SDGsグローバルスタートアッププログラム事業で協業 ~日本企業のSDGs向け取り組みをオープンイノベーションで促進~

ニュースリリース/NTTデータ

2018年3月22日

一般社団法人Japan Innovation Network
株式会社NTTデータ

一般社団法人Japan Innovation Network(以下:JIN)と株式会社NTTデータ(以下:NTTデータ)は、2015年9月に国連総会で採択された「持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)、以下:SDGs」の達成に向けたSDGsグローバルスタートアッププログラム事業を協業することに合意しました。

SDGsは企業にとっては、未来を指向した「イノベーションの機会」と捉えられます。しかしながら、複雑で広範な社会課題に対して、個々の企業が従来の事業や取り組みだけで解決策を提供することは容易でありません。そこで、JINとNTTデータは、世界中のイノベーターのさまざまな知恵やソリューションを組み合わせるオープンイノベーション注1で課題解決することが重要と考え、世界中のスタートアップ企業との連携を主軸に据えた同プログラム事業を提供します。

今後、企業がSDGsを軸に取り組むべきイノベーションの課題の設定、オープンイノベーションによるソリューションの創発注2、具体的な事業化への方向性を策定することを支援していきます。そのために、JINの保有するSDGs解決手法や世界各国のイノベーション関連機関とのネットワークと、NTTデータが保有するグローバルオープンイノベーションコンテストで培った世界中のベンチャー企業と各国エコシスムパートナーや、社会インフラ等のシステムソリューションを連携させることで、日本発信のSDGs達成に貢献していきます。

背景・概要

2015年に国連総会で採択されたSDGsは、日本を含む193カ国が合意した2030年を着地点とする開発目標であり、その実現には各国政府や国連機関のみならず、収益をあげる事業活動を通しての民間企業の取り組みが必要であることは国際社会の合意事項となっています。しかしながら、その具体的な取り組みについては、まだ世界各国で試行錯誤が繰り返されているのが実態です。

一方で、SDGsは"あるべき未来"からのバックキャスト注3により、世界の課題を解決するイノベーション(革新)を生み出す貴重な機会として捉えることが可能と考えています。しかしながら、複雑かつ広範に影響の及ぶ社会課題に対して、個々の企業の従来の事業や取り組みだけで解決策を提供することは容易ではありません。

そこで、JINとNTTデータでは、世界各国のイノベーターのさまざまな知恵やソリューションを組み合わせるオープンイノベーションによって、SDGs達成のモデル構築と普及を共同で実施することにしました。

具体的な取り組みと特長

JINとNTTデータ双方の強みを生かしつつ、本「SDGsグローバルスタートアッププログラム」を大きく2つのサービスで提供します。

(1)「SDGsビジネス化個別支援プログラム」の提供

SDGs達成に取り組む、またはSDGsを起点とした新たなイノベーションを創発したい企業や地方公共団体に対して、以下の強みを活用し、オープンイノベーションによる具体的な事業化を支援します。

JINとNTTデータの強み

1SDGsをイノベーションにつなげるための具体的な手法(JIN)
2世界150カ国におよびスタートアップ企業や官民イノベーションエコシステムとのネットワーク(JIN)
3世界210都市からの社会インフラ等のソリューションやオープンイノベーション活動で培った先進的なスタートアップとのソリューションの活用(ex.地域課題発見ラボ等)および広範な大企業の顧客基盤(NTTデータ)
4オープンイノベーション活動「豊洲の港から」を通じた世界15都市のエコシステムパートナーとのネットワークやオープンイノベーションコンテストおよびアクセラレーション手法(NTTデータ)

(2)「SDGsビジネス化企画型プログラム」の展開

本プロジェクトを共同で企画運営することで、SDGsへの関心を高め、取り組みを促進するプログラムをグローバルに展開します。

1JINと国連開発計画(UNDP)が共同運営しているSHIP
(SDGs Holistic Innovation Platform)とも連携。日本企業のSDGs達成に向けたグローバルな取り組みを加速する(JIN)
22018年度グローバルオープンイノベーションコンテストにおいて、SDGs達成に向けたビジネスソリューション募集と「ベンチャー企業×大企業×NTTデータ」のWIN-WIN-WINを実現する新規事業創発(NTTデータ)

参考

SDGsについて

SDGsは、2030年までに達成すべき、17のゴールとその下の169のターゲットからなる世界の共通目標として、2015年9月に193カ国が合意し、国連総会で採択されました。その達成に向けて、世界中の企業・スタートアップ企業・政府・NGO・NPO等が取り組みを始めています。日本においても、日本政府が2016年5月に設置されたSDGs推進本部のもと、政策決定と施策の推進、また、民間セクターでは、経団連の企業行動憲章へのSDGsの反映(2017年11月)等が行われ、官民両セクター、また社会における認知・関心が高まりつつあります。

