レジ決済無しで商品購入、デジタル店舗出店サービスを提供開始
2019年9月2日
株式会社NTTデータ
株式会社NTTデータ(以下:NTTデータ)は2019年9月2日より、レジ支払いをせずに、決済手段を指定したQRコードで認証入店することで、手に取った商品をそのまま持ち帰ることのできるレジ無しデジタル店舗出店サービスを小売業界向けに提供開始します。
本サービスはカメラや重量センサーからのデータ解析を得意とする中国のCloudPick社(読み:クラウドピック)注1と業務提携し、レジ無しデジタル店舗のビジネス化に向けて、3段階のサービスを提供します。
まず、NTTデータが都内に設置した実験店舗で体験をしながら課題の洗い出しとビジネスプランの仮説をお客さまと共同で作成します。次に、お客さまが実際のレジ無しデジタル店舗を出店し、NTTデータと一緒に仮説検証します。最後に多店舗展開するために企画・設計のコンサルティングやシステム面のサポートをすることで、事業のコアとするIT支援とともに、レジ無しデジタル店舗のビジネス拡大までをお客さまに寄り添い長期的にビジネスを育てていくことを目指しています。
本サービスの提供により、お客さまはデジタル変革に挑戦でき、その結果、レジ業務がなくなり店舗運営の人件費削減だけでなく、従業員確保や長時間労働といった、小売業界の課題を解決します。さらに、レジ待ち時間が解消されることで消費者の購買機会が増え、収益が最大化されます。
NTTデータは今後、本サービスの提供を2022年度末までに小売業界1000店舗へ導入することを目指します。
背景
昨今、小売業界では人手不足、人件費の高騰、従業員の長時間労働などが深刻化し、実店舗の維持が難しくなってきています。一方、スマートフォンの普及により、消費者は短時間でお得に、より便利で楽しい購買体験を求める傾向にあり、アメリカではレジ決済無しの新しいデジタル店舗などが生まれています。しかし、日本ではデジタル店舗の実現性を把握できず、導入に至っていない状況です。
そこで、NTTデータはデジタル変革に真剣に挑戦するお客さまと一緒に実現性を把握しながらレジ無しデジタル店舗のビジネス拡大まで企画実行するサービスを提供することにしました。
レジ無しデジタル店舗出店サービスの概要
本サービスはレジ無しデジタル店舗のビジネス拡大に向けて、3段階で構成しています。
- 1.デジタル実験店舗を活用し、ビジネスプランの仮説作成
2019年8月、NTTデータが持つデザインスタジオ注2内にレジ無しデジタル実験店舗を設置しました。実験店舗で顧客・従業員体験をすることで、業務オペレーションや店舗収支を推測したビジネスプランの仮説を作成します。
(NTTデータグループのネットイヤーグループ株式会社注3と協力し、最短1日で体験できるプログラムも用意) - 2.実際のレジ無しデジタル店舗における仮説検証
実際のレジ無しデジタル店舗をお客さまが出店します。そして、作成したビジネスプランをお客さまと一体となって仮説検証し、多店舗展開に向けた課題と対応方針を明らかにします。
機器保守や顧客からの問い合わせ対応、従業員への店舗業務説明など、店舗の運用面まで支援します。 - 3.多店舗展開するためのサポート
レジ無しデジタル店舗を多店舗展開する上で想定される多様な店舗形態や商材を踏まえた企画・業務オペレーション設計のコンサルティングや、多店舗展開に耐えうるシステムインフラの提供、導入するソフトウエアや機器の品質向上など、レジ無しデジタル店舗を多店舗展開するためのエコシステムを設計します。
図1:レジ無しデジタル実験店舗
レジ無しデジタル店舗出店で得られるメリット
レジ無しデジタル店舗出店で得られるメリットは以下の通りです。
- (1)消費者メリット
- チェックインの1クリック操作のみでレジに並ばずに支払いができるため、お会計のストレスが軽減される
- クーポンの自動適用により手間が軽減され、よりお得な購買体験が得られる
- 店内行動の可視化によりパーソナライズされた優遇キャンペーンを受けられる
- (2)従業員/店舗経営者メリット
- レジ打ちが無くなることによる業務効率化により、労働時間の短縮が見込める
- レジ無しデジタル店舗の棚の状態が遠隔地から確認できることにより、運営負担が軽減される
