生成AIを活用した見込み顧客向けパーソナライズド・レコメンドの実証実験を実施

背景

生成AIの進歩と普及が爆発的に進んでいる昨今、ビジネスシーンにおいてとりわけ働き方は大きな変革期を迎えています。保険会社も顧客との重要な接点となる営業活動において、生成AIの活用に大きな効果を期待しています。一方で、営業領域での有用性を検証するための前例はまだ少ないのが実情です。
そこでNTTデータは住友生命とともに、顧客満足度・企業価値の向上を目指し、生成AIの営業活動への効果を具体的に検証するとともに、その実践的な方法を明らかにする実証実験を実施しました。

概要

本実証実験の概要は以下の通りです。
デジタル従業員は最新のAI技術を活用し、従業員と会話しながら、業務の目的に応じて多様なツールから最適なものを選択し、従業員の代わりに業務を自動的に実行できるソリューションです。“従業員の意図を理解した”作業支援、複数システムに関連する一連の作業の自動化を行えることをコンセプトとしています。

図：本構想の実施フロー

実証実験の成果

今回の実証実験で得られた成果は以下の通りです。

住友生命職員が固定文案を作成する際と比べて同等の時間でパーソナライズメールを作成・送付出来ていることから、お客様ひとりひとりに合わせたメール作成を検討する場合には、デジタル従業員の活用が有効と確認しました。デジタル従業員による健診データ及び嗜好性データをもとにしたメールのパーソナライズの可否、生成されたメールの受容度合い、メール作成から送付までの業務の実現性についても一定の効果が確認できました。
一方で「パーソナライズする際のモニターに対するフィッティング精度」や「文章表現の自然さ」にはまだ改善の余地があり、今回検証においては固定メールに対して訴求力が劣るという課題も検出しました。実証実験及びアンケートにより確認できた有効な固定文言とパーソナライズ文を組み合わせることで商品の魅力を論理的かつ感情的に伝えるメールを作成するアプローチや、モニターが魅力的に感じたキーフレーズを使用するようにプロンプトをチューニングするアプローチなどにより、さらなる品質向上が可能と考えられます。

今後について

NTTデータは住友生命とともに実施した本実証実験を皮切りに、今後もより効果的な生成AIの活用方法の検討を進め、顧客体験の向上に寄与できるよう実用化に向けて取り組んでいきます。