電子カルテを含む詳細な医療情報を、収集・匿名加工提供する認定事業の開始 ~初の「認定医療情報等取扱受託事業者認定」を取得~
2019年12月19日
株式会社NTTデータ
株式会社NTTデータ(以下:NTTデータ)は、2019年12月19日、次世代医療基盤法注1に基づき、初めて「認定医療情報等取扱受託事業者」の認定を取得しました。これにより、電子カルテを含む詳細な医療情報を、収集・匿名加工し研究者等へ提供する「匿名加工医療情報作成事業」を、一般社団法人ライフデータイニシアティブ(以下:ライフデータイニシアティブ)と連携し、2020年1月6日より開始します。
本事業は、ライフデータイニシアティブ(認定匿名加工医療情報作成事業者)が、匿名加工医療情報作成において法律で定める管理業務、利用目的等の審査を行い、NTTデータが匿名加工医療情報を作成する業務の委託を受け、システムの維持運用を行います。従来利活用が促進されてこなかった診療行為結果を含む医療情報を、研究者、自治体、製薬企業等へ提供が可能になります。これにより、日本の医療の高度化と製薬企業をはじめとした研究開発活動の加速化に貢献します。
今後、2020年度内に匿名加工医療情報提供事業に基づく実績を積み重ね、事業推進する予定です。また、将来的には、電子カルテ情報に加え、画像情報の取り扱いなど段階的なサービスの拡大を目指します。
背景
日本では、医療情報は個人に関わる機微な情報として「要配慮個人情報」と定義され、情報の取り扱いが厳格化されました。こうした中、2018年5月に次世代医療基盤法が制定され、次世代医療基盤法で定める認定匿名加工医療情報作成事業者、認定医療情報等取扱受託事業者において、厳格な利用目的等の審査を行い、医療情報を匿名加工し、提供することができるようになりました。
NTTデータでは、ライフデータイニシアティブと連携し、事業化準備を推進してきましたが、このたび次世代医療基盤法に基づく認定を初めて取得しました。
図:次世代医療基盤法に基づく認定事業全体像
概要
本認定事業では、日本全国の病院を中心とした医療施設からレセプトデータ、DPC調査データ注2、診療行為結果(アウトカム)情報を収集し、個人が特定できない情報(匿名加工医療情報)を作成します。この匿名加工医療情報を、研究者や製薬企業へ提供することで、アウトカム情報を用いた高度な分析が可能となり、臨床研究等の研究開発などの活性化に貢献します。
本事業の特長
- 診療行為結果を含むさまざまな医療情報を活用し、従来活用が難しかった「検査値」などの他、「医師所見」といった非構造化情報の活用による多角的分析が可能
- 「次世代医療基盤法ガイドライン」で定めるさまざまな安全管理措置への対応と、医療情報に関する匿名加工技術により、国によって認定された安全安心な情報活用を促進
- 施設、診療科をまたがった名寄せによる情報活用が可能となり、治療実績の動態を追跡可能
- 将来的に数百万人を超えるアウトカム情報を収集し、従来存在しない大規模かつ詳細なデータベースを構築し、日本の研究開発の発展に寄与
認定医療情報等取扱受託事業者の業務
- 情報システムの維持運用
- 利活用者対応支援
- データ抽出・匿名加工処理 等
今後について
2020年1月6日より匿名加工医療情報作成事業を開始し、2020年度内に匿名加工医療情報提供事業に基づく実績を積み重ね、事業推進する予定です。また、将来的には電子カルテ情報に加え、画像情報の取り扱いなど、日本の医療に寄与する機能の拡張を目指して取り組みを進めます。
認定事業を行う上で遵守する法律等
NTTデータでは、本認定事業を推進する上で「医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関する法律(平成29年法律第28号)」の遵守に加え、「認定医療情報等取扱受託事業者」として医療に関わる機微な情報を確実に管理するための安全管理措置を講じます。また、医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関する法律のみならず、個人情報保護法や関連条例、企業として遵守すべき法律全てについて遵守し事業を進めていきます。個人の病歴等の医療情報は「要配慮個人情報」として厳格な管理が求められ、当該情報を取り扱った事業を行う企業として、関連主務省庁および個人情報保護委員会への公平な監査への協力、本事業に関わる国民への対応に適切に対応していきます。
本事業の遂行に際しての基本方針
- NTTデータでは情報サービスを提供する事業者の責務として、全社で遵守すべきグローバル・コンプライアンス・ポリシーを定めています。
- 認定事業の遂行においては、医療業界における機微な情報を取り扱い、機密性・完全性・可用性の担保が必要な多くの情報資産が蓄積されています。当担当が所有・管理する情報資産を、安全かつ効果的に活用するため、情報セキュリティー管理を徹底する体制を確立し、適切に維持運用を行います。また、継続して情報セキュリティーに対する意識の醸成、永続的にセキュリティーリスクから回避することを社員・協働者個々が明確に意識し、一丸となって維持・向上に務めます。
注釈
- 注1次世代医療基盤法とは、略称であり、正式名称は「医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関する法律(平成29年法律第28号)」になります。
- 注2DPC調査データとは、厚生労働省にて実施している「DPC導入の影響評価に係る調査」にて医療施設が提出しているカルテからの匿名化情報等のことです。
- 本文中の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。
本件に関するお問い合わせ先
報道関係のお問い合わせ先
株式会社NTTデータ
広報部
大島
TEL:03-5546-8051
製品・サービスに関するお問い合わせ先
<一般の皆さま、利活用者の皆さま>
株式会社NTTデータ
製造ITイノベーション事業本部
第四製造事業部 第二統括部
営業担当
宮川、城山
TEL:050-5546-9877
E-mail:milkr_support@kits.nttdata.co.jp
<医療機関等の皆さま>
第二公共事業本部
社会保障事業部 社保第三統括部
第六システム担当
中山、山崎
TEL:050-5546-9196