TheyDo社とのパートナーシップ契約により部門横断型の顧客体験支援を強化

トピックス

2024年7月24日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータ(以下、NTTデータ)は、顧客体験(CX)の管理・分析を円滑化するソリューション「TheyDo」を提供するオランダのTheyDo社とパートナーシップ契約を締結しました。2024年7月から「TheyDo」を活用した企業のCX向上支援を開始します。
NTTデータは、2020年に設立したデザイナー集団「Tangity®」を中心に、デザインコンサルティングによる顧客体験・ユーザー体験のデザインからテクノロジーを活用した実装までを支援してきました。今回の協業により、TangityはCXの戦略立案から実行までの業務に「TheyDo」を取り入れ、部門ごとに個別に管理されているカスタマージャーニー注1を部門横断的に一元化し、お客さま企業とともに高品質な顧客体験の設計と迅速な実行を進めます。なお、本取り組みはNTTデータが提供する「デジタルサクセス®」CXイノベーションサービスの一環であり、今回の提携により、企業の各部門がより円滑に連携し、一元化されたCXプラットフォームの構築や、顧客体験の管理・分析を実現できるようになります。

背景

昨今、多くの企業が顧客体験(CX)の重要性を認識しています。一方で、企業が顧客体験の全貌を把握しきれていないケースが多くあります。主因の一つが顧客体験と企業・組織構造の不一致です。同一顧客が体験する「商品やサービスの認知」「購買」「アフターサービス」を企業では別プロセスと捉え、マーケティング部、商品部、アプリ開発部、カスタマーサポート部などがそれぞれ対応し、各部の視点で業務を改善しています。企業が提供する価値を高めていくためには、部門間の縦割りを解消し、分断された体験を統合してシームレスな顧客体験を実現することが重要です。

顧客体験の管理や分析に一般に用いられるカスタマージャーニーの精度向上と運用負荷にも課題があります。さまざまな部署・組織の単位で実施しているプロジェクトを横断しながら、さらに継続的に各所の情報を収集・共有しながらアップデートすることが重要になりますが、組織をまたいだデータ管理や運用は煩雑になりがちです。顧客に寄り添うCX変革には、データドリブンのアプローチとAIを駆使した顧客への最適なサービス提供が重要となります。

提携概要

NTTデータのサービスデザイン集団「Tangity」は、「We humanize complexity.(複雑化する社会を人に寄り添いより豊かにする)」をミッションに掲げ、デザインコンサルティングによる顧客体験のデザインから、テクノロジーを活用した実装まで幅広く支援してきました。
TheyDo社は、「The Platform for Customer-Centric Collaboration(顧客中心の共創型プラットフォーム)」というコンセプトのもと、顧客体験の管理・分析を円滑化するWebツール「TheyDo」を提供しています。顧客体験の向上に貢献する施策の企画、実施、評価、改善を一貫して管理するためのワークスペースを提供し、AIによるデータ分析機能や、情報管理、分析ツールを活用することで、ジャーニーマネジメントを効率化、円滑化することが可能です。
TangityはTheyDo社の掲げるコンセプトを軸とした取り組みがCXのさらなる向上につながると考え、今回のパートナーシップ契約に至りました。Tangityが「TheyDo」を活用することで、共創型・部門横断型でシームレスな顧客体験改善を実現し、ユーザー体験の向上とビジネス変革の推進が可能になります。

図1:顧客体験を統合する「TheyDo」のカスタマージャーニーのイメージ

図1:顧客体験を統合する「TheyDo」のカスタマージャーニーのイメージ

提携の主なポイント

「TheyDo」のソリューションとTangityのデザインコンサルティング力を掛け合わせることで、お客さま企業はより効率的に顧客中心の戦略を策定・実行できるようになります。提携によりTangityは主に次の点でお客さま企業への支援を強化していきます。

1.部門横断型の統合されたジャーニーマネジメントの実現

部門間で相互接続されたジャーニーマップを作成・管理できます。部門をまたいだ全体の顧客体験管理が容易になり、部門のサイロを超えた顧客中心の業務変革を推進し、CXを改善・向上する仕組みを構築しやすくなります。

