デジタルアセット市場における“ナショナルインフラ”構築に向けた、「株式会社Progmat」の設立に関する株主間契約締結について
報道発表
2023年9月11日
三菱UFJ信託銀行株式会社
みずほ信託銀行株式会社
三井住友信託銀行株式会社
株式会社三井住友フィナンシャルグループ
SBI PTS ホールディングス株式会社
株式会社JPX総研
株式会社NTTデータ
株式会社Datachain
三菱UFJ信託銀行株式会社(取締役社長:長島 巌、以下 三菱UFJ信託銀行)、みずほ信託銀行株式会社(取締役社長:梅田 圭、以下 みずほ信託銀行)、三井住友信託銀行株式会社(取締役社長:大山 一也、以下三井住友信託銀行)、株式会社三井住友フィナンシャルグループ(取締役執行役社長グループCEO:太田 純、以下 三井住友FG)、SBI PTSホールディングス株式会社(代表取締役社長:小川 裕之、以下 SBI PTS)、株式会社JPX総研(代表取締役社長:宮原 幸一郎、以下 JPX総研)、株式会社NTTデータ(代表取締役社長:佐々木 裕、以下 NTTデータ)、及び株式会社Datachain(代表取締役:久田 哲史、以下 Datachain)は、デジタルアセット全般の発行・管理基盤である「Progmat(プログマ)」の開発と、「デジタルアセット共創コンソーシアム」(略称DCC、会員企業数214社)の運営を担う、「株式会社Progmat」の設立に関する株主間契約を締結することに合意しました。
パートナー企業8社は、「株式会社Progmat」の設立を通じて、業界を挙げて「共創領域」を「標準規格」で円滑に実装し、市場参加者の圧倒的な利便性向上を実現することで、日本のデジタルアセット市場の発展と競争力を高めていきます。
1.設立の背景と目的
日本国内では、2020年施行の改正金融商品取引法による「セキュリティトークン注1」(以下、ST)規制、2023年施行の改正資金決済法による「ステーブルコイン注2」(以下、SC)規制と、デジタルアセット市場の基礎が着々と整備され、既に1,200億円を超える規模のST関連案件が組成されています。
こうした動きに呼応し、三菱UFJ信託銀行では、STを取り扱う「Progmat ST」基盤、「ユーティリティトークン注3」(以下、UT)を取り扱う「Progmat UT」基盤、SCを取り扱う「Progmat Coin」基盤、及び各種デジタルアセットを対象としたウォレットサービスである「Token Manager」「Token Wallet」の開発を進めてきました。
デジタルアセット市場がより本格的に拡大するうえでは、既存の伝統的な証券市場や決済市場等と比較して、圧倒的な利便性の向上が不可欠です。圧倒的な利便性を実現するためには、ネットワーク参加者同士の「共創」が鍵となります。グループを超えて手を携えるために、三菱UFJ信託銀行個社ではなく、より中立性の高い「共同事業体」を中核に据えることとしました。
また、デジタルアセット市場の“共通インフラ”を構築するためには、金融市場に関する深いドメイン知識に加え、圧倒的なインフラ構築力を「1つの組織」で兼ね備えていることが理想的です。従来の、金融機関が発注者となり、ソフトウェア企業が受託開発を行う姿ではなく、両者が手を携えて「共同事業体」を創ることで、より早く、より広く、インパクトを出せる開発集団を目指すこととしました。
2.今後の予定
会社設立日同日の株主総会により、「株式会社Progmat」の役員選任決議を行い、社外取締役を含む経営体制について発表します。
併せてコーポレートサイトをリニューアルし、これまで「デジタルアセット共創コンソーシアム」会員向けに限定共有していたコンテンツを原則全て公開するほか、他関連情報のオープン化を予定しています。
- ※ 10月2日以降リニューアル公開予定
注釈
- 注1 ブロックチェーン(BC)等の電子情報処理組織を用いて移転することができる、有価証券等の総称(金融商品取引法における「電子記録移転有価証券表示権利等」)
- 注2 ブロックチェーン(BC)等の電子情報処理組織を用いて移転することができる、法定通貨と価値の連動等を目指す決済手段の総称(資金決済法における「電子決済手段」)
- 注3 ブロックチェーン(BC)等の電子情報処理組織を用いて移転することができる、特定の役務提供を受ける際に必要な証憑として機能するデータの総称
<別紙>
1.「株式会社Progmat」概要
- 商号:
- 株式会社Progmat(Progmat,inc)
- 代表者:
- 代表取締役 Founder&CEO 齊藤 達哉
- 本社:
- 東京都千代田区丸の内1-6-5 丸の内北口ビルディング
- 設立日:
- 2023年10月2日
- 資本金:
- 100百万円
2.「株式会社Progmat」の事業目的(定款)
- (1) セキュリティトークンの発行及び管理に係るプラットフォームに関するシステムの企画、開発、制作及び提供
- (2) ユーティリティトークン、ステーブルコインその他デジタルアセットに関するシステムの企画、開発、制作及び提供
- (3) デジタルアセットに関するコンソーシアムの運営及び管理業務
- (4) デジタルアセットに関する調査、研究、情報提供及びコンサルティング
- (5) 上記に附帯関連する一切の事業
3.「株式会社Progmat」の株主構成
- 三菱UFJ信託銀行:
- 〔出資比率〕49.0%
- NTTデータ:
- 〔出資比率〕13.5%
- みずほ信託銀行:
- 〔出資比率〕07.5%
- 三井住友信託銀行:
- 〔出資比率〕07.5%
- 三井住友FG:
- 〔出資比率〕07.5%
- SBI PTS:
- 〔出資比率〕05.0%
- JPX総研:
- 〔出資比率〕05.0%
- Datachain:
- 〔出資比率〕05.0%
4.各社の役割・概要・コメント
(1)金融機関:発行市場を牽引し、規格標準化を図る
三菱UFJ信託銀行株式会社 取締役社長 長島 巌コメント
