産学連携高度人材育成プログラム「山梨大Advanced Design Program」の提供開始
~デザイン×テクノロジー AI時代におけるユーザー起点のデザインアプローチ~
トピックス
2023年9月15日
株式会社NTTデータ
株式会社NTTデータは2023年10月1日より、山梨大学、千葉工業大学との産学連携による「AI浸透深化時代を見据えた高度デザイン人材育成プログラム」(山梨大Advanced Design Program:以下、本プログラム)の提供を開始します。
本プログラムでは、製品/サービス企画の実務経験がある社会人を対象に、「ヒトを起点としたデザインアプローチによる新たなビジネスや製品/サービスの検討」に必要な知識・ノウハウを、オンライン・オフラインを組み合わせて提供します。本プログラムは文部科学省令和4年度「成長分野における即戦力人材輩出に向けたリカレント教育推進事業」に採択されており、山梨大学 郷 健太郎教授、千葉工業大学 安藤 昌也教授、NTTデータ 野口 友幸による、UXデザインに関する研究を足がかりとした育成プログラムです。
背景
経済のグローバル化や情報通信技術の急速な進歩により、既存のビジネスモデルの崩壊が進行する中、顧客体験の質がビジネスの成功に大きな影響を及ぼすようになりました。そのため、あるべき社会の姿を利用者視点で見極め価値をデザインすることができる高度なデザイン人材の重要性が高まっています。注1
NTTデータは、これまでサービスデザインを実践する場としてグローバルでデザインスタジオを運用し、人材・ノウハウの共有を進め各国の金融機関、製造・流通業、官公庁をはじめとした幅広いお客さまとともに、新規サービスの企画・開発を進めてきました。また2020年にサービスデザイン領域におけるデザイン集団「Tangity(タンジティ)」を立ち上げ、多くの企業とサービスデザイン領域のデザイナーの育成・獲得、デザイナーによるお客さま・社会への価値提供を行っています。この取り組みを通じて、高度デザイン人材育成にむけたリカレント教育注2の重要性を認識してきました。
このたび、山梨大学、千葉工業大学の高度デザイン人材育成に関する考え方に賛同し、昨年度より教育プログラムの開発を共同で進めてきました。3社で開発した本プログラムは、成長分野における即戦力人材強化になることが決め手となり、2022年度文部科学省の「成長分野における即戦力人材輩出に向けたリカレント教育推進事業」に採択されています。注3
プログラム概要
本プログラムでは、経済産業省の「高度デザイン人材育成研究会のガイドライン“これからのデザイン⼈材に求められるもの”注1」をもとに、もの・ことづくりに関わるデザイナーに対し、以下のスキルが必要であると定義しています。
- もの、ことづくりへの「願い」や、ものを介した「利他性」といった特性をデザイン対象に反映できること
- AIにはない「気づき」や「新たな視点」を入れ、付加価値にできること
- 本プログラムに関わる人々で形成されるデザインコミュニティに参加して、所属している組織や団体を超えた共創ができること
本プログラムは、これらのスキルを身につけるためのカリキュラムとして以下の3つの柱で構成されます。
- 基礎となるデザインアプローチについて学ぶ
HCD(Human Centered Design)人間中心デザイン、UXデザイン、デザイン思考といったユーザーを重視したデザインの方法論を体系的に学習します。その上で、これらの方法論の特長と今後の発展の可能性を議論します。 - AIに関する最新の動向や課題について学ぶ
近年めざましい発展をとげている生成AIの基礎となっている統計学や機械学習、深層学習などの考え方を学び、AIの技術が効果を発揮する対象を理解します。また、これらの応用として実現されている各種の事例を概観します。 - 実践プロジェクト型演習で学ぶ
座学で学び整理した知識を応用する場として、実践的なプロジェクトに集中的に取り組みます。受講生が複数人のグループを構成して、与えられたテーマの背景にある課題を探求し、構成した課題の解決案を創造します。
本プログラムには、実践の場として山梨県内でのフィールドワークや集中グループワークを行う合宿があり、講師陣と共に活用しテーマに取り組むことができます。
表:プログラム概要
名称 | AI浸透進化時代を見据えた高度デザイン人材育成プログラム(山梨大Advanced Design Program) |
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提供者 | 山梨大学、千葉工業大学、NTTデータ |
