荷を大幅に低減します。
2015年1月、キリンのデータ分析基盤の構築において、このサービスが採用されました。作業負荷の軽減や操作の有用性、それに伴うコスト面でのメリット、高い拡張性等が認められたことから、このたび本格運用が開始となりました。
今後NTTデータは、さまざまな業界の分析活用支援におけるノウハウを生かした「分析活用テンプレート」を追加する等、ユーザー企業のデータ分析基盤構築、分析活用、施策展開を支援していきます。また、各種サービス開発、運用支援も予定し、分析から施策までシームレスなPDCAサイクルを提供していくことで、BizXaaS BA全体で3年間100億円の売り上げを目指します。
背景
近年、日々変化する経営環境に対応するためにビッグデータ分析活用に取り組む企業が増える中、「データ加工・集計等の分析前処理に想定以上の手間がかかる」、「ユーザー企業担当者自身がGUIベースで作業するためには高額なETLツール注2が必要となる」といった課題がありました。
NTTデータは、このような課題を解決するため、2012年6月よりビッグデータ・トータル・サービス「BizXaaS BA」を提供してきた技術やノウハウを生かし、株式会社NTTデータ数理システムの提供する「Visual Analytics Platform®(以下:VAP)」をベースに、データ分析基盤サービス「BizXaaS BA Analytics Framework」を開発しました。
一方、キリンにおいても、顧客コミュニケーションの強化に向けてデータ分析基盤を構築・運用を行っていく上で、煩雑で作業負荷の高い分析前処理を担当者自身が行うことで、データ分析活用を安価かつ短いサイクルで回していくことを目標としていました。
このような状況の下、2015年1月にキリンのデータ分析基盤構築において本サービスが採用され、安価かつ短いサイクルでの運用や拡張性の高さ等が認められたため、2015年6月25日より本格運用が開始されることとなりました。
キリンのデータ分析基盤について
キリンのデータ分析基盤は、社内外のさまざまな情報を一元的に蓄積・分析し、さらなる顧客コミュニケーション最適化に向けた施策展開を図ることを目的としています。これを構築するにあたりBizXaaS BA Analytics Frameworkを採用することで、データ活用に伴う分析前処理を短期かつ安価に行えるようになり、より効率的なビッグデータ分析・活用が可能となりました。
図1:キリン データ分析基盤(イメージ)
BizXaaS BA Analytics Frameworkの特長
「BizXaaS BA Analytics Framework」は、「BizXaaS BA活用アプリケーション提供サービス(ITO注3)」に位置づけられ、分析活用で共通的に必要なツール・ドキュメント類を提供するサービスです。一般的に、多岐にわたる膨大なデータソースから分析用のデータを作成するには、必要データの抽出、個人情報のマスキング、データの異常値のチェック、データフォーマット合わせ、データの加工/集計等の分析前処理を行い、その作業にかかる稼働は、分析作業全体の半分以上を占めると言われています。この分析前処理を簡単な操作により効率化し、本処理にかかる稼働の削減を実現します。なお、当社社内での先行導入プロジェクトでは20~30%の稼働削減が認められました。
主な特長は以下のとおりです。
図2:情報活用フローにおける提供機能
高度な専門知識を必要とすることなくGUIベースでの簡単な操作を可能に
GUIベースの画面上からの簡単な操作でデータ加工の際に必要となる処理を行うことができるため、ユーザー企業の担当者においても高度な専門知識を必要とすることなく作業が可能となります。またデータソースやデータマートを追加した場合でも簡単に変更を行えるため、導入後の運用負荷を最小限に抑えることができます。
図3:「BizXaaS BA Analytics Framework」画面イメージ
国内導入実績のあるETLツールの中では最低価格帯を実現
データ加工・集計に必要な機能に特化するとともに、クラウド型で提供することで、導入コストを大幅に抑えることが可能となりました。これにより、スモールスタートでの分析環境構築やトライアルに活用しやすくなります。
最低月額費用:20万円(税抜き)~注4
分析の迅速化と品質確保を実現のための指南書を提供
当社独自のビッグデータ分析方法論「BICLAVIS®」を踏襲して作成した、分析活用の指南書(手順書・標準フォーマット)を提供します。指南書には、分析・DM設計指針、データフロー設計書、分析設計書、その他管理系ドキュメント等が公開および解説されており、ユーザー企業担当者に活用してもらうことで、分析活用の迅速化と、データ加工に伴うミス削減といった品質確保を図ります。
基礎集計/レポート化機能を具備
基礎統計量の集計、カテゴリー集計/数値集計、集計値のパワーポイント化/エクセル化などの機能も備え、ユーザー企業担当者のデータ加工・集計作業をサポートします。
今後について
今後NTTデータは、さまざまな業界の分析活用支援を行ってきたノウハウを生かし、ユーザー企業における既存顧客育成・維持、新規顧客獲得のための「分析活用テンプレート」を追加する等、データ分析基盤構築、分析活用、施策展開の支援を進めていきます。また、「プライベートDMP(Data Management Platform)」を核に、「DSP(Demand-Side Platform)広告」、「第三者データ連携」、「マーケティングオートメーション」、「LPO(Landing Page Optimization)」等のサービス開発、運用支援も予定し、分析から施策までシームレスなPDCAサイクルを実現していくことで、BizXaaS BA全体で、3年間100億円の売り上げを目指します。
参考
VAP(Visual Analytics Platform)について
VAPは、株式会社NTTデータ数理システムが33年の歴史の中で培った技術やノウハウを基に、データマイニング・統計解析・数理計画・シミュレーション等のデータ活用におけるソリューションを統合的に扱う目的で開発された分析プラットフォームです。
数理システムパッケージ群を必要に応じ追加で組み込むことで、分析はもとより計画立案や検証までも含め、直感的に操作できる統合的なソリューションとしての提供が可能となります。
BizXaaS BAの主な導入実績
キリン株式会社 他17社
関連Webサイト
注釈
- 注1「BizXaaS」とは、NTTデータの統合クラウドサービスです。パブリッククラウド、プライベートクラウド、これらの構築・運用を行うクラウドプラットフォームサービスとデスクトップサービス、ワークフロー、地図情報、コンタクトセンターなどのクラウドアプリケーションサービスを提供しています。また、「BizXaaS BA」とは、3つのサービス「コンサルティングサービス」「活用アプリケーション提供サービス(ITO)」「活用業務支援サービス(BPO/KPO」から構成される、ビッグデータ活用の導入から定着化までトータルにサポートするビッグデータ分析・活用サービスです。
- 注2ETLツールとは、データの抽出(Extraction)、加工(Transformation)、ロード(Loading)の一連の処理を行うツールを指します。企業内の基幹システム等からデータを抽出し、抽出したデータを加工し、データウエアハウスへデータを渡す作業を支援するツールとして利用されています。
- 注3ITOとは、ITアウトソーシングのことで、分析活用に必要なITを提供するサービスのことです。
- 注4最低利用期間は3ヶ月間となります。
- 「BizXaaS」、「BICLAVIS」は、日本国内における株式会社NTTデータの登録商標です。
- その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。
本件に関するお問い合わせ先
報道関係のお問い合わせ先
株式会社NTTデータ
広報部
後藤(尾)
TEL:03-5546-8051
製品・サービスに関するお問い合わせ先
株式会社NTTデータ
ビジネスソリューション事業本部
ビッグデータビジネス推進室
安藤、伊藤
TEL:050-5546-9923