顧客と金融機関の接点を強化する「CXMソリューション」を提供開始 ~ファーストユーザーとして七十七銀行が採用を決定~

ニュースリリース/NTTデータ

2019年9月24日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータ(以下:NTTデータ)は、顧客と金融機関の接点(チャネル)を連携する「CXM注1ソリューション」を2019年10月1日より提供開始します。ファーストユーザーとして、株式会社七十七銀行(以下:七十七銀行)が導入を決定しました。

「CXMソリューション」は、「CXM基盤」および「業務支援サービス」からなるサービスです。「CXM基盤」は、多様なチャネルが持つ顧客の契約状況等の属性情報に加え操作履歴情報等の行動情報などを統合管理(オムニチャネル連携)するものです。店舗やコールセンター、ATM、インターネットバンキング、スマートフォンアプリといった各チャネルにおいて一貫した情報を利用可能とします。本ソリューションを導入することにより、金融機関は顧客一人ひとりの行動(ニーズ)に合わせた情報発信が可能となり、チャネルの高度化が実現します。また、効果測定レポートの作成やシステム登録を代行する「業務支援サービス」を提供することで、高度なITスキルを必要とせず顧客とのOne to Oneコミュニケーション結果が確認可能となるため、少ない業務負担でのPDCA運用が実現し、金融機関と顧客におけるチャネルの量・質ともに向上が期待できます。

NTTデータは、今後2021年3月末までに10金融機関への導入を目指すとともに、金融機関と顧客のチャネル強化に向けてサービス内容のさらなる拡充を図っていきます。

背景

近年、金融機関とその顧客のチャネルは、従来の営業店を中心とした有人対応およびATMでの取引から、インターネットバンキングやスマートフォンアプリ等のデジタルチャネルへと拡大・シフトしています。顧客の行動やニーズの多様化が進む中、対面できない顧客に対して適切なコミュニケーションをどのように図るのかという課題があります。こうした中、チャネルごとに集積していた顧客行動を連携させることで一人ひとりに合わせた一貫性のある顧客体験を実現する、オムニチャネルでのOne to Oneコミュニケーションのニーズが高まっています。

NTTデータは、2018年3月に「CXMソリューション」を開発注2し、2018年9月から2019年2月にかけて七十七銀行と共同でオムニチャネルの実証実験を実施注3しました。本実証実験を通して、「マスマーケティングの強化」「有人対応の負荷軽減」等の課題に対し、金融機関の顧客とのチャネル強化、業務の効率化について効果が得られたため、このたび本格サービスの提供を開始するとともに、ファーストユーザーとして七十七銀行の導入が決定となりました。

ソリューションの概要

「CXMソリューション」は、「CXM基盤」および「業務支援サービス」からなるサービスです。

CXM基盤

「CXM基盤」は、さまざまなチャネルから得られる顧客の情報を統合管理し、各チャネルへ相互に連携することで、一貫性のある顧客体験を実現します。

金融機関は、顧客との間のコミュニケーションルールをあらかじめCXM基盤に登録することにより、各チャネルを利用した顧客の行動に対し、最適な情報をリアルタイムに提供します。

  1. 例1顧客がATMでの新商品のお知らせ概要情報の閲覧を行った場合、新商品の詳細情報が記載されたホームページのURLをスマートフォンアプリにPush通知で自動配信されます。
  2. 例2顧客がコールセンターへ問い合わせをした場合、直近のチャネルでの情報閲覧状況がすでに参照済みの顧客に対しては詳細説明から入る等、今まで重複していた手順や説明を短縮できます。

また、NTTデータが提供しているインターネットバンキング「AnserParaSOL®」およびアプリバンキング「My Pallete®」などのチャネルとの連携インターフェース注4の標準装備に加え、NTTデータのクラウド環境「OpenCanvas®」注5を用いていることから、利用開始に向けた準備を短期間で行うことが可能です。

業務支援サービス

これまで金融機関の本部営業部門の担当者が行っていた業務の一部(コミュニケーションルールのシステム登録、効果測定レポートの作成等)をNTTデータが代行します。これにより、本部営業部門の担当者の業務負担が軽減され、顧客との最適なコミュニケーションの企画業務に注力することが可能となります。そのため、PDCAサイクルの運用を通じて、金融機関と顧客のコミュニケーションの量・質の両方を向上させる施策を企画、実現できます。