- 従業員の省力化、労働環境改善により人手不足の中でも店舗運営が持続可能となる
- (3)企業(本部)メリット
- レジ待ち解消による購買機会を最大化できる
- 消費者の行動動線やアクションをデータで把握することで、拡販チャンスの獲得、店舗設計やマーケティングへの活用が可能となる
- デジタル化による新しい購買体験、従業員体験の向上を狙ったデジタルストアを実行に移し、収益化を目指すことができる
レジ無しデジタル実験店舗の動画
今後について
本サービスを拡充させるため、NTTデータの決済総合プラットフォーム「CAFIS®」(読み:キャフィス)注4と連携し、多様な決済手段やデバイス等含めてリアル店舗・ECサイト双方での決済接点を提供するなど、次世代デジタルストアプラットフォームを構築していきます。さらに、NTTデータが主催するオープンイノベーション活動「豊洲の港から®」注5などに参加する、先進技術を持ったベンチャー企業と協力し、レジ支払い無しで商品を購入できる機能にとどまらない、新たな機能を順次拡充していく予定です。
NTTデータは今後、本サービスを2022年度末までに小売業界1000店舗へ導入することを目指します。
図2:次世代デジタルストアプラットフォーム構想
関連情報
次の潮流、デジタルを起点とした店舗ビジネスモデル
URL:https://digital.nttdata.com/commerce/pickup/pickup_09.html
注釈
- 注1CloudPick社とはカメラや重量センサーから取得するデータの解析を得意とし、当社のオープンイノベーションコンテストの中国大会で優勝した企業です。
URL:http://oi.nttdata.com/en/contest/9th/venue/c17/ - 注2NTTデータが六本木に持つデザインスタジオ「AQUAIR™」では、お客さまのデジタルビジネスの企画から実証実験・マーケティングまでをシームレスに実現することができます。また、最新の技術・ワークスタイルが体験できます。
URL:https://www.nttdata.com/jp/ja/news/release/2018/052500/ - 注32019年3月7日 ネットイヤーグループ株式会社の株式に対する公開買付けの結果に関するお知らせ
URL:https://www.nttdata.com/jp/ja/news/release/2019/030700/ - 注4「CAFIS」とは、クレジット決済、電子マネー、インバウンド向け決済、QRコード決済などさまざまなキャッシュレス決済を提供する国内最大規模の決済総合プラットフォームです。
URL:https://www.nttdata.com/jp/ja/lineup/cafis/ - 注5「豊洲の港から」とは、企業と国の垣根を超え、世界の先進的ベンチャー企業とビジネスイノベーションを創発する活動です。
URL:http://oi.nttdata.com/
- 「CAFIS」「豊洲の港から」は日本国内における株式会社NTTデータの登録商標です。
- 「AQUAIR」は日本国内における株式会社NTTデータの商標です。
- その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。
本件に関するお問い合わせ先
報道関係のお問い合わせ先
株式会社NTTデータ
広報部
黒澤
TEL:03-5546-8051
製品・サービスに関するお問い合わせ先
株式会社NTTデータ
ITサービス・ペイメント事業本部
SDDX事業部
サービスデザイン統括部
風間、神山、新原、西郷
E-mail:sddx_contact@kits.nttdata.co.jp
レジ無しデジタル実験店舗の顧客体験
レジ無しデジタル店舗出店サービスにおける実験店舗では顧客体験ができます。
- 1.スマートフォンにインストールしたアプリでQRコードを表示し、入店ゲートにかざすことで個人を認証
- 2.店内で商品を選択すると店舗内の上部に設置されたカメラや商品棚のセンサーによって選択した商品を判断
- 3.退店ゲートを通り、CAFISを通じて認証および決済を実施(レジ会計を意識せずに購買完了)
- 4.スマートフォンアプリに配信される電子レシートにより購買内容、履歴を確認
図3:顧客体験の流れ