一般社団法人Japan Innovation Network(JIN)について

JINは経済産業省の「フロンティア人材研究会」を母体とした、企業からイノベーションを興すことに特化したイノベーション加速支援組織であり、主に3つの活動をしています。

  1. 1.イノベーション経営の普及(イノベーション100委員会の運営など)
  2. 2.イノベーション経営の実践(企業向けアクセラレーションプログラムの提供など)
  3. 3.イノベーション・プラットフォームの運営(SHIPなど)

イノベーションを加速するプログラムとして、日本企業がビジネスで解くべき課題(事業の目的)を明確化し、そこにアプローチしているスタートアップを世界約150カ国から抽出し、スタートアップに投資、あるいは共同でビジネスを構築していく、JIN独自の「グローバルスタートアッププログラム」も提供しています。これは、マッチングを行うのが目的ではなく、共通の目的を持つ最適なビジネスパートナーを世界中からスカウティングし、事業の加速支援を行うプログラムです。

SDGs Holistic Innovation Platform(SHIP)について

SHIPはJINとUNDPが2016年7月に共同で設立した、世界中の課題の解決を企業の技術・ノウハウで目指すオープンイノベーション・プラットフォームです。SDGsをイノベーションの機会と捉え、SDGsの17ゴールと169のターゲットをビジネスで解くべき課題に分解し、デザイン思考やシステム思考、リーンスタートアップなど、イノベーション創出におけるさまざまな最新の手法を組み合わせて、企業の構想力を強化し、課題解決に向けた事業創造を推進しています。

NTTデータのオープンイノベーションの取り組み

NTTデータは、2013年よりオープンイノベーションフォーラム「豊洲の港から」(http://oi.nttdata.com/)(外部リンク)を立ち上げ、最先端の技術とアイデアを持つ世界のベンチャー企業、当社のお客さまであるさまざまな業種の大手企業/金融機関/公共機関、多くのICT社会インフラを提供している当社の技術/ビジネスソリューションを"掛け算"し、3者が互いに「Win-Win-Win」の関係となる革新的で持続可能なビジネスを創発するオープンイノベーションの実現に取り組んでいます。また2014年からは、グローバルオープンイノベーションコンテストを年2回開催し、これらの活動を通じ、フィンテックやエネルギーマネジメント、ヘルスケアテックやビッグデータ、ソーシャルイノベーションといった領域ですでに10件の協業を実現しています。2016年度の第5回コンテストからは10都市での開催を行い、世界51カ国210都市におよぶ拠点を連携しながら、オープンイノベーションによるグローバルな課題解決に取り組んでいます。また、本日、世界15都市に拡大した第7回コンテストの決勝大会(グランドフィナーレ)を開催し、次のグランドチャンピオン企業が誕生する予定です。

地域課題発見ラボの取り組み

NTTデータは、第5回グローバルオープンイノベーションコンテストのチャンピオン企業スペイン・バルセロナのスタートアップ企業Social CoinのAIによる独自クラスタリング技術と、NTTデータが保有する全世界のTwitterデータおよび言語解析技術を掛け合わせ、SNSをはじめとしたデジタル上の生活者の声をAIで解析し、市民が潜在的にその地域・コミュニティに対して抱えている意識や感情を理解するソリューションを共同開発しています注4。地域課題発見ラボは、その推進母体として、日本、スペインおよび世界の都市間比較を行うことで、SDGsに関連付けた地域課題に関する知見を深め、地方創生等の地域活性につなげる材料を提供していくものです。

注釈

  • 注1オープンイノベーションとは、カリフォルニア大学バークレー校のヘンリー・チェスブロウ博士によって提唱された、イノベーションを促進する新たな概念です。オープンイノベーションの定義は、企業による通常の製品開発プロセスを可視化し、社内外を問わず広く技術やアイデアを集め、今までには不可能だったイノベーションを実現していくというものです。
  • 注2創発とはナレッジマネジメントの分野では、個人1人1人の発想の総和を超えた、まったく新しいナレッジの創造を行う手段のことです。
  • 注3未来のある時点に目標を設定しておき、そこから振り返って現在すべきことを考える方法。
  • 注42018年2月23日ニュースリリース「スペインのスタートアップ企業Social CoinとNTTデータがAIを活用した地域理解ソリューションの開発で協業」
    http://www.nttdata.com/jp/ja/news/release/2018/022300.html
  • 「豊洲の港から」は、株式会社NTTデータの登録商標です。
  • その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

報道関係のお問い合わせ先

一般社団法人Japan Innovation Network
イノベーション加速支援グループ
小原
TEL:03-5510-7188

株式会社NTTデータ
広報部
近藤
TEL:03-5546-8051

本取り組みに関するお問い合わせ先

一般社団法人Japan Innovation Network
イノベーション加速支援グループ
加藤
TEL:03-5510-7188

株式会社NTTデータ
デジタル戦略推進部
オープンイノベーション・チーム
西山(由)
TEL:050-5546-9609