インシュアランス・システム・ソリューション株式会社が「insurance API PORT®」を採用

~代理店向け保険契約管理システムの保険情報のリアルタイム取得実現をサポート~

トピックス

2024年7月8日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータ(以下、NTTデータ)は、インシュアランス・システム・ソリューション株式会社(以下:ISS)に、リアルタイムでの保険契約情報の取得を可能とする「insurance API PORT®注1」の提供を2024年7月開始しました。
これにより、ISS提供の保険契約管理システム(以下、代理店システム)を利用する保険代理店では、約21万人にものぼる募集人が代理店システムから「insurance API PORT」を通じ、外貨建保険をはじめとする貯蓄型保険の時価残高情報(解約返戻金や積立金額など)をリアルタイムに情報参照することが可能となりました。保険代理店(以下、代理店)向けに提供されている代理店システムからの時価残高情報のAPI連携は、業界初の取り組みとなります。

NTTデータは、これまで「insurance API PORT」のファーストユーザーである第一フロンティア生命保険会社と緊密に連携のうえ、保険業界におけるAPI活用の拡大に向けて保険会社共同ゲートウェイ注2(以下、共同GW)のユーザー全代理店に本サービスの提供をしてきました。
今回のISSとの協業を通して、情報取得手段の拡充を図ることで利便性や即時性を高め、保険業界に一層貢献していきます。

背景・課題

保険業界では昨今、顧客本位の業務運営を目指すなかで、保険契約者に対する時価残高情報の定期発信など、アフターフォローの強化が求められています。
ISSでは、これまでも保険代理店へ代理店システム内で時価残高情報の提供を行ってきました。しかし、従来の提供形式は共同GWのファイル転送サービス(バッチ処理)による前月末時点のデータのみであったため、情報鮮度や契約者へのアフターフォローの品質などの観点において改善の余地があり、また、作業のうえでも最新データを確認するために、生保各社の代理店システムに都度遷移する必要がありました。

NTTデータではこれらの課題解決のため「insurance API PORT」を企画し、「解約返戻金照会API」を2022年5月よりサービス開始しました。今回の取り組みでは、本APIを活用しISSへ時価残高情報のリアルタイム提供を実現注3しました。代理店はISSと接続することにより、自ら選択した利用頻度の高い契約管理システムを通して最新情報の取得が可能となり、利便性がさらに向上する見込みです。

insurance API PORT概要

「insurance API PORT」は、保険業界に特化したAPI管理基盤のアウトソーシングサービスです。
現在、標準サービスとしてNTTデータと生命保険会社が共同で策定した業界共通のAPI仕様による3種類注4が提供されていますが、そのうちのひとつが「解約返戻金照会API」で、これによりAPI利用事業者は時価残高情報のデータをリアルタイムに取得できるようになります。かつ、業界標準仕様に適合させたことで、データを提供する保険会社と受領するAPI利用事業者が複数になるケースにおいても、都度の業務調整や仕様の実装などの必要がなくなることから、開発コスト・期間の省力化を期待できます。

図:標準API公開サービスイメージ

図:標準API公開サービスイメージ

効果・採択理由

ISSは、「insurance API PORT」の導入により、代理店システムにおけるリアルタイムでの時価残高情報の開示を可能にしました。これにより代理店の利便性が向上するとともに、代理店がサポートする保険契約者にとっても、必要な情報がリアルタイムで取得できるようになりました。
当初、外部サービスとのAPI連携は、API開発ノウハウの観点から自社開発でのフィージビリティーや接続先との調整期間長期化などの懸念があり、費用対効果が出にくいと想定されていました。しかし、「insurance API PORT」は業界標準機能としてすでに複数の保険会社やAPI事業者へサービス提供の実績も多数あり、また、ISSは共同GWと20年間にわたり接続をしていることから新たなインフラ構築を要さずAPI連携が可能なうえ、自社開発よりも安価かつスピーディーなAPI公開を実現します。ISSではこれらの理由により、「insurance API PORT」を採択し、代理店システムにおいて初めて外部API連携を行うこととしました。
NTTデータは、サービス提供に加え、本番リリースに向けた機能理解・操作習熟や保険会社への説明会実施など、ステークホルダーに向けたサポートも実施しています。
また、本取り組みにより各領域において、以下のメリットが想定されます。

代理店(募集人):
契約者への適切なタイミングでの情報提供など機会損失のないコミュニケーションが可能
保険会社ヘルプデスクへの照会回数削減などによる負荷の軽減
保険会社:
代理店チャネルにおけるアフターフォロー強化による契約者満足度の向上
ヘルプデスクへの問い合わせ対応にかかる運用コスト削減
保険契約者:
リアルタイムでの加入保険情報確認により、安定的な資産形成に役立てることが可能

今後について

NTTデータは、今後も「insurance API PORT」を利用するAPI利用事業者や保険会社の増加を予定しており、API活用の普及を推進することなどにより保険業界のサービス向上に貢献していきます。

注釈

  • 文中の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
第三金融事業本部
保険ITサービス事業部
グローバル&ソリューション統括部
保険ネット担当
望月、藤本
E-mail:gwreserve@kits.nttdata.co.jp