世界各国の金融機関を対象とした調査レポートを発表
~AIやクラウド技術の導入を含めたメインフレームからの脱却の兆し~
トピックス
2024年2月20日
株式会社NTTデータグループ
株式会社NTTデータグループ(以下、NTTデータグループ)は、グローバルバンキング調査レポート「デジタルに関する展望:メインフレームからAI駆動型のクラウドインフラへ移行する金融機関」を発表しました。この調査は、世界中の金融機関のIT部門の意思決定者650人を対象にアンケートを行いました。
調査結果では、金融機関が消費者の需要、新市場の影響を受けた抜本的成長、革新的な技術の進歩による競争圧力といった環境の中で、強固なメインフレームシステムからの脱却に向けて、AIとクラウド技術の導入を進めているという方向性を示しています。
主な調査結果
メインフレームの定着
金融機関のリーダーの89%が革新的であると自認しているにもかかわらず、63%は依然としてメインフレームシステムで業務を行っています。
生成AIの投入によるクラウド移行の拡大
金融機関の意思決定者の63%が、生成AIは間違いなく金融業務関連のアプリケーションのクラウド移行を促進すると認めています。
生成AIは経営層の支持を獲得
91%がAIとクラウドへの取り組みは経営層の支持を得ていると回答し、戦略的優先度の高さが示されています。
ナビゲーションスキルの不足
80%は生成AIを導入するための戦略的枠組みがないと回答しており、スキルアップの必要性が明らかになりました。
生成AIの実用化進む
金融機関の45%は既に生成AI技術を技術スタックに組み込んでおり、他30%は検討の初期段階にあります。
イノベーションの実現技術としてのクラウド
回答者の36%が、クラウド移行の理由として柔軟性と拡張性を挙げており、移行のメリットがコストの懸念を上回ることを示しています。
日本の金融機関におけるクラウドのハイブリッド利用傾向
日本は金融機関のクラウド化においては保守的な傾向が見られ、プライベートクラウドやオンプレミスとのハイブリッドを活用している企業が56%にのぼった(世界平均:38%)。※下図参照
金融業界で確固たる地位のあったメインフレームは、生成AIがクラウド移行戦略に組み込まれてきたことにより大きく変化しようとしています。今回の調査によると、金融機関の意思決定者の63%は、生成AIは金融業務関連のアプリケーションのクラウドへの移行を促進すると回答しており、メインフレームのレジリエンスとクラウドコンピューティングのアジリティーと交差する変革期に差しかかっていることを示しています。
また回答者の25%は、AIの進歩により、クラウドへの移行が進む傾向にあることも認めています。これは、AIによる旧来のコード再解釈の可能性とクラウド技術の拡張性を連携させることで、最新化と変革の取り組みがさらに進む兆しが表れており、長年にわたるメインフレームが限界に近づいていることを意味します。
また金融業界では生成AIの受け入れが進んでおり、既に45%の金融機関が生成AIを業務に組み込んでいることも判明しました。さらに、30%は生成AI導入の可能性を模索しており、イノベーションに向かった積極的な変化の兆しが見られます。生成AI導入の動きは、業界が確実な将来性があるサービスを積極的に取り入れていること、そして急速に変わりゆくデジタル情勢の中で組織が競争力の強化を望んでいることを表しています。
調査レポートの全文につきましては、「デジタルに関する展望:メインフレームからAI駆動型のクラウドインフラへ移行する金融機関」(原題:The Digital Horizon:Banking’s Shift from Mainframe to AI-Driven Cloud Infrastructure)をご覧ください。
- ※英語版のみ対応しております
本調査について
NTTデータグループの調査は、世界中の金融市場のさまざまなプロフェッショナルを詳細に調査し、業界の近代化およびイノベーションと変革への行程に関して、あらゆる角度からの視点を提供するものです。
回答者の構成および調査期間:
調査対象国 | 米国、英国、日本、ドイツ、スペイン、メキシコ、ブラジル |
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有効回答数 | 650 |
回答組織の範囲 | 多国籍銀行から地方の金融機関まで、年間売上高100億米ドル以上の組織 |
回答者の専門分野 | IT、業務、イノベーション、戦略など |
調査期間 | 2023年8月から9月まで |
注釈
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本件に関するお問い合わせ先
株式会社NTTデータグループ
グローバルマーケティング&コミュニケーション本部
グローバルインダストリー室
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