講師 |
山梨大学 大学院総合研究部 教授 郷 健太郎 東北大学大学院情報科学研究科博士課程修了後、東北大学電気通信研究所助手、バージニア工科大学HCI研究所研究員を経て、1999年に山梨大学工学部助手。その後、助教授(准教授)を経て、2011年より教授。博士(情報科学)。人間中心設計推進機構・元理事(設立時)、情報処理学会シニア会員。UI/UXのデザインに関する研究を中心に,シナリオベースドデザインやビジョンに基づくデザイン手法の提案、遠隔眼科診断装置の開発などに従事。山梨大学工学域評議員。 千葉工業大学 先進工学部 知能メディア工学科 教授 安藤 昌也 早稲田大学政治経済学部経済学科卒業後、大手システム開発会社、経営コンサルティング会社取締役などを経て、2011年より千葉工業大学工学部デザイン科学科准教授、後に教授を経て2016年より現職。博士(学術)。人間中心設計推進機構認定人間中心設計専門家、専門社会調査士。ユーザーエクスペリエンスおよびUXデザイン、人間中心設計の教育・研究に従事するとともに、企業とのUXデザインに関するプロジェクトを多数手がける。主著である『UXデザインの教科書』は、多くの企業・大学等で採用され2016年の発刊以来のロングセラーとなっている。
NTTデータ 法人コンサルティング&マーケティング事業部 携帯電話開発やスマートフォンアプリ/WebのUIデザインの経験をバックグラウンドに現在はサービスデザインを担当。顧客企業のUXデザインによるサービス創出プロジェクトをリード。人間中心設計推進機構認定人間中心設計専門家、京都芸術大学 大学院 コミュニュケーションデザイン領域 空間デザイン分野 芸術修士課程(MFA)に在学中。
他、各科目専門領域の教員や実務を担う外部講師で担当します。 |
- 提供期間:
- 2023年10月1日~2024年3月15日まで(予定)
- 提供方法:
- 対面型の授業とオンラインの授業のハイブリッド型
対面型の授業は東京都内での実施を予定しています。オンラインの授業は一般に普及している授業ツール(ZoomやMS Teams、Google Meet)を使用する予定です。
- 費用:
- 10万円(別途、山梨県内で行う合宿で宿泊交通費などが必要になります)
- 対象者:
- もの、ことづくりなど広義のデザイン領域業務に従事している方、またはそれを志向している方
- 申込方法:
- Webサイトを参照ください。
https://www.eng.yamanashi.ac.jp/adp/index.html
参考
NTTデータ「Tangity」について
NTTデータ「Tangity」は、サービスデザイン領域におけるデザイナー集団のブランドで、世界16拠点のデザインスタジオを運営、各スタジオをつなぐネットワーク(NTT DATA Design Network)を構成しながら、人材・ノウハウの共有を進めています。
UX(User Experience)/UIをはじめとするサービスデザイン領域のデザイナーの育成・獲得、デザイナーによる顧客・社会への提供価値の最大化を図っており、現在950人のデザイナーがグローバルネットワークで活動しています。
Tangity:https://tangity.design/ja
注釈
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注1
経済産業省 高度デザイン人材育成研究会 ガイドライン及び報告書
https://www.meti.go.jp/shingikai/economy/kodo_design/20190329_report.html - 注2 リカレント教育とは、学校教育を終えたあとも、それぞれのタイミングで学び直し、仕事で求められる能力を磨き続けていくことを指します。
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注3
文部科学省 成長分野における即戦力人材輩出に向けたリカレント教育推進事業
https://www.mext.go.jp/a_menu/ikusei/manabinaoshi/mext_00005.html
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本件に関するお問い合わせ先
株式会社NTTデータ
法人コンサルティング&マーケティング事業部
角田 仁美、野口 友幸
E-mail:sed@kits.nttdata.co.jp