八十二銀行に「でんさいファクタリング®サービス」を提供開始 ~八十二銀行のサービスとして電子記録債権版一括ファクタリングを取り扱い開始~

ニュースリリース/NTTデータ

2016年5月30日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータ(本社:東京都江東区、代表取締役社長:岩本 敏男、以下:NTTデータ)は、金融機関向け電子記録債権注1版一括ファクタリング注2サービス「でんさいファクタリング®サービス」を、株式会社八十二銀行(本店:長野県長野市、取締役頭取:湯本 昭一、以下:八十二銀行)に2016年5月30日より提供開始しました。

「でんさいファクタリングサービス」は、NTTデータが提供する共同利用型電子記録機関中継センター「DENTRANS®注3」と連携し、金融機関の一括ファクタリング業務で扱う売掛債権をでんさいネット®注4上に記録可能とするために必要となる各種機能を提供するサービスです。本サービスを導入することで、でんさいネットに参加するすべての金融機関は、電子記録債権版一括ファクタリングサービスを、主体的に自行サービスとして提供することが可能となります。

なお、「でんさいファクタリングサービス」の地銀への提供は初めてとなります。

今後、NTTデータでは今回サービスを開始する八十二銀行に加え、さらに多くの金融機関への導入を目指します。

背景

2008年12月に電子記録債権法が施行され、紛失や盗難のリスクの低い債権として、電子記録債権の利用促進が求められています。2013年2月のでんさいネットサービス開始以降、一般社団法人全国銀行協会に加盟する会員銀行ならびに、信用金庫、信用組合等、多くの金融機関が参加しており、NTTデータでは、でんさいネット加盟金融機関が、独自にシステム構築や改修を行うことなく、顧客企業向けにでんさいネットのサービスを提供できるよう、中継センター「DENTRANS」を提供しています。

一方、一括ファクタリングサービスは、支払期日前に資金化ができることから、以前より多くの企業に利用されてきました。また、NTTデータは金融機関向け一括ファクタリングシステムである「PAYCONNECT®」(一括決済ASPサービス)の提供も行っています。

電子記録債権の普及に伴い、この一括ファクタリングサービスについても、電子記録債権に対応させたいとのニーズが高まっていましたが、これまで電子記録債権版一括ファクタリングサービスを提供するためには、メガバンクのようにファクタリングを目的とする独自の記録機関を構築するか、メガバンクと提携し利用企業(支払企業)の決済口座をメガバンクに開設する必要がありました。

そこでNTTデータは「DENTRANS」と連携し、これまで主に独自記録機関をもつメガバンクだけが提供してきた電子記録債権版一括ファクタリングサービスを、でんさいネットに参加する幅広い金融機関向けに、でんさいネット上での一括ファクタリングを実現するために必要な各種機能を共同利用型で提供する「でんさいファクタリングサービス」として2016年4月より提供を開始しました。

本サービスの「利用企業(支払企業)が自行の決済口座を活用できる点」、「既存の一括ファクリングシステムとの連携が可能である点」が八十二銀行のニーズに合致し、このたびの提供開始となりました。同行では、今後でんさいファクタリングサービスを本格的に推進し、既存の一括ファクタリング利用顧客企業だけでなく、本サービス提供による新規顧客の獲得や顧客の利便性向上に生かしていく予定です。

【図】

図:でんさいファクタリングサービスイメージ

「でんさいファクタリングサービス」の概要

「でんさいファクタリングサービス」は、一括ファクタリング業務で扱う売掛債権をでんさいネット上に記録可能とするための各種機能を共同利用型で、でんさいネットを利用する銀行、信用金庫等の金融機関向けに提供するサービスです。主な機能の内容は以下の通りです。

  1. 1.自動譲渡機能

    支払企業(または金融機関が代行)が発生させた電子記録債権のうち、ファクタリング対象債権のみを識別し、自動で金融機関に譲渡する機能です。同時にファクタリング対象債権に対し、想定しない変更や譲渡請求があった場合には、システム側で識別し抑止する機能も併せ持っています。

  2. 2.期日前弁済機能

    発生させた電子記録債権の一部について、支払企業が期日より前に金融機関に対して弁済した際、弁済された債権の支払等記録を一括して行う機能です。

  3. 3.ダイヤルアップ集配信金融機関代行承認機能

    ダイヤルアップ集配信機能を用いて電子記録債権を発生させる作業を、支払企業を代行して金融機関が行う際、支払企業からの承認を不要とする機能です。

「でんさいファクタリングサービス」の特長

  1. 1.メガバンク以外の金融機関も主体的に提供が可能

    本サービスを導入することで、金融機関は顧客に、電子債権に対応可能な一括ファクタリングサービスを、単独で主体的に提供することが可能となり、一括ファクタリングを希望する企業の他金融機関への決済口座や取引の流出を防止するとともに、これまで手形を利用していた企業の電子記録債権利用を促すことが可能となります。

  2. 2.既存の一括ファクタリングシステムとの連携

    これまで、従来型の一括ファクタリングを提供してきた金融機関でも、すでに自身で保持する一括ファクタリングシステムと連携可能とすることで、導入しやすく、また低コストでのサービス実現が可能となります。

  3. 3.サービスの拡張性

    今回の提供機能のほか、今後も要望に応じて順次機能を拡充していく予定です。

今後について

今後、「でんさいファクタリングサービス」について、ファクタリング関連機能の拡充も順次図っていくとともに、金融機関向け一括ファクタリングシステム「PAYCONNECT」(一括決済ASPサービス)との連携等、より利便性の高いサービス提供を目指します。

NTTデータは本サービスについて、今回サービス提供を開始する八十二銀行に加え、さらに多くの金融機関での導入を目指していきます。

注釈

  • 注1電子記録債権とは、電子記録債権法に基づき、金銭債権の取引の安全を確保する目的で、手形や売掛債権等の債権を電子記録機関が提供する記録原簿へ記録することで発生する新たな金銭債権です。
  • 注2一括ファクタリングとは、利用企業(支払企業)が手形等で支払う買掛債務(売掛債権)を、金融機関が利用企業の取引企業(納入企業)から買い取り、利用企業(支払企業)の与信を用いて低利な割引率で資金提供を行うサービスです。
  • 注3DENTRANSは、金融機関が株式会社全銀電子債権ネットワーク(以下:でんさいネット注4)を利用する際に必要な機能を提供する金融機関向けサービスです。
  • 注4でんさいネットとは、株式会社全銀電子債権ネットワークの提供する電子記録債権サービスです。
  • 「DENTRANS」「PAYCONNECT」は日本国内における株式会社NTTデータの登録商標です。
  • 「でんさいネット」「でんさいファクタリング」は日本国内における株式会社全銀電子債権ネットワークの登録商標です。
  • その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

報道関係のお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
広報部
三宅
TEL:03-5546-8051

製品・サービスに関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
第二金融事業本部
e-ビジネス事業部
e-ビジネス商品企画営業担当
中田、山口
TEL:03-5484-4561