慢性疾患の発症リスクを早期に予測する疾病予測AIソリューションを開発
2020年7月31日
株式会社NTTデータ
株式会社NTTデータ(以下:NTTデータ)の海外グループ会社のNTT DATA Servicesでは、2型糖尿病・冠動脈性心疾患・慢性肝臓疾患(CLD)・慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)・脳卒中・関節炎といった慢性疾患の非侵襲的測定データ(生体を傷つけずに測定したデータ)を活用して、当該疾患の発症リスクを人工知能(AI)により算定する実証実験(以下:本実証)を行いました。本実証では、当該疾患の患者500万人以上の医療保険データ1,300万件や服用している医薬品データ、臨床データ、検査データを学習データとして、特定慢性疾患のリスクを持つ患者の早期予測を可能にする疾病予測AIソリューション(以下:本ソリューション)を開発し、有効性を確認しました。
本ソリューションは保険会社への提供を想定しており、保険会社は本ソリューションを活用することで、保険加入者である一般ユーザーの慢性疾患発症のリスクスコアを、従来必要だった大規模な検査を行うことなく、簡易的に導き出し、加入者に提供することができます。
本ソリューションは、今後、アメリカだけでなく、NTTデータやNTTデータのグループ会社であるeverisにより、日本やラテンアメリカ地域での展開も予定しています。本ソリューションをグローバルで展開することで、国の医療費、従業員の生産性、社会経済などに直接的な影響を与えている慢性疾患発症の早期予測を支援します。
背景
取り組み内容
NTTデータは中期経営計画において「グローバルデジタルオファリングの拡充」を掲げており、AIを含むデジタル先進技術領域の強化を進めています。
本実証では、AI学習に必要なデータとして1,300万件もの診療報酬請求(医療費請求)から500万人以上の患者の医療診断・医療処置/サービス・治療薬・ヘルスチェック・検査結果からなる集合体データセットを活用しました。
学習データ | アメリカの匿名の500万人以上の患者データ |
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得られた成果 |
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NTTデータ 常務執行役員 茅原 英徳 第二公共事業本部長のコメント
超高齢社会に直面する日本では、加齢に伴う慢性疾患の増加による医療費増が課題となっています。NTTデータは以前より、健康診断結果から生活習慣病発症リスクを予測するAIを開発し、本課題に取り組んできました。今後は、本技術をNTT DATA Servicesの疾病予測AIソリューションと統合し、健康診断結果以外の医療・健康データも活用することによりさらに高精度な予測サービスとして昇華させることによって、グローバルな課題解決に貢献します。
NTT DATA Services シャーシ・ヤディキ氏(医療保険部門長)のコメント
長年に渡り、医師、科学者、WHOやCDC(米国疾病予防管理センター)などの組織、また数多くのコミュニティーグループが全世界的で増大し続ける慢性疾患の脅威と闘ってきました。高所得国では、長年、慢性疾患が死亡や障害の主な原因となっています。慢性疾患による死亡は世界では70%超、米国では87%を超えています。私たちNTTデータグループは、最新のテクノロジーソリューションを構築することで、このような課題への取り組みを支援しています。
everis アレハンドロ・モラン氏(公共&ヘルスケア グローバル部門長)のコメント
WHOによれば、慢性疾患は毎年4,000万人の命を奪っています。とりわけラテンアメリカ諸国等の開発途上国では若年層が慢性疾患にかかっています。慢性疾患と闘うためには予防と患者の生活の質の向上の両方の観点が重要になってきます。そのために、AIソリューションが大きな役割を果たすでしょう。
今後について
本件に関するお問い合わせ先
報道関係のお問い合わせ先
株式会社NTTデータ
広報部
田中
TEL:050-3644-3022
製品・サービスに関するお問い合わせ先
株式会社NTTデータ
グローバルマーケティング本部
木村、吉田
E-mail:global-marketing@kits.nttdata.co.jp