AIモザイクソフト「BlurOn」が日本民間放送連盟賞の技術部門で優秀賞を受賞

~日本の映像関連技術に関する主要な賞を受賞する「4冠」を達成~

トピックス

2023年9月22日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータ(以下:NTTデータ)が提供する、メディア探索サービス「MediaSearch+(メディアサーチプラス)」のシリーズである、AI自動モザイク入れ映像編集ソフトウエア「BlurOn(読み:ブラーオン)」が、日本民間放送連盟賞の技術部門において「優秀賞」を受賞しました。本賞は一般社団法人日本民間放送連盟が1953年に創設した賞で、民放の信用と権威を高めたと認められる活動に授与されるものです。
「BlurOn」はこれまでに、映像情報メディア学会の技術振興賞にて進歩開発賞(現場運用部門)、日本映画テレビ技術協会の技術開発賞、放送文化基金の放送技術部門賞を受賞しています。今回の日本民間放送連盟賞の優秀賞により、日本の優れた映像関連技術に対して贈られる主要な賞を受賞する「4冠」を達成しました。

背景

番組制作においては、個人情報保護の観点から必要に応じてモザイク処理を施します。これまで1分間の映像へモザイクを入れる作業に1時間以上かかることがあり、制作現場の大きな負担となっていました。今回受賞した「BlurOn」は、AIが自動的にモザイク対象の被写体を99%以上という高い精度で判別・動きを追尾し、モザイク入れ処理までを実行するため、編集者は最終的なチェックと微修正だけで作業を完結できる特長を備えています。
本ソフトウエアは、日本テレビ放送網株式会社(以下:日本テレビ)とNTTデータが共同開発し、2022年7月より提供を開始注1しています。社内外の番組制作・編集スタッフも含めた開発プロジェクトを立ち上げ、実番組への適用検証の結果を機能に反映するなど、現場の実態を踏まえたソフトウエアに仕上げました。1分間に1時間以上かかっていたモザイク入れ作業が最短6分で完了する(90%削減)など、既に現場での負担軽減に寄与しています。

受賞内容

日本民間放送連盟賞 技術部門 優秀賞
AIモザイク編集ソフト「BlurOn」の開発 ~働き方改革と適切な個人情報保護の実現~

受賞理由:
「AIによる高精度な被写体検出およびトラッキングをクラウド処理し、その処理結果をキーフレームとして出力させることで自由な調整や設定、加工を可能とする自動モザイク編集のプラグインソフトウエアを開発・実用化した。
これにより、適切な個人情報保護のためのモザイク処理にかかる業務負担の軽減と所要時間の短縮を実現し、ポストプロダクション注2業務の効率化に貢献した。」

「BlurOn」の特長

1.独自開発の画像認識AI技術による99%超えの検出精度を実現

独自の画像認識AI技術により、モザイク対象箇所を自動で検出し、トラッキング技術や動き推測技術を組み合わせることで、99%超の検出精度を実現しています。モザイク入れ作業まで実行できるため、手作業での修正を最小限に抑え、モザイク入れの作業時間を最大90%削減します。(日本テレビによるベンチマーク映像での検証結果)

2.「Adobe After Effects」のプラグインとして開発・実用化

AI検出処理はクラウドで実行するため「Adobe After Effects」のプラグインとして利用可能です。同ソフトウエアが動作するパソコンがあれば、新たな機器の導入は不要なため、現場にスムーズに導入できます。

3.キーフレーム出力によりモザイクに関する自由な調整や設定、加工を実現

AIの処理結果を実際にモザイクが入った映像として出力するのではなく、キーフレームとして出力します。キーフレームはモザイク処理に関する設定値を記録しているため、キーフレーム出力後でも設定値を変えることでモザイクの対象や形状、加工の種類を変更することが可能です。

4.「現場の実態を踏まえた」各種機能

番組制作・編集スタッフと連携した実番組への適用試験の意見交換を経て、制作・編集者に配慮したユーザーインターフェースや多様な事前設定、フェードイン/アウトなどの便利機能を実装しています。

利用イメージ

利用イメージ

「BlurOn」についての詳細

プロダクトページ:https://blur-on.com

今後について

今後、「BlurOn」をWeb APIやエッジAIとして提供するなど、さまざまな業界のニーズを踏まえた機能の拡充を図ります。番組制作現場にとどまらず、交通業界や小売業界をはじめとした、ドライブレコーダー、監視カメラあるいはマーケティング調査で撮影した映像のプライバシー情報を匿名化する要望にも対応していきます。
NTTデータは、画像認識AI技術を通じて、映像編集者のクリエーティブな活動を支援するだけではなく、さまざまな業界において画像認識による新たな市場創造を目指します。

受賞者のコメント

「このたびの受賞を大変嬉しく、光栄に思っています。個人情報保護の意識が高まる近年の社会において、求められるモザイク入れ作業の量も質も高まり続けています。そんな映像編集現場の働き方改革に貢献すべく開発したBlurOnは、圧倒的な検出精度と番組制作現場での実用的な機能を兼ね備えた「本当に使える」プロダクトになりました。今回の受賞を励みに、番組制作技術の効率化と質の向上によりいっそう貢献できるよう、今後もさらなる開発を進めてまいります。」

日本テレビ放送網株式会社 社長室新規事業部 杉町 夏実 氏

「BlurOnは弊社のAI技術と日本テレビの映像制作の知見をもとに、複数のポストプロダクションも巻き込みながら共同開発したプロダクトです。番組視聴者にとって全く違和感がないモザイク加工を行うために映像編集者が夜通し苦心している様子を目の当たりにして、なんとかこの作業をAIを用いて効率化して、映像編集者がよりクリエーティブな編集作業に時間を使えるようにと考え、開発してきました。その甲斐あって、BlurOnの利用ユーザーからは番組制作現場の作業が非常に楽になったという声を頂いております。また、テレビ番組で利用されている技術を活用したいと、さまざまな業界から動画の活用についてのお問い合わせを頂いております。今後も、最新テクノロジーと映像制作の知見を組み合わせて、広く社会の役に立つプロダクトを開発し続けていきます。」

NTTデータ 第一インダストリ事業本部 メディア・情報サービス事業部 中村 健一

注釈

  • 「BlurOn」は日本国内における日本テレビ放送網株式会社の商標です。
  • その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
インダストリ統括事業本部
メディア・情報サービス事業部
第1ビジネス統括部ビジネス担当
中村、堀
E-mail:rms-sales@kits.nttdata.co.jp