場所を選ばない購買体験提供に向け試着室内での決済を検証 ~ユナイテッドアローズ自由が丘店の試着室にて実証実験~
2019年10月4日
株式会社NTTデータ
株式会社NTTデータ(本社:東京都江東区、代表取締役社長:本間洋、以下:NTTデータ)は、株式会社ユナイテッドアローズ(以下:ユナイテッドアローズ)の協力のもと、店舗の試着室においてRFIDや決済プラットフォーム「CAFIS Arch®」注1をはじめとするデジタルデバイスを活用した新たな購買体験に関する実証実験(以下:本PoC)を開始しました。
ユナイテッドアローズ実店舗にて、試着室に持ち込んだ商品のRFIDタグを読み取り、試着後に気に入った商品をその場で購入できるセルフ決済のほか、試着室内に設置したタブレットPOSからの店員呼び出し、電子レシートの配信などを行います。本セルフ決済サービスの実用化により、購買体験の向上に伴う顧客満足度の向上および、レジ業務をはじめとした業務効率化が期待できます。
NTTデータでは、本PoCの結果を踏まえ、本セルフ決済サービスを2020年度めどに本格開始予定です。
背景
近年、小売店舗では、お客さまと直接接することができる店舗での価値向上のために、購買を中心とした顧客体験を最大化するさまざまなあり方が模索されています。店舗でのシームレスな購買体験を実現するにあたり、決済行為では特有の動きが発生することから一連の体験の中で断絶されがちであり、これをいかにスムーズに行うかが課題となっています。また、店舗での省力化・無人化も大きな課題の一つです。レジ周りでの業務など決済行為にまつわる従業員の負担は少なくありません。
NTTデータでは、これまで決済プラットフォーム「CAFIS®」注2や「CAFIS Arch」を中心に、決済を軸にした消費者との購買接点サービスの提供を行ってきましたが、決済をレジに限らずあらゆる場所で提供可能とする「PoT(Payment of Things)」注3というコンセプトにより、購買体験になじむ決済のあり方を検討してきました。あらゆる場所でシームレスな決済体験を提供することにより、従業員のレジ業務の効率化を実現し、その分の時間を接客にシフトし、より細やかな、個人や状況に応じた接客を提供することが可能になります。
こうした課題意識を踏まえ、このたび、ユナイテッドアローズと購買体験になじむ決済の在り方の一形態として、まずは店舗の試着室内でのセルフ決済の検討を行い、本PoCを実施することとしました。
図1:試着室内セルフ決済のイメージ
概要
本PoCでは、店舗での購買体験における「商品試着~レジへの移動~決済完了」までの一連の体験向上を目指し、試着室内に設置したタブレットPOSおよび商品に付与されているRFIDタグを活用した検証を実施します。
場所 | ユナイテッドアローズ グリーンレーベル リラクシング 自由が丘店 |
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対象 | ユナイテッドアローズ ハウスカード会員のうち、以下に該当する方
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期間 | 2019年8月27日~2019年10月7日
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試着室内での購買体験の流れ
- (1)RFIDによる商品登録
商品に付与されているRFIDタグにより、試着室内のタブレットPOSに商品が登録され、持ち込んだ商品の一覧が表示されます(店員が操作)。 - (2)タブレットPOSを用いた店員とのコミュニケーション
商品のサイズ交換や色違いが欲しい、店員のアドバイスが欲しい場合は、タブレットPOS上の「呼び出し」ボタンを押すことで、店員のAppleWatchに通知されるため、簡便に店員を呼びだすことが可能です。 - (3)試着室内におけるセルフ決済
タブレットPOSで購入する商品を選択したのち、決済端末でセルフ決済を実施します。 - (4)電子レシートの配信と販促活用
決済完了後、レシートは電子レシートとして配信されます。電子レシート上に広告掲載することによって次回来店や販促に利用することができます。また、電子レシートの情報を蓄積し、データ分析・活用も可能です。 - (5)非購買データの取得と販促活用
試着室に持ち込まれたが購買されなかった商品(かご落ち商品)は、非購買データとしてタブレットPOS経由で本部に取得されます。
これらのデータは、次回以降の来店やECでの購入促進など、販促活用が可能です。
一連の体験によるメリット
- 消費者:
- 試着室内で決済が完了することにより、レジへの移動やレジ待ちが不要となる
- 試着室内のタブレットで店員呼び出し等を行うことで、店員への声かけや待ち時間のストレスがなくなる
- 店舗:
- レジ業務が削減され、空いた稼働を接客にシフトさせ接客の質を高めることができる
- 非購買データ(かご落ち商品)を把握することができ、販促に活用できる
- 電子レシートでの販促により、次回以降の来店やECでの購買を促進することができる
図2:本PoCで目指す顧客体験価値
今後について
NTTデータでは、本PoCを経て、小売店舗の購買体験を阻害しない決済の在り方を追究し、決済と親和性の高いサービスや、接客を支援するサービス等を組み合わせながら、小売店舗の購買体験変革をサポートするサービスを2020年度より順次提供予定です。
小売店舗における、リアルとECの体験の差をなくし、リアル店舗での体験の質を高めるサポートを行うことを目指し、アパレル企業に限らず、薬局や化粧品店、家電量販店等を中心にサービス提供を行う予定です。
CAFISについて
NTTデータの「CAFIS」ではさまざまな決済接点ソリューションを持っています。これにより、ECとリアルの両面で、また業態や企業の課題や要望に合わせて柔軟に決済接点を提供し、いつでもどこでも決済がスムーズにできる姿を実現できます。
さらに、これらの接点から得られる非購買データを含めた各種データを蓄積し、分析・活用するためのソリューションも展開していく予定です。より顧客体験価値が高く、従業員の業務効率化・満足度向上を併せ持った店舗運営の実現を、決済を軸に総合的にサポートしていきます。
NTTデータは、日本最大の決済プラットフォーム「CAFIS」の35年にわたる実績をバックグラウンドに、キャッシュレス推進を支援するとともに、消費者の購買体験や店舗運営のデジタル化を通じて、オンラインとオフラインの垣根がないより自由で便利な購買の実現を目指していきます。
注釈
- 注1「CAFIS Arch」はNTTデータが提供するクラウド型総合決済プラットフォームです。
https://www.nttdata.com/jp/ja/lineup/cafis_arch/ - 注2「CAFIS」はNTTデータが提供する国内最大の決済総合プラットフォームです。
https://www.nttdata.com/jp/ja/lineup/cafis/ - 注3リアル店舗での購買体験を変革する「PoT」と「CAFIS Arch」
https://digital.nttdata.com/commerce/pickup/pickup_08.html
- 「CAFIS」「CAFIS Arch」は日本国内における株式会社NTTデータの登録商標です。
- その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。
本件に関するお問い合わせ先
製品・サービスに関するお問い合わせ先
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ITサービス&ペイメント事業本部
カード&ペイメント事業部
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TEL:050-5546-8575