中小企業の課題解決に向けた「補助金支援サービス」を金融機関へ提供開始

~企業データを基に補助金要件との適合性を自動分析、中小企業の資金調達機会を増やす~

トピックス

2024年9月20日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータ(以下、NTTデータ)は、2024年9月17日より金融機関向けサービスである「補助金支援サービス - Subsidy Partner - ™ (読み:サブサディ パートナー、以下:補助金支援サービス)」の提供を開始しました。
補助金支援サービスは、金融機関が保持する企業データ(以下、企業データ)に基づき補助金要件との適合性を自動分析することで、金融機関による顧客企業への最適な補助金の提案や補助金活用に向けて改善すべき観点の可視化を効率的に実現するオンラインサービスです。金融機関の担当者が企業への補助金提案時に利用する「営業支援ツール」と、金融機関が運営するポータルサイトと連携し企業が利用する「ポータル連携サービス」の2つの機能を提供します。
2023年から島田掛川信用金庫と実施した「営業支援ツール」の実証実験では、従来の補助金提案の準備にかかっていた業務時間が当該機能の活用により約50%短縮しました。
2024年9月現在、2金融機関が「営業支援ツール」の利用を開始しています(島田掛川信用金庫、アイオー信用金庫)。
NTTデータは、中小企業を積極的に支援する金融機関を対象としたオンラインサービス提供内容を今後も拡充することで、中小企業の課題解決ならびに地域経済の活性化に貢献していきます。

背景

日本経済の基盤を支えている中小企業が直面している経営課題の1つが「資金調達」です。事業拡大や新規事業立ち上げ、経営安定化などに必要となる資金を、中小企業にとって最適なタイミング・最適な手段で調達することは、中小企業の活性化および地域経済の持続的な発展につながります。

中小企業を支援する金融機関においては、顧客である中小企業に対して補助金活用や融資などの資金調達手段をタイムリーに提案することで、顧客満足度の向上や融資・手数料などの収益増加が期待できます。
一方で、中小企業を積極的に支援する金融機関は補助金に関する情報提供や申請支援などを実施しているものの、補助金・助成金の制度数が多く、また補助金要件の理解などの専門性知識が求められるため担当者の経験やスキルが必要となり人的負担が発生していました。

NTTデータは、企業データに基づく補助金要件との適合性を自動的に分析することで担当者の作業効率化を図り、補助金支援業務量が増加しても対応要員が増加しない仕組みを実現するために、2023年より島田掛川信用金庫の協力のもと、補助金支援サービスの技術検証と、実用化に向けた検討を進めてきました。技術検証では、従来の補助金提案の準備にかかっていた業務時間が補助金支援サービスの「営業支援ツール」機能を活用することで約50%短縮しました。

本サービスの提供範囲

補助金支援サービスは、銀行や信用金庫などの金融機関を対象とした補助金支援業務に特化したオンラインサービスです。金融機関の担当者が企業への補助金提案時に利用する「営業支援ツール」と、金融機関が運営するポータルサイトなどと連携し企業が利用する「ポータル連携サービス」の2つのサービスを準備しており、利用者の課題や利用シーンに合わせて自由に選択することができます。

(1)営業支援ツール

金融機関の担当者が企業に対して補助金活用の提案をする際の営業支援機能です。
企業データと補助金要件を掛け合わせることにより、金融機関が推進したい補助金(以下、推進補助金注1)にマッチした顧客リストを作成し、補助金利用意向が高いと想定される企業に対して優先的に補助金提案を行うことを実現します。
金融機関から企業への提案にあたっては、補助金の必須項目、加点項目ごとの適合状況を可視化することで、今後の補助金申請に向けて改善すべき観点も分かりやすく説明することが可能です。さらに、推進補助金以外の補助金についても、官庁や47都道府県・市区町村の多様な補助金をその場で検索注2し、情報提供していくことで、提案対象の企業とのリレーション強化にも寄与します。さらに、多様な補助金・助成金の申請支援に向けて、外部コンサルタント(認定支援機関・士業)注2につなぐことも可能です。

(2)ポータル連携サービス

金融機関が運営するポータルサイトと連携注3することで、企業が直接利用することができるポータル連携機能です。
法人ポータル経由で企業が多様な補助金の検索注2、補助金要件との適合性シミュレーションおよび金融機関に対する補助金申請支援の申し込みを行うことが可能です。金融機関職員は、企業からの補助金申請支援の申し込みを契機に、補助金利用意向のある企業へアプローチすることにより、効果的・効率的に補助金提案を推進できます。また、多様な補助金・助成金の申請支援に向けて、外部コンサルタント(認定支援機関・士業)注2につなぐことも可能です。

金融機関へのサービス提供開始

2024年9月17日より、島田掛川信用金庫およびアイオー信用金庫への補助金支援サービスの「営業支援ツール」機能提供を開始しました。今後も、銀行や信用金庫などの金融機関に対する補助金支援サービス提供を推進していきます。

今後の展開について

NTTデータは、金融機関担当者による中小企業への補助金活用提案の推進や、金融機関が運営するポータルサイトと連携した本サービス経由での中小企業への有益な補助金等の支援情報提供などについて金融機関と検討してくとともに、企業データを活用したデータドリブン型中小企業支援のサービス提供領域を拡大させる予定です。
今後は、補助金申請や事業実績報告に関する関連機能の拡充や、ビジネスマッチング・経営相談などの新サービスの提供を積極的に推進していきます。これらの取り組みを通じて、中小企業の活性化ならびに地域経済の持続的な発展という社会課題解決への貢献を目指します。

注釈

  • 注1 適合性分析対象となる推進補助金は、全国・全業種で利用可能な主要補助金をNTTデータにて事前に設定しています。
  • 注2 官庁や47都道府県・市区町村の多様な補助金の検索機能の提供や補助金申請支援に係る外部コンサルタント(認定支援機関・士業)のご紹介については、株式会社Stayway(https://stayway.co.jp/)と協業して本サービスとして提供します。
  • 注3 今後、NTTデータが提供する法人・個人事業主向け総合サービスチャネル提供プラットフォーム「BizSOL_Square®」などとの連携を構想しています。
  • 「補助金支援サービス - Subsidy Partner - 」は日本国内における株式会社NTTデータの登録商標として出願中です。
  • 「BizSOL_Square」は日本国内における株式会社NTTデータの登録商標です。
  • その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
第一公共事業本部
パブリックサービスデザイン事業部
企画統括部
営業担当
武田、古畑、平山
TEL:050-5546-2687