治験使用薬の情報管理を支援するシステムを中外製薬へ提供

トピックス

2023年1月17日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータ(以下、NTTデータ)は、ServiceNow®注1を活用して中外製薬株式会社(以下、中外製薬)と共同で「治験使用薬情報管理システム」を開発し、2022年8月1日より中外製薬に提供を開始しました。本システムはノーコード等の技術活用により設計箇所や試験工数の削減をすることで、構築工程(設計~システムテスト)を約4.5か月で完了しました。

背景

2020年9月付けで改正された、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律(令和元年法律第63号)(以降、医薬品医療機器等法)」により、自社品/他社品、開発品/市販品にかかわらず、治験実施計画書の中で使用を規定している被験薬を含む治験使用薬について、治験依頼者に課される副作用等症例の報告・治験の計画の届出の義務範囲が拡大され、2022年8月末までが経過措置期間とされていました。
中外製薬では数多くの臨床試験が実施され、また1つの臨床試験の中で、他社市販品等を含め数多くの治験使用薬が届出義務対象に指定されます。
副作用等症例報告の観点で、管理範囲が他社品/市販品まで及ぶこと、試験間で複雑に関係しあう治験使用薬情報を効率的に管理することが、安全性情報管理に対するコンプライアンス違反回避に必要と考え、本目的を達成するためにシステム開発を実施しました。

システム概要

コンプライアンス違反のリスクが高まる課題を抱えていたことから、規制対応のためにシステム上で以下を実現することを目的としました。

  • 全臨床試験の治験使用薬に係る基本情報が一元管理されている
  • 担当者が必要時に、最新の情報を簡易に検索・取得できる
  • 治験使用薬に係る情報更新時に関係者へタイムリーに情報共有がされている
  • 監査証跡機能/変更履歴機能を有し、情報の変遷を確認ができる

本システムではServiceNowを活用し上記を実現しています。ServiceNowでは、ノーコード・ローコード開発プラットフォームによりスピーディーな開発が可能で、企業活動におけるさまざまな業務・サービスを単一プラットフォーム上に統合し、業務の標準化・可視化・自動化が可能です。
NTTデータはNTTデータグループの株式会社JSOLと連携し、その他複数の大手製薬企業でのServiceNowを用いたシステム開発実績を生かすことで、各種法規制、バリデーションに即した中外製薬の求める「治験使用薬情報管理システム」を提供し、リリース後の安定稼働を実現しています。

NTTデータのServiceNowに関する取り組み

NTTデータはライフサイエンス・ヘルスケア領域を含む、国内最多のServiceNowの導入実績を有しています。また、2021年1月にServiceNowに関する専門事業組織を設置注2し、同年3月にServiceNowのCreator Workflow Awardを受賞注3しました。
現在、ライフサイエンス・ヘルスケア領域のお客さまにおいてもServiceNowを活用した多数のシステム構築実績があります。

NTTデータが描く製薬業界の未来

NTTデータは、業界・技術のForesight起点で未来を構想し、共創パートナーとしてお客さまの成長とビジネス変革を実現していきます。
医療・ヘルスケア業界では、行政・民間企業などが一体となって、患者中心の医療の実現に取り組んでいます。NTTデータは、製薬企業の事業全体のデジタル化を支援し、医薬品開発のスピード向上と、ヘルスケア分野のサービス創出という領域拡大を同時に実現することを通じて、患者中心の医療体験変革に貢献していきます。

注釈

  • 文章中の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

本件に関する問い合わせ先

株式会社NTTデータ
製造ITイノベーション事業本部
第四製造事業部
西岡 絵里
E-mail:Eri.Nishioka@nttdata.com