医療材料サプライチェーン情報の一元管理を可能とする「MD-TraC™」の提供開始
2019年4月1日
株式会社NTTデータ
株式会社NTTデータ(以下:NTTデータ)は、RFIDタグを用いた医療材料の物流状況、使用状況を可視化した医療材料IoTプラットフォーム「MD-TraC™(読み:エムディートラック)」を2019年4月1日より提供開始します。
本サービスは、循環器、消化器、整形外科領域の医療材料にRFIDタグを貼付し個体識別IDを記録することで、医療材料の物流情報、利用情報を一元的に管理し、医療機関外からの在庫/使用状況をリアルタイムで確認可能にします。これにより、製造販売業者の在庫削減や滅菌期限切れによる廃棄ロスの削減、販売代理店・特約店の受発注業務や商品確認の迅速化、効率化をサポートします。
今後NTTデータは、製造販売業者、販売代理店・特約店における医療材料の不活性在庫・過剰在庫の解消、請求・発注業務の軽減、保険請求漏れを防止し、医療業界全体をサポートするソリューションを提供していきます。また、NTTグループとして、医療材料の使用実績と患者情報を紐付けて、医療機関内での業務の効率化およびアウトカム注1分析等のデータ分析にも利用できるサービスを検討するなど、医療業界全体で共同利用できるトレーサビリティープラットフォームの実現を目指します。
背景
医療材料を販売している販売代理店・特約店は、医療機関が使用する商品の在庫不足防止のため、定期的に医療機関を訪問して商品の使用状況を確認する必要があります。また、製造販売業者への受発注業務を電話やメール等の手作業で行うため多くの時間を要しています。製造販売業者は手作業での預託商品の棚卸しによる作業負担や、過剰在庫の増加、滅菌期限切れによる機会損失、廃棄等による物流費用増加などの課題があり、従来の作業方法の見直しや業務効率化が求められています。
この課題解決に向けて、NTTデータは2018年にRFIDタグを用いた医療材料トレーサビリティーの実証実験を行い注2、有用性の評価をした結果、このたび医療材料IoTプラットフォーム「MD-TraC」の提供を開始することとなりました。
図:サービス概要図
概要
本サービスでは、循環器、消化器、整形外科領域の医療材料にRFIDタグを貼付し個体識別IDを記録します。医療機関を定期的に訪問する販売代理店・特約店が、本サービス上で商品の在庫状況、入出庫情報、返却情報を出荷伝票番号単位に登録し、情報を共有することで、医療材料を取り扱う製造販売業者との間の医療材料情報の一元管理を可能とする医療材料IoTプラットフォームです。
また、医療機関での医療材料の使用状況追跡を可能とすることで、医療機関外からのリアルタイムな在庫/使用確認ができ、製造販売業者における在庫削減、および販売代理店・特約店の受発注業務と商品確認の業務効率化をサポートします。
特長
- (1)RFIDタグによる個体単位でのトレーサビリティー
一般的にこれまで医療材料の管理方法は、ロット単位が主流でしたが、商品ごとにRFIDタグを貼付することで、シリアル番号を採番し医療材料と紐付けて個体単位の管理を可能とします。
さらに、流通情報である出荷伝票情報と紐付けを行うことで、トレーサビリティーの確保およびリコール対応等不測の事態におけるトレースも可能となります。 - (2)Webブラウザ、スマートフォンからの利用状況確認
医療機関外から製造販売業者および販売代理店・特約店がWebブラウザ、スマートフォン上で複数人同時に参照することが可能です。
また、これまで販売代理店・特約店の営業担当者が電話やメールで行っていた手作業での受発注業務に必要な在庫確認作業を迅速かつ効率的に行うことができます。 - (3)複数の販売形態に対応
本サービスは「長期貸出注3」、「短期貸出注4」だけでなく、販売代理店・特約店が製造販売業者から医療材料を買い取り、医療機関へ貸出を行う「買取→長期貸出/短期貸出」の運用にも対応可能です。 - (4)データ抽出
参照権限のあるプラットフォーム内のデータについては連携用データとして抽出することが可能です。
これにより、基幹システムへの取り込みや自社で保有しているデータと組み合わせてデータ分析等へ活用することができます。
申し込みについて
「医療材料IoTプラットフォーム MD-TraC」ウェブサイトの問い合わせ先にて申し込みを受け付けます。
注釈
- 注1アウトカム:結果、成果という意味で用い、患者への機器使用後の改善度や合併症の発生率、回復率や生存率など、治療や予防による臨床上の成果を指すことです。
- 注2RFIDタグを用いた医療材料トレーサビリティーの実証実験を開始
https://www.nttdata.com/jp/ja/news/release/2018/030700/
RFIDタグを用いた医療材料トレーサビリティーの実証実験を「短期貸出」領域で開始
https://www.nttdata.com/jp/ja/news/release/2018/111601/ - 注3医療機関では、症例数が限られ、また手術で使用されない医療材料は使用期限の関係上限られた在庫しか保管ができません。そのため、医療機関の施設内に、製造販売業者が所有する医療材料(預託在庫)を預け置き、販売代理店・特約店が在庫管理業務を代行しています。医療機関が預託在庫を使用した時点で、医療機関と販売代理店・特約店の売買が成立します。これを「長期貸出」といいます。
- 注4手術、手技ごとにサイズや種類が異なる医療材料を販売代理店・特約店がその都度手配・納品し、使用した医療材料のみ医療機関に請求し、残りの医療材料を引き上げ、回収を行います。医療機関が手術、手技にて医療材料を使用した時点で、医療機関と販売代理店・特約店の売買が成立します。これを「短期貸出」といいます。
- 「MD-TraC」は株式会社NTTデータより商標登録出願中です。
- 文中のその他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。
本件に関するお問い合わせ先
報道関係のお問い合わせ先
株式会社NTTデータ
広報部
廣田
TEL:03-5546-8051
サービスに関するお問い合わせ先
株式会社NTTデータ
第二公共事業本部
ヘルスケア事業部
デジタルヘルスケア担当
黄瀬、大崎、中川
TEL:050-5546-9287
E-mail:md-tracsales@am.nttdata.co.jp