金融機関におけるCXMソリューションのオムニチャネル活用

図:金融機関におけるCXMソリューションのオムニチャネル活用

ソリューションの導入メリット

  1. (1)チャネルの強化
    店舗やコールセンター、ATM、インターネットバンキング、スマートフォンアプリといったさまざまなチャネルから得られる顧客の契約状況等の属性情報や操作履歴情報のような行動情報等の情報を統合管理します。金融機関は、これらの情報の更新や反応から判断した商品案内情報等を各チャネルへ連携することで、顧客一人ひとりに最適なタイミングで顧客の行動(ニーズ)に合わせた情報発信が可能となります。
  2. (2)顧客とのコミュニケーション結果の可視化
    オムニチャネルでのOne to Oneコミュニケーションを実施し、結果を効果測定レポートとして提供します。
    七十七銀行の実証実験では、コミュニケーションのボトルネック(例:顧客が商品情報を参照し、良い反応をしているが十分なフォローが実施できていない顧客が多数存在する等)が確認できました。
  3. (3)有人チャネル(コールセンター)の業務効率化
    デジタルチャネルとコールセンターで得られた情報を組み合わせることで、顧客ニーズに沿った有人応対が可能となります。
    七十七銀行の実証実験では、架電100件に対して1件のポジティブ反応だったものが、架電約8.5件に対して1件のポジティブ反応となり、顧客のニーズに沿った提案が可能になりました。これにより、ニーズのない顧客への過度な提案を避けることができ、金融機関全体の顧客ロイヤルティーの低下を防ぐことも期待できます。
  4. (4)本部の業務負担軽減
    業務支援サービスにより、金融機関の本部業務(手運用でのチャネル連携対応作業、効果検証業務等)の作業を削減することができます。
    七十七銀行の実証実験では、オムニチャネルの運用に関わる本部の業務負担が、約1,700時間/月から約100時間/月へ軽減できることが確認できました。

CXMシステムの動画[参考]
https://youtu.be/0E4Q_aHcJ30

今後について

NTTデータでは、オムニチャネルの取り組みの要望の高い金融機関に対して本ソリューションを提供し、トライアル利用期間を経て、本格利用に向けた支援を行います。この活動を通じて金融機関の業務における付加価値創造・チャネル強化、顧客満足の追求を通じ、引き続きサービスの拡充を図っていきます。今後2021年3月末までに10金融機関への導入を目指すとともに、金融機関での実績をもとに他業態へのサービス展開も目指します。

注釈

  • 注1CXM:Customer eXperience Managementの略。顧客体験マネジメントのことであり、顧客と企業との関係を、顧客と企業との接点において生じる一連の体験として捉えなおし、体験の質を向上させることで長期的に顧客ロイヤルティーを高めようとする手法のことです。
  • 注22018年3月30日サービスインフォメーション「金融機関向けオムニチャネルソリューションを開発」
    https://www.nttdata.com/jp/ja/news/services_info/2018/033002/
  • 注32018年8月30日ニュースリリース「七十七銀行とオムニチャネル実証実験を開始」
    https://www.nttdata.com/jp/ja/news/release/2018/083002/
  • 注4金融機関向けの共同利用型コールセンターシステム「MeShare(ミーシェア)」も自動連携しています。
    MeShareソリューションサイト:http://www.nttdata-force.co.jp/sap/meshare.html
  • 注5「OpenCanvas®」は全国ほぼ全ての金融機関が利用する「ANSER®」のシステム基盤を活用した、高い信頼性とセキュリティを有しているコミュニティクラウドサービスです。
    「OpenCanvas」ソリューションサイト:https://abler.nttdata.com/solution/c06.html
  • 「AnserParaSOL」「My Pallete」「OpenCanvas」「ANSER」は日本国内における株式会社NTTデータの登録商標です。
  • その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

報道関係のお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
広報部
後藤
TEL:03-5546-8051

製品・サービスに関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
第二金融事業本部
金融ソリューション事業部
カスタマソリューション統括部
カスタマ営業企画担当
高野、石田、花田
TEL:050-5546-9570