東京・町田市の全公立小中学校にシンクライアント技術を用いたタブレット環境提供 ~タブレット端末を使った自由な授業スタイルや校務環境のセキュリティ強化を実現~
2017年12月4日
株式会社NTTデータ
株式会社NTTデータ(以下:NTTデータ)は、新たな学校ICTソリューションを構築し、町田市内の公立小中学校の2校に対し、12月4日からタブレット端末(Chromebook™)を先行配付し、2018年2月をめどに教職員向けシンクライアント環境の提供を開始します。
NTTデータの構築するシンクライアント環境、携帯性に優れた Chromebook 、および株式会社NTTドコモ(以下:NTTドコモ)が提供するLTE回線を組み合わせて提供することで、ICT機器を活用した効果的な授業の実施のほか、校外学習など場所を問わない自由な授業スタイルや、セキュリティが確保された校務環境の整備と教職員の柔軟な働き方を実現します。
2017年度は2校に導入し、2018年度から2020年度にかけて町田市内の全公立小中学校(計62校)に順次展開していく予定です。
背景
2017年3月に公示された文部科学省の新学習指導要領では2020年度からプログラミング教育が小学校で必修化されるなど、教育分野のICT化が急速に進んでいます。町田市では、それに先駆けて『町田市5ヵ年計画17-21』の中で、タブレットなどのICT機器を活用した効果的な授業の推進および教職員の校務負担の軽減を目標に、ICT機器の整備を重点事業として取り組んでいます。
このような新たなICT環境の整備にあたり、(1)既存のPC端末やネットワーク機器の老朽化、(2)ICT機器の管理負担の増加、(3)文部科学省指針「教育情報セキュリティのための緊急提言」にのっとった情報セキュリティへの対応などの課題を踏まえて、町田市は、NTTデータ、 Google™ 、NTTドコモの持つICTソリューションを組み合わせて、投資対効果を最大化したICT環境を採用することとなりました。当環境を利用することで、タブレットの持つ携帯性等の特性を生かした授業の実施や、教職員の柔軟な働き方実現に寄与するといった効果が期待できます。
なお、市内全公立学校に対し、シンクライアント環境、 Chromebook およびLTE回線を組み合わせ提供する取り組みは、全国で初めてとなります。
図:新たな学校ICTソリューションの活用イメージ
概要
今回提供するICT環境は、NTTデータの構築するシンクライアント環境、 Google の Chromebook 、NTTドコモのLTE回線を組み合わせ、児童生徒用、教職員用としてそれぞれの用途にあわせて整備します。
シンクライアント環境
教職員が児童生徒の成績情報や個人情報などの重要情報を扱う校務を行う際は、より強固なセキュリティ対策が必要です。そのため、シンクライアント環境を整備し、データをタブレット端末自体に残さないセキュアな環境を実現しつつ、教職員が利用する学習系ネットワークと校務系ネットワークを物理的・論理的に分離することで、情報漏えいや児童生徒等による重要情報へのアクセス防止を図ります。また、Windows環境として提供することで、教職員がこれまでWindows端末で作成した教材等も引き続き活用できます。
Chromebook
端末価格が廉価でありながら、短時間での起動や高度なセキュリティ対策が施された端末であることに加え、 Google が提供する多様なアプリを活用することが可能であり、教育現場のニーズに即した機能を備えています。また、ユーザー/デバイス/アプリの一元管理を実現する管理コンソールを活用することで、導入および維持運用コストの軽減が見込まれます。さらに、タブレットとノートPCの兼用が可能となる2in1モデルの端末を選定することにより、用途や場所に捉われることなく、さまざまな利用シーンへの活用に対応します。
LTE回線
新たに無線LAN環境などを設置する場合と比較して、ネットワーク整備に伴う回線工事が不要となり、かつ校内外を問わずセキュリティの高いネットワーク環境を実現できます。また、タブレットの持つ携帯性を発揮した授業や、社会科見学や修学旅行といった校外学習など、自由な授業スタイルによる実践を通じた学びが実現でき、教育の質の向上が期待できます。さらに、教職員は場所を問わずに端末を利用できるため、在宅勤務(テレワーク)などの柔軟な働き方を可能とし、働き方改革の実現に寄与します。
今後について
2017年度は町田市内のICTモデル校2校(小山ヶ丘小学校、堺中学校)に展開し、2018年度から2020年度にかけて町田市内の全公立小中学校(計62校)に順次展開していく予定です。児童生徒および教職員用のタブレットは合計約4,500台を段階的に配備し、シンクライアント環境は町田市の全教職員約2,000人分の接続環境を整備する予定です。
また今回の町田市の取り組みは、総務省の次世代学校ICT環境の整備に関する実証事業注に採択されており、今後3年にわたり、取り組みの効果を測定し、成果を報告します。NTTデータはこの取り組み結果について、同様の課題を抱える全国の自治体へ展開・活用することを目指します。
注釈
- 注スマートスクール・プラットフォーム実証事業(平成29年度~)
「次世代学校ICT環境」の整備に向けた実証
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/kyouiku_joho-ka/next-generation_school.html(外部リンク)
- Google および Chromebook は、GoogleLLC の登録商標または商標です。
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