「昨年発表をした「Progmat」の独立化について、正式に稼働できる見通しとなりましたことを嬉しく思います。改めて、独立化の目的は「オープン化」です。あらゆる境界を超えて同じプロトコル(規格)を用いることで実現したインターネットの成功のように、デジタルアセットの世界がより便利なものになるよう、唯一無二のパートナーシップを活かしたナショナルインフラ化に繋がることを期待しています。本事業を立ち上げた齊藤をリーダーとし、新しい道を切り拓く意欲に燃えた若い人材が集まるスタートアップ企業としての新会社に対し、株主の一角として大いに期待すると共に、三菱UFJ信託銀行としても市場全体の発展に尽力してまいります。」
みずほ信託銀行株式会社 取締役社長 梅田 圭コメント
「みずほ信託銀行は、信託銀行としての不動産および証券化商品等に関わる知見を活かし、これまでもセキュリティトークンに関する商品・サービスの開発を推進してきました。資本グループの枠を超えた「株式会社Progmat」への共同出資による共創領域の創出は、セキュリティトークンを始めとしたデジタルアセット市場の発展に大きく寄与するとともに、個人の金融資産を貯蓄から投資に振り向ける動きを加速させるものと考えています。みずほ信託銀行としても、デジタルアセット市場に関わる皆様との共創を通じ、新たな価値創造の実現に取り組んでまいります。」
三井住友信託銀行株式会社 取締役社長 大山 一也コメント
「日本の持続的成長のために、資金・資産・資本の好循環を実現することが必要です。デジタルアセットが、利用者にとって利便性の高いツールとなり、より身近なものになることで、資金・資産・資本の好循環の実現に寄与することを期待しています。そのような世界の実現に向けて、パートナー企業の皆さまとともに、日本のデジタルアセット市場の発展に寄与していきたいと思います。」
株式会社三井住友フィナンシャルグループ 取締役執行役社長グループCEO 太田 純コメント
「今回の取組みは、わが国のデジタルアセット市場の発展に向けた重要なステップの一つです。これを契機として、セキュリティトークンに代表されるデジタルアセットの市場が一段と広がっていくことを期待しております。」
(2)エクスチェンジ:流通市場を牽引し、決済インフラとの連携を円滑化する
- 商号:
- SBI PTSホールディングス株式会社
- 代表者:
- 代表取締役会長 北尾 吉孝
SBI PTSホールディングス株式会社 代表取締役会長 北尾 吉孝コメント
「SBI PTSホールディングスは、事業会社を通じて株式の流通市場としてのPTS(私設取引システム)を複数運営し、微力ながら我が国の資本市場の発展に貢献してまいりました。傘下の大阪デジタルエクスチェンジ株式会社においては、株式のPTSを運営する一方で、2023年中に国内初となるセキュリティトークンの流通市場を開設、運営することを目指しています。今般、デジタルアセットの振興のため、企業グループを超えた各社が志を一つにしたことはエポックメイキングな出来事といえます。今後、Progmat社がデジタルアセット市場の“ナショナルインフラ”として、発行体、販売証券会社、二次流通市場など、あらゆる関係者とともに市場全体の発展に寄与されることを期待しています。当社としても、Progmat社およびパートナー各社と一丸となってデジタルアセット市場全体の発展に貢献してまいります。」
株式会社JPX総研 代表取締役社長 宮原 幸一郎コメント
「セキュリティトークンをはじめとしたデジタルアセットは幅広い発展可能性を秘めており、今回のProgmatの設立を通じて、エコシステムが更なる広がりを見せることを期待しております。JPX総研は、主にグリーン×デジタルという分野を中心としてセキュリティトークンの活用に取り組んでまいりました。こうした知見を活かしながら、さまざまな企業と一緒に、デジタルアセット市場の発展を目指して新しい資本市場の仕組みを構築していきます。」
(3)ソフトウェア:金融インフラや先端技術に関するノウハウを提供する
株式会社NTTデータ 代表取締役社長 佐々木 裕コメント
「NTTデータは、前身である電電公社時代から日本の社会を支えるさまざまな仕組みをつくり動かし続けてきました。「Progmat」もデジタルアセット市場のナショナルインフラとして市場の発展に大きく寄与し、「貯蓄から投資」を促進するものと考えています。今回の取組みを通じて、当社は金融インフラや先端技術に関するノウハウを活かし、関係者の皆様と共にProgmat社の発展に寄与して参ります。」
株式会社Datachain 代表取締役 久田 哲史コメント
「スタートアップとして、このようなまさにナショナルインフラを構築する新会社に、日本を代表する皆様とご一緒できること、大変光栄に思います。Datachainとしては、主にクロスチェーンや、パーミッションレス/パーミッションドのステーブルコインにおけるスワップや決済などの実現を支える技術にて、貢献してまいります。規制や技術、事業開発の視点でも、グローバルで勝負ができる絶好のチャンスと捉えています。今後数十年をかけて分散化していく社会の先駆けとなるのがデジタルアセットであり、Progmatがあったからこそ、その未来が大きく引きよせられたとなるよう、全力を尽くしてまいります。」
本件に関するお問い合わせ先
報道関係のお問い合わせ先
株式会社NTTデータ
広報部
西原
E-mail:nttdata-pr-inquiries@am.nttdata.co.jp
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株式会社NTTデータ
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グローバルカスタマーサクセス室
カスタマーコンサル担当
塚本
E-mail:Eiko.Tsukamoto@nttdata.com