生成AI活用により東京ガスのマーケティング領域のDXを推進

トピックス

2024年10月10日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータ(以下、NTTデータ)は、生成AIを活用して、東京ガス株式会社(以下、東京ガス)のマーケティング領域のDXを、東京ガスと連携して推進しました。両社の連携により、将来構想ビジョン策定からマーケティング施策用アプリの開発までを一気通貫で実施し、2024年10月から実業務で本アプリの利用を開始しました。
NTTデータと東京ガスは、マーケティング領域において「デザイン×生成AI×データ活用」をテーマに共同研究開発を行ってきました。生成AIの適用対象を限定せず、サービスデザイン注1を用いてマーケティング業務全体を整理しビジョンを策定しました。本アプリは、商材に応じたターゲット設定やマーケティング施策案を実業務で利用可能なレベルで出力することで、担当者のアイデア創出を支援し、より精度の高いマーケティング活動を実現します。
今後も生成AIアプリケーション開発を進め、他の事業領域でも生成AIを活用し、東京ガスとともにさらなるDXを推進します。

背景

昨今、生成AIを活用して業務の効率化や底上げを図る取り組みが広がっています。東京ガスにおいても、テクノロジーの進化や顧客接点の多様化に伴いお客さまひとりひとりに最適なコミュニケーションが求められており、さまざまなターゲティングに合わせた複雑な施策設計が必要となるためマーケティング業務の量が増えている状況でした。このような設計作業を効率化し、可能な限りお客さまひとりひとりに合わせたコミュニケーションPDCAに注力したいと考えられていました。
DXを進めるにあたり、生成AIの活用が進む中、東京ガスは、単なる業務効率化に留まらない業務変革や新しい価値創造までをめざした高度な活用を期待しています。特に本プロジェクトは、「デザイン×生成AI×データ活用」をテーマとした共同研究開発の位置づけであり、生成AIを取り入れた業務全体ビジョンの検討や、さまざまな先行事例の知見が求められていました。
NTTデータでは、2016年から東京ガスにおけるデータ活用業務の支援を行い、業務理解を深めてきました。さらに、生成AI等の先端技術の実績を積み重ねた、サービスデザインの専門家チームも有しています。今回の東京ガスの目指す生成AIの業務活用検討に向けて最適なノウハウ・アセットを当社が有しているため、本プロジェクトの実行に至りました。

取り組み概要

NTTデータと東京ガスは、生成AI適用によるマーケティング業務のさらなるDXに向けてサービスデザインを活用し、東京ガスのマーケティング担当者とともに、まずは生成AIの適用対象を限定せず、既存業務全体の整理から実施しました。さらに、生成AIを活用することで効果が期待できる部分の特定とその活用手段の検討を行い、業務全体としての将来構想ビジョン策定から、マーケティング施策用アプリの開発までを一気通貫で行いました。2024年10月から本アプリを東京ガスにおける実業務での利用を開始します。

図1:検討の流れ

図1:検討の流れ

図2:策定した将来構想ビジョン

図2:策定した将来構想ビジョン

生成AIを活用したマーケティング施策支援アプリ

業務部門のニーズや適用効果の観点から、まずは「マーケティング施策用アプリ」を開発しました。対象業務は、顧客候補として想定されるターゲットの設定、ターゲットが具体的にどのような属性で、日々どのような行動をしているか仮説を立てるペルソナ・カスタマージャーニー設定、仮説を立てたターゲットに対して具体的にどのようなマーケティング施策が効果的か検討する施策立案です。本アプリへ対象の商材等の基礎情報を入力すると、ターゲット設定からマーケティング施策案の提示までマーケティング担当者の業務を支援出力することが可能です。
本アプリは、検証工程にてプロトタイプの開発と改善を東京ガスと連携し実施することで、実業務へ適用が可能な水準で上記の出力を実現しています。これにより、担当者のアイデア創出を支援し、より精度の高いマーケティング活動を可能にします。また、NTTデータのデザインチーム「Tