地方公共団体向けにAI-OCRサービスとRPAソリューションの無償提供を開始
2020年5月1日
株式会社NTTデータ
株式会社NTTデータ(以下:NTTデータ)は社会貢献活動の一環として、「特別定額給付金」支給業務を行う地方公共団体向けに、紙資料をデジタルデータ化するAI-OCR注1サービス「NaNaTsu™ AI-OCR with DX Suite」注2とRPAソリューション「WinActor」注3、RPAソリューションのeラーニングを、給付金支給期間である2020年5月1日から2020年7月31日までの間無償提供します。
また併せて、給付金申請書に「給付コード欄」を設けた推奨レイアウト、AI-OCRにより自動で入力するための帳票定義、申請対応業務を自動化するためのWinActorシナリオの3点を提供します。これにより地方公共団体職員は、簡単な導入作業のみで、給付金支給業務の自動化が可能となります。
今後もNTTデータは、NTTグループの一員として、「WinActor」および「NaNaTsu AI-OCR with DX Suite」特約店とともに、社会貢献活動を進めていきます。
背景
現在、地方公共団体等の各種行政機関は、新型コロナ感染症の拡大に伴い、「特別定額給付金」の迅速な支給開始が求められています。また、各自治体の職員からは、支給業務開始のための準備作業に追われる状況であるとの声が寄せられています。
こうした状況を受け、NTTデータでは、業務自動化技術により職員の負荷軽減に寄与すべく、2020年4月より、「NaNaTsu AI-OCR with DX Suite」と、RPAソリューション「WinActor」eラーニングを無償提供してきました。
今回、「特別定額給付金」事業の緊急実施が決定したことを受け、業務増加に伴う負荷軽減に寄与すべく、特別定額給付金支給業務自動化ソリューションを5月1日より無償提供することにしました。
概要
特別定額給付金支給業務において、地方公共団体は、住民からの給付金申請を電子申請または紙の申請書により受け付け、データのシステム入力や、支給審査を行い、入金処理まで実施します。今回、AI-OCRによる紙の申請書のテキストデータへの変換およびRPAによるテキスト、データのシステム入力、支給審査業務における突合チェック、振り込みデータ作成などを自動化技術により補助します。
図1:利用イメージ
詳細
特別定額給付金支給業務自動化ソリューションは、以下のサービス・ソリューションにより構成されています。
- 1.サービス・ソリューション
- (1)AI-OCRサービス「NaNaTsu AI-OCR with DX Suite」
申し込みにより、1地方公共団体あたり1管理者IDを発行 - (2)RPAソリューション「WinActor」ライセンス
地方公共団体向けノウハウ共有サイト「NaNaTsu」上からダウンロード - (3)地方公共団体向け自動化ノウハウ共有ポータル「NaNaTsu」
- 「特別定額給付金」標準申請様式に「給付コード欄」を追加した推奨レイアウト
- 「特別定額給付金」標準申請様式用の帳票定義ファイル注4
- 「特別定額給付金」支給業務をWinActorで自動化するためのサンプルシナリオ
- (4)RPAソリューション「WinActor」eラーニング ベーシックRPA基礎編
- 2.提供対象者
「特別定額給付金」支給業務に従事する地方公共団体等 - 3.価格
無償 - 4.利用期間
2020年5月1日から2020年7月31日まで(利用申し込み期限6月30日)
※利用期間は給付金支給期間としていますが、各自治体の状況に応じて相談させていただきます。 - 5.申込方法
NTTデータまたは、「NaNaTsu AI-OCR with DX Suite」特約店にお問い合わせください。
図2:特別定額給付金申請書をAI-OCRで読み取りした結果例
NaNaTsu AI-OCR with DX Suiteについて
NTTデータの提供するAI-OCRサービス「NaNaTsu AI-OCR with DX Suite」は、LGWAN-ASPサービス注5を利用可能な地方公共団体等向けのサービスです。手書きの各種申請書類をスキャンした画像ファイルを、LGWAN上に構築したAI-OCRサービスにアップロードするだけで、テキストデータに自動変換できるようになります。
主な特長は以下のとおりです。
- RPAツールとの組み合わせにより作業に係る時間の大幅な削減が可能
- 閉域ネットワークであるLG-WANを使用するため、セキュアな環境での利用が可能
- システムの構築やソフトウエアのインストールが不要
WinActorについて
純国産のRPAツールです。さまざまな操作を「シナリオ」として記録し、自動化することにより、定型的な繰り返し作業や、大量データを扱う作業を正確に再現することが可能です。さらに、既存システムに手を加えることなく、これまで人手で行ってきた複雑な操作や、複数システムにまたがるデータの投入を自動化し、人手作業の効率・品質・コストの大幅な改善につなげることができます。
NaNaTsuについて
「NaNaTsu」は、地方公共団体職員の疑問に答えることを目的としたサービスで、WinActorのライセンスと、WinActorノウハウ共有サイトのアカウントをセットで提供するものです。これまで地方公共団体職員が個別に収集するしかなかった「RPA適用業務リスト」や「サンプルシナリオ」を共有する場をセットで提供することで、課題解決を支援します。
eラーニングについて
NTTデータ「公式」eラーニングは、WinActorの基本から、シナリオ作成に役立つ利用方法まで、幅広い分野を自宅等で好きな時に学べるeラーニングです。
注釈
- 注1AI-OCRとは、従来のOCR技術とAIとを組み合わせ、学習した内容に基づいてルールを見いだして読み取る技術のことで、紙や画像中に記載された手書きの漢字や数字などを、高い精度でテキストデータに変換します。
- 注2NaNaTsu AI-OCR with DX Suite は、2019年11月1日より地方公共団体向けAI-OCRサービスとして提供を開始し、100以上の団体で利用されています。(2020年4月23日時点)
- 注3WinActorは、2010年にNTTアクセスサービスシステム研究所で生まれた技術をベースに、2013年にNTTアドバンステクノロジ株式会社が製品化に成功した、純国産のRPAソリューションです。提供開始以来約5000社の企業や地方公共団体に導入されています。
- 注4帳票定義ファイルは、「NaNaTsu AI-OCR with DX Suite」上で手書き帳票を読み取る前に、読み取る箇所を定義するファイルです。
- 注5LGWAN-ASPサービスは、LGWAN のセキュアなネットワークを介して、利用者である地方公共団体の職員に各種行政事務サービスを提供するものです。LGWAN(Local Government Wide Area Network)とは、地方公共団体の組織内ネットワーク(以下「庁内LAN」という。)を相互に接続し、地方公共団体間のコミュニケーションの円滑化、情報の共有による情報の高度利用を図ることを目的とする、行政専用のネットワークです。インターネットから切り離された閉域ネットワークであり、高度なセキュリティーを維持できます。
- 「NaNaTsu」は株式会社NTTデータにて商標登録出願中です。
- 「WinDirector」は日本国内における株式会社NTTデータの登録商標です。
- 「DX Suite」は日本国内におけるAI inside 株式会社の登録商標です。
- 「WinActor」は日本国内におけるNTTアドバンステクノロジ株式会社の登録商標です。
- その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。