次世代金融システム構築に向けたIOWN技術の適用ユースケース発表

~超高速・低遅延・低消費電力のIOWN技術で既存システムを分散・クラウド対応する具体策~

トピックス

2024年8月19日

株式会社三菱UFJ銀行
株式会社NTTデータグループ

株式会社三菱UFJ銀行(取締役頭取執行役員 半沢 淳一、以下三菱UFJ銀行)、株式会社NTTデータグループ(代表取締役社長 佐々木 裕、以下 NTTデータグループ)は、次世代の金融システム構築に向けIOWN注1技術のユースケースの検討をリードしており、今般、IOWN Global Forum注2を通じてホワイトペーパー「Services Infrastructure for Financial Industry Use Case」(https://iowngf.org/use-cases/)の発表に至りました。両社は引き続き、より強靭な次世代金融システム構築をめざし、IOWN適用の可能性を検証してまいります。

三菱UFJ銀行は、2021年10月IOWN Global Forumに参画し、2023年10月、NTTデータグループと共同で金融システムへのIOWN適用を検討するチームを立ち上げ、早期ユースケースの立案に向けた活動をおこなってきました。
お客さまへの安定的な金融サービスの提供には、金融システムの高い信頼性、耐災害性、高度な性能やセキュリティが重要であり、地理的に分散されたサーバーによって、システム全体のレジリエンスを保つことが一つの方策として期待されています。
三菱UFJ銀行、およびNTTデータグループは、検討チームを通じ、金融業界に共通したICTシステム上の課題や要求事項を整理し、IOWN技術適用による解決のアプローチと妥当性の検討結果をホワイトペーパーにまとめました。

ホワイトペーパーは、金融業界が直面するデジタルトランスフォーメーションの課題解決に資するIOWN技術の活用策をテーマに、IOWN技術を使ったマルチデータセンターの設計や概念実証モデルの開発に関する検討結果を説明しています。

記載内容(一部)

  • 分散化したデータセンターの配置や遠隔地におけるデータセンターの即時同期によって、災害時のデータ保護や迅速な復旧を実現するための具体的な手順
  • 金融業界として最新の技術を導入する際の評価基準や導入プロセスの道筋
  • これからの金融機関が必要とする高い計算能力、サービスの柔軟性、安全性を実現するためのIOWN技術の活用方法
  • 金融機関の競争力を維持し、顧客ごとに個別化されたオーダーメイドの顧客体験の提供をめざす上で必要となる、異なる業界とのコラボレーションや既存のレガシーシステムを維持しながら、金融機関に新しい技術を導入する方法

三菱UFJ銀行とNTTデータグループは、今後も金融システムにおけるIOWN特徴を活かしたユースケースの検討を進めることで、通信をはじめとした産業発展に寄与し、豊かで調和の取れた社会の実現に向けて貢献してまいります。

注釈

  • 注1 IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)構想は、あらゆる情報を基に個と全体との最適化を図り、多様性を受容できる豊かな社会を創るため、光を中心とした革新的技術を活用し、これまでのインフラの限界を超えた高速大容量通信ならびに膨大な計算リソースなどを提供可能とする(端末を含む)ネットワーク・情報処理基盤の構想です。
  • 注2 IOWN Global Forumとは、異業種のデータ、活動、人々が一体となったスマートな世界を実現することで、人と社会が自分と環境にシームレスに合わせた高度な技術から恩恵を受ける、完全に接続されたインテリジェントな社会の実現を目指すコンソーシアムです。次世代フォトニクス基盤技術などの最先端技術により、低消費電力、超広帯域、大規模シミュレーション、超臨場感UI/UXなどの高度な機能を提供できる「革新的光・無線ネットワーク(IOWN)」の実現に取り組んでいます。フォトニクスの研究開発、分散コネクテッド・コンピューティング、ユースケースとベストプラクティスなどの分野における新技術、フレームワーク、仕様、リファレンスデザインの開発を通じて、将来のデータとコンピューティングの要求を満たす新しい通信インフラのイノベーションと導入を加速することを目的としています。三菱UFJ銀行およびNTTデータグループが参画する当コンソーシアムには、2024年8月現在において140を超える世界中の企業・研究機関・自治体などが加盟しています。

本件に関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータグループ
技術革新統括本部
Innovation技術部
IOWN推進室
三浦、梅森
E-mail:iown@kits.nttdata.co.jp