TCFD開示対応をコンサルティングからシステム開発までワンストップで支援 ~プライム市場上場企業の持続的な脱炭素化を可能に~

ニュースリリース/NTTデータ

2022年7月27日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータ(以下:NTTデータ)は2022年7月27日、気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)注1の提言に沿った企業の情報開示(以下:TCFD開示【参考】)を支援するコンサルティングサービスを提供開始します。コンサルティングだけでなく、CO2排出量を可視化するシステム導入など、NTTデータの既存ソリューションを活用して企業のニーズにあったデジタル化までサポートできることが強みです。
東京証券取引所が2021年6月に改訂したコーポレートガバナンス・コード注2では、プライム市場上場企業のTCFD開示が実質的に義務化されています。本サービスはプライム市場上場企業を主な対象に、TCFD開示のための組織体制の構築からCO2排出量算定・削減目標の設定、デジタル化の提案、情報開示の支援まで、ワンストップでコンサルティングします。企業はTCFD開示対応にとどまらず、温室効果ガス排出量削減に対する取り組みを持続・深化することができます。

背景

上場企業の間で、TCFD開示の重要性が高まっています。東京証券取引所は2021年6月に改訂したコーポレートガバナンス・コードにおいて、東証上場企業に対してサステナビリティの取り組みを経営戦略の開示に含めることを定めました。なかでもプライム市場上場企業に対しては、気候変動が自社に与える影響についてTCFDか同等の枠組みに基づく開示を求める原則を新設しました。自社に必要と考えられる項目から順次開示する対応で問題ないとされるものの、これによりTCFD開示が実質的に義務化されています注3
近い将来、プライム市場上場企業だけでなく有価証券報告書を提出する企業全てがTCFD開示を求められる可能性もあります。金融庁が2022年6月に公表した金融審議会「ディスクロージャーワーキング・グループ」報告注4では、有価証券報告書でサステナビリティ情報の記載欄を新設すること、その記載欄で企業がTCFDに基づく開示を行うこと、「ガバナンス」と「リスク管理」の2項目を全ての有価証券報告書提出企業が開示すべきであることが提言されています注5

図1:気候変動に関する開示義務化の流れ注6

図1:気候変動に関する開示義務化の流れ注6

サービス概要

TCFD開示におけるNTTデータの豊富な対応実績を生かし、TCFDによる4つの推奨開示項目「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」全ての対応をワンストップで支援します。
既に提供している「温室効果ガス排出量可視化プラットフォーム」注7や最終製品別のCarbon Footprint of Products管理基盤ソリューション注8等(以下:CO2排出量可視化システム)をあわせて利用することで、デジタル化までワンストップで支援できることが大きな特長です。具体的なサービスについては以下の通りです。
なお、本サービスは2022年1月から提供しているグリーンコンサルティングサービス注9の一環です。

概要詳細
TCFD開示対応のコンサルティングTCFD開示にあたって必要となる戦略策定を支援します。気候変動に関する世界の最新の規制や各国の状況に対応します。
一時的な開示対応に留まらず、開示や気候変動対策などサステナビリティに関する取り組みをお客さまに自律的に継続いただくための支援も行います。勉強会の実施や経営層への説明、運営組織体制の構築等を支援します。
CO2排出量算定と削減目標の設定TCFD開示に必要となるCO2排出量算定・削減目標設定を支援します。排出量算出に必要な活動量情報の収集、および収集できない情報に対する対応方針の検討を支援します。
その後、収集した情報ごとの算定方式を決定し、CO2排出量を算定します。同業他社の事例調査をもとに、今後のCO2排出量削減目標の設定を支援します。
加えて、再エネ・クレジットの調達コストも加味した削減ロードマップを策定します。
デジタル化の提案デジタル技術を活用し、効率化や定常化まで柔軟に提案します。情報開示に必要となる温室効果ガスの排出量可視化の要件に合わせて、NTTデータが保有するCO2排出量可視化システムを適用することで企業や製品単位で削減を見越した可視化を進めます。
その他情報開示対応の支援必要に応じてCDP注10質問書への回答やSBT注11目標の策定等、関連する情報開示の支援も提供します。

表:TCFD開示対応支援サービスの概要

サービス提供先については、TCFD開示対応が実質義務化されたプライム市場上場企業を中心に、上場企業を想定しています。はじめてTCFD開示対応をする企業をはじめ、開示内容を緻密化・深化させたい企業への提供が可能です。

図2:CO2排出量可視化システムと合わせた提供イメージ

図2:CO2排出量可視化システムと合わせた提供イメージ

今後の取り組み

NTTデータは本サービスを2023年度内に50企業へ提供することをめざします。
本サービスの提供をはじめ、今後も広がりが想定される気候変動・サステナビリティ対応に向けた支援サービスを拡大していきます。個々のお客さまに合わせたコンサルティングを提供することで、社会全体のカーボンニュートラルやサステナビリティな社会の実現に貢献します。

NTT Green Innovation toward 2040

NTTグループでは2021年9月28日に環境ビジョン「NTT Green Innovation toward 2040」を策定し、2030年度までに温室効果ガス排出量の80%削減(モバイル、データセンターはカーボンニュートラル)、2040年度までにカーボンニュートラルを実現することをめざしています。またNTTグループは、自らのカーボンニュートラル実現に向けた取り組みを社会へ拡大し、日本政府がめざす2030年に2013年度比で温室効果ガスを46%削減するという目標、および2050年までのカーボンニュートラルの実現に貢献します。

注釈

  • その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

参考

企業がTCFD開示にあたり必要になる対応は以下の通りです。

図3:TCFD開示に求められる対応

図3:TCFD開示に求められる対応

本件に関するお問い合わせ先

報道関係のお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
広報部
岡林
TEL:070-2795-0072

製品・サービスに関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
グリーンイノベーション推進室
下垣、小針、中島、伊藤
E-mail:climate_proper@kits.nttdata.co.jp