デジタル社債向け“標準化インフラ”構築および市場活性化に向けた、MUFGとNTTデータの提携について

報道発表

2023年8月10日

三菱UFJ信託銀行株式会社
株式会社三菱UFJ銀行
株式会社NTTデータ

三菱UFJ信託銀行株式会社(取締役社長 長島 巌、以下三菱UFJ信託銀行)と、株式会社NTTデータ(代表取締役社長 佐々木 裕、以下NTTデータ)は、両社で提携し、デジタルアセット全般の発行・管理基盤である「Progmat(プログマ)」と、国内で圧倒的なシェアを誇るNTTデータグループの社債管理基盤を連携させ、デジタル社債向け“標準化インフラ”注1の構築を進めることについて合意しました。また、株式会社三菱UFJ銀行(取締役頭取執行役員 半沢 淳一、以下三菱UFJ銀行)は、両社と協業し、事業会社などに向けて、同インフラを用いたデジタル社債の発行支援を開始いたします。

1.本提携の背景と目的

日本国内では、累計956億円規模の公募デジタル証券(Security Token、ST)が組成されており、そのうち「Progmat」(三菱UFJ信託銀行が開発し、2023年9月以降に独立会社「株式会社Progmat(仮)」に移管予定)を活用したものは全13件、運用資産残高(AuM)は約807億円(シェア84%注2)となる見込みですが、その大宗は不動産などを対象とした資産裏付型デジタル証券で、デジタル社債の発行はいまだ試験的な段階です。
発行体・債券保有者・財務代理人・原簿管理者などの関係者が共通基盤で情報を共有し管理できる、ブロックチェーン技術を活用したデジタル社債がより本格的に拡大するうえでは、小口化、効率化、コスト削減、環境負荷軽減などの固有の付加価値の提供や圧倒的な利便性の向上に加え、導入・移行に要する負荷を極力小さくすることで、市場参加者や取扱金融機関の裾野を広げることが必要です。
そこで、デジタル社債の普及に向けて、伝統的な社債(振替債)における受託金融機関向けシステムとしてシェア95%注3を誇るNTTデータグループと「Progmat」、振替債において多くの受託実績を有する三菱UFJ銀行が連携することで、市場参加者である金融機関や事業会社のデジタル社債市場参入を容易とし、デジタル社債市場の活性化を図ってまいります。

2.提携に向けたこれまでの検討概要と情報公開

三菱UFJ信託銀行、三菱UFJ銀行、NTTデータは、伝統的な社債において既に高いシェアを有している「B-Apps Online」注4のデジタル社債管理向け機能である「DBM(仮)」と、STにおいて豊富な発行実績を有する「Progmat」の連携を前提に、デジタル社債として“業界横断的な標準”とすべき最適な商品モデルや業務プロセスの策定と、“標準化インフラ”の構築に向けて、下記内容についての検討を実施しました。

(1)検討内容

  1. デジタル社債の業務俯瞰図における標準化整理
  2. デジタル社債における標準的な商品モデル整理
  3. 「Progmat」を前提とした社債管理人業務フローとデジタル社債管理用基盤「DBM(仮)」の充足性評価
  4. 「Progmat」「DBM」間の主なインターフェイス仕様検討およびPoC(Proof of Concept、概念実証)実施

(2)検討結果

検討結果の詳細は「報告書」として纏めて公開しますので、下記のURLよりご覧ください。
報告書: https://www.tr.mufg.jp/ippan/pdf/bonds_st_report.pdf

3.今後の予定

「Progmat」と連携可能なデジタル社債管理用基盤「DBM(仮)」の商用版を実装し、NTTデータグループの振替債向けシステムを導入している受託金融機関20行(間接利用先を含めると180行)のうち利用希望先への提供態勢を構築いたします。NTTデータグループはデジタル社債市場の発展に寄与するため今後さらに連携先の拡大を検討してまいります。また、三菱UFJ銀行は同基盤を先行利用し、三菱UFJ銀行を受託金融機関とするデジタル社債について、2023年度内の発行を目指します。

4.各社の役割・概要

(1)デジタル社債に関するインフラ構築

商号
:三菱UFJ信託銀行株式会社 (独立会社「株式会社Progmat(仮)」に移管予定)
代表者
:取締役社長 長島 巌
URL
https://www.tr.mufg.jp/
商号
:株式会社NTTデータ
代表者
:代表取締役社長 佐々木裕
URL
https://www.nttdata.com/jp/ja/

(2)デジタル社債インフラの先行活用、事業会社などの発行支援

商号
:株式会社三菱UFJ銀行
代表者
:取締役頭取執行役員 半沢 淳一
URL
https://www.bk.mufg.jp/

注釈

  • 注1 デジタル社債向け“標準化インフラ”とは、業界横断的な標準とすべき最適な商品モデル・業務プロセスを前提とした、デジタル社債の発行・管理を可能とする一連の基盤群、と定義。
  • 注2 資産裏付型デジタル証券を発行する受益証券発行信託における信託設定時の信託元本、又は直近の有価証券報告書上の総資産額を基に、三菱UFJ信託銀行により算出。
  • 注3 NTTデータグループの日本電子計算株式会社(代表取締役社長 茅原英徳)は、一般債振替制度に準拠した国内金融機関向け社債管理者・発行支払代理人業務システムをパッケージソフトまたは独自クラウドサービスにより提供しており、ほふり機構登録代理人のうち約95%が利用している。
  • 注4 一般債振替制度における振替債の発行・支払代理人業務(IPA:Issue Payment Agent)、口座管理機関に対応したシステム。
  • 「Progmat(プログマ)」について
    Webサイトを公開しておりますので、以下URLからご覧ください。
    https://www.tr.mufg.jp/progmat/

本件に関するお問い合わせ先

報道関係のお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
広報部
西原
E-mail:nttdata-pr-inquiries@am.nttdata.co.jp

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株式会社NTTデータ
金融イノベーション本部
グローバルカスタマーサクセス室
カスタマーコンサル担当
塚本
E-mail:Eiko.Tsukamoto@nttdata.com