AIエージェントを活用した新たな生成AIサービスを提供開始

~「SmartAgent™」の実現により、オフィスワーカーの生産性向上、付加価値業務のシフトへ~

報道発表

2024年10月24日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータ(以下、NTTデータ)は、オフィスワーカーの生産性向上、付加価値業務へのシフトを実現するため、生成AI活用コンセプト「SmartAgent™」に基づき、新たな生成AIサービスの提供を開始します。
SmartAgentとは、利用者の指示に応じて、AIエージェントが自律的に対象業務のタスクを抽出・整理・実行し、新たな労働力を提供するものです。これにより、NTTデータは、人口減少による労働力不足など社会課題の解決に貢献します。
SmartAgentのサービス第一弾として、営業領域を対象に、「LITRON® Sales(読み、リトロンセールス)」を11月から提供開始します。データ入力作業や、提案書準備、契約書作成、社内文書作成などのタスクを自律的に実行します。
NTTデータは、生成AIのコンサルティングから導入、運用までを一貫して支援し、アプリケーションからインフラまでフルスタックでお客さまに提供します。これらの取り組みを通じて、2027年までに生成AI関連事業で累計1000億円の売り上げをめざします。

NTTデータが描く生成AI活用の未来像

現在、日本では人口減少による労働力人口の減少加速、IT人材不足といった社会問題があり、生成AI活用の需要が急激に高まっています。活用例として、カスタマーサポートやチャットボットなどの顧客問い合わせに対する省力化や、コンテンツやクリエイティブの自動生成能力による広告やマーケティングの効率化などが挙げられますが、多くの企業は自然言語による検索や要約などの適用にとどまっており、成果創出の拡大が課題となっています。

NTTデータは生成AIの活用は単一の業務にとどまらず、業務プロセス全体で活用できる技術と捉えています。現在、オフィスワーカーの生産性を抜本的に向上させる生成AI活用のコンセプトSmartAgentの実現に向けて取り組んでいます。これは、オフィスワーカーの業務に最適化されたAIエージェント「パーソナルエージェント」が、複数の専門性を持ったAIエージェント「特化エージェント」と連携し、対象業務のタスクを抽出・整理・実行するものです。具体的には、法務や経理、人事といった業務に特化したエージェントや顧客の行動特性を学習した特化エージェントが連携し、利用者の業務に最適化された業務の自動化など新たな労働力の提供を行うことができます。

新たな労働力を活用し、人口減少に伴う労働力不足の社会課題の解決に寄与し、お客さまを労働集約から知識集約・AI駆動型のビジネスに変革させることで、お客さまのビジネスをより付加価値の高い領域にシフトさせていきます。

図1:生成AIが実現する未来像

SmartAgentの技術要素

SmartAgentを実現するため、NTTデータグループでは、現在、以下の技術を開発しています。今後も、先進的な技術要素の開発を進めていきます。

  • Task Planning:複数のタスクからなる業務の処理を自律的に分割、整理。ワークフローを自動生成
  • Multi Agent:複数のAIエージェントを組み合わせて情報連携を実現。アウトプットの質を向上
  • Advanced RAG:データの高度な解釈による検索を実現。データ解釈の性能を向上
  • Agent Ops:業務ドキュメントから検証用データを生成し、各種手法の組み合わせを最適化・評価。適用から運用までをサポート
  • UITL(User-In-The-Loop):ユーザーのフィードバックをもとにエージェントのワークフローや出力を自律的に改善。継続的な改善サイクルを確立可能

NTTデータは、上記技術により実現するSmartAgentを中核に生成AIを活用した新サービスの提供を進めていきます。

SmartAgentの新サービス LITRON Sales

SmartAgentの新サービスとして、LITRON Salesの提供を11月から開始します。LITRON Salesは、営業領域における各種業務を自律的に支援・代行するサービスです。パーソナルエージェントが、特化エージェントにタスクを割り振ることで、データ入力、アポイントメント準備、提案書作成、契約書・社内文書作成などのタスクを支援・代行します。本サービスを活用することで、営業担当者の負担となっている事務処理、資料作成、日程調整などの業務負荷を低減し、お客さまへの提案活動など付加価値業務に充てられる時間を創出します。また、社内外の多様なインプット活用を通じた仮説構築力や提案力の向上を実現します。

LITRON Salesは段階的な機能提供を予定しており、第一弾として、データ入力・活用機能の提供を開始します。本機能は議事録情報(テキスト・音声)から営業プロセスで必要なBANTCなどの重要情報を生成AIで抽出し、営業支援システムに登録されている商談情報を自動で更新するものです。情報に不足がある場合には、次回入手すべき情報としてレコメンドします。本サービスを活用することで、営業担当者の営業支援システムへの情報登録業務の負担を軽減することが可能となるとともに、営業支援システムへのデータ投入が進むことで、生成AI活用に必要なデータの整備を早期に準備することが可能となります。

第二弾として、顧客経営課題分析から提案書作成までを実行するアポ・提案準備機能の提供を2025年3月末までに予定しています。提案先企業名と合わせて提案書の作成をパーソナルエージェントに指示すると、外部情報(IR情報、ニュースなど)や営業活動で得られた情報・議事録を検索し、顧客課題を抽出します。その顧客課題に対し、自社の提供可能なサービスなどの情報も自律的に検索しながら提案資料を作成します。

今後も営業事務処理の効率化や営業力強化に向けたサービス拡充も進めます。

図2:LITRON Sales概要

SmartAgentの実現に必要なサービスをフルスタックで提供

多くの顧客はパブリッククラウドを利用して生成AIを利用し、その実用性を評価していますが、商用利用に向けてはプライベートクラウドやオンプレミスでの利用検討も必要になります。また、LLM(大規模言語モデル)もオープンなサービスだけでなく、顧客業務に特化したLLMや閉域で利用可能なSLM(小規模言語モデル)の重要性も高まると考えられています。

NTTデータはあらゆる業務シーンでSmartAgentの実現に必要なサービスをフルスタックで提供します。業務の機密性を考慮しパブリッククラウド、プライベートクラウド/オンプレミスの双方から最適なインフラを提案します。必要なLLMやSLMはニーズに合わせて柔軟に選択可能です。あわせて、生成AI導入に向けたコンサルティングから、システム開発・導入、運用まで一貫した支援を実施します。

図3:SmartAgentに必要なサービスをフルスタックで提供

今後について

NTTデータは、日本国内での生成AI事業を一層拡大し、生成AI関連事業で2027年までに累計1000億円の売上高を目指します。今後はSmartAgentのサービスラインナップを拡充し、さらなる生産性向上を支援するとともに、労働力人口の減少などの社会課題解決に貢献していきます。

注釈

  • BANTC:Budget(予算)、Authority(決裁権)、Needs(必要性)、Timeframe(導入時期)、Competitor(競合)の頭文字をとった営業情報
  • SmartAgentは日本国内における株式会社NTTデータグループの商標です。
  • LITRONは日本国内における株式会社NTTデータの登録商標です。
  • その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

報道関係のお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
広報部
石上
E-mail:nttdata-pr-inquiries@am.nttdata.co.jp

製品・サービスに関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
テクノロジーコンサルティング&ソリューション事業推進部
GenAIビジネス推進室
宇都宮、小橋、岡本
株式会社NTTデータグループ
技術革新統括本部
Apps&Data技術部
正野、幸坂、大木
E-mail:gai-contact-jp@hml.nttdata.co.jp