融資審査業務の生産性向上に向けたAI活用の実証実験を開始 ~AIによる銀行員の働き方改革サポート~

ニュースリリース/NTTデータ

2017年10月25日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータ(本社:東京都江東区、代表取締役社長:岩本 敏男、以下:NTTデータ)は、株式会社京都銀行(本店:京都市下京区、取締役頭取:土井 伸宏、以下:京都銀行)と、NTTグループのAI技術「corevo®(コレボ)」やNTTデータが展開するBeSTA FinTech Lab®を活用した、金融機関の融資審査業務の生産性向上を図る実証実験を11月1日から開始します。

本実証実験では、銀行内に蓄積された情報やノウハウをもとに、AI技術を活用して銀行員の稟議書作成を支援するなど、融資審査業務の抜本的な効率化を目指します。

NTTデータは、本実証実験で得た技術的なノウハウや銀行員の助言をもとに、AI技術の精度向上に取り組み、2018年度中の商用化を目指します。

背景

近年、生物の脳神経回路を参考にしたアルゴリズムであるディープラーニング技術の登場と、コンピュータ演算速度の飛躍的な向上、また、社会的な課題である働き方改革を背景に、さまざまな業種業界においてAIをビジネスに適用する動きが活発化してきています。

金融機関においても、さらなる顧客接点の拡大のため、業務の効率化や標準化による生産性向上に向け、AI活用のニーズが高まっています。

NTTデータでは、金融機関の中核業務である融資業務のうち、稟議書の作成プロセスに着目し、京都銀行と協力して、BeSTA FinTech Labを活用し、課題の把握やAI技術の適用対象について検討を行った結果、今回の実証実験の開始に至りました。

概要

本実証実験では、融資審査業務の中でも多くの時間を要している稟議書の作成プロセスを対象にして効率化の効果を検証します。

稟議書は融資判断を行うために作成する決裁文書ですが、その作成にあたっては、融資案件の特性を踏まえて、何をどう記載すべきかが担当者の経験による部分も多く、作成プロセスに時間を要するケースもあります。また、記載内容が不十分な状態で起案することで差戻しが発生するなど、担当者と承認者の双方の業務時間を逼迫させる要因のひとつにもなっています。

AI技術「corevo」は、高精度の日本語解析技術を用いることで、稟議書内に記載された単語や数字などの情報を取得するとともに、文章全体の意図を理解できるため、記載内容を高精度に分析することができます。本技術により、銀行内に蓄積された情報や行員個人のノウハウをAIが学習し、新規の稟議書作成時に担当者をサポートします。

これにより、担当者間の経験やスキルの差によらず、誰でも一定水準を満たすことを可能とし、稟議書作成から承認までにかかる時間の抜本的な効率化を目指します。

NTTデータでは、本実証実験で得られた知見や京都銀行からのフィードバックをもとに、実用化に向けた検討を進めます。

【図】

図:実証実験イメージ

今後について

NTTデータでは、本実証実験にて、稟議書作成の効率化におけるAI活用について有効性の検証を行い、2018年度中の商用化を目指します。

また、稟議書作成の効率化以外のAI技術の活用方法として、調査・審査業務の効率化や渉外業務の高度化などの検討を進めます。

注釈

  • BeSTA FinTech Labは、NTTデータが2016年10月にオープンイノベーションを通じて新たな金融関連サービスを創発することを目的として立ち上げ、東京・大手町を拠点に活動を展開しています。「BeSTA FinTech Lab公式ホームページ」(http://www.besta.fin-lab.net/(外部リンク)
  • 「corevo」は日本国内における日本電信電話株式会社の登録商標です。
    「corevo公式ホームページ」(http://www.ntt.co.jp/corevo/(外部リンク)
  • 【図】
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