2.顧客インサイトの強化

「TheyDo」の「ジャーニーマネジメント機能」を活用することで、顧客インサイト(顧客の潜在的な欲求と課題)をより深く、早く把握し、それをもとに戦略的なサービスデザインを立案できるようになります。「TheyDo」のジャーニーAI機能を活用すれば、顧客へのインタビュー記録(テキスト)から要点を抽出してジャーニーマップに落とし込み、顧客インサイトを見つける時間を短縮します。

3.CX管理のプロセス改善

「TheyDo」の活用により、ビジネス指標と顧客のジャーニーを結びつけ、企業視点に寄らない「顧客視点」での課題・ニーズ把握が可能になります。また、顧客や従業員のジャーニーマップの作成、編集、共有が容易になり、部門を超えた連携を促進し、施策の立案、検討、実行を円滑に進めることができます。こうしたジャーニードリブンな顧客体験管理により、迅速な分析と意思決定、サービスの継続的な改善が実現し、顧客満足度の向上に寄与します。

エンドースメント

Tangityと提携し、ジャーニーマネジメントを通して、顧客重視の組織をより素晴らしい顧客体験へ導くサポートができることを喜んでいます。TheyDoの先進的なジャーニーマネジメントツールをTangityのデザインコンサルティング能力と統合することで、企業はジャーニー中心の運営モデルを開発し、実行することができます。この戦略的なパートナーシップがどこへ進展するかを楽しみにしています。

TheyDo社
Co-Founder & CEO
Jochem van der Veer 氏

今後について

NTTデータはTheyDo社との協力をさらに深め、Tangityでの「TheyDo」習熟者の育成および両社の専門知識と技術力を結集し、お客さま企業に対してCXの課題を解決するための包括的なサポートを行います。さらにTheyDo社と協力して、コンサルティングや、定期的なセミナー、ワークショップを開催し、ツールの効果的な使い方やベストプラクティスを共有します。こうした活動を通して、クライアント企業との信頼関係をさらに深め、より良い体験価値を共創していきます。

NTTデータはカスタマージャーニーマネジメントを活用し、すべての企業が全社的な視点で顧客体験向上に取り組む世界の実現を目指します。

TheyDo社について

TheyDoは2019年に設立されたジャーニーマネジメントプラットフォームのリーディングカンパニーです。TheyDoのトリプルダイヤモンドフレームワークとプラットフォームを利用することで複雑なジャーニーを管理や最適化が可能になるため、組織が常に変革を求めなくとも効率的に成長できるようになります。TheyDoはCiscoやFord、Johnson & Johnson、Home Depot、Polestarなど世界的なブランドの信頼を得ています。詳細はWebサイト(英語)をご確認ください。

参考:「デジタルサクセス」CXイノベーションサービスと本提携の位置付け

NTTデータは、顧客のあるべき体験のデザイン、顧客タッチポイントの設計に加えて、それを実現するAI・データドリブンオペレーションおよびデータ活用基盤を総合的に提供する「デジタルサクセス®」CXイノベーションを提供しています。
「デジタルサクセス」CXイノベーションはデータ活用を起点に企業のビジネス変革を支援してきた「デジタルサクセス」に、デザイン(Tangity)、顧客接点(Salesforce)の強みを融合することで、顧客を起点としたデジタルサービス/ビジネスモデル創出や、社内業務/バリューチェーンの変革、顧客接点の強化を通じて、顧客体験価値とビジネス効果創出を支援するサービスです。
「TheyDo」の導入・活用により、CXマネージメント全体にわたって効率化、円滑化が可能になります。特に顧客体験のデザイン、顧客体験・成功の可視化/測定の領域で効果を見込んでいます。

図2:CXマネージメントの全体イメージと特に「TheyDo」の効果が見込まれる領域

図2:CXマネージメントの全体イメージと特に「TheyDo」の効果が見込まれる領域

注釈

  • 注1 カスタマージャーニー:顧客を想定したペルソナの行動や思考、感情を時系列にまとめ、購入や契約、利用、継続するまでのユーザー体験の道のりを可視化したもの。
  • 「Tangity」は日本国内および各国における株式会社NTTデータの登録商標または商標です。
  • 「デジタルサクセス」は日本国内における株式会社NTTデータの登録商標です。
  • その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
テクノロジーコンサルティング事業本部
デジタルサクセスコンサルティング事業部
永井、岡部、小林
E-mail:fxdesign@kits.nttdata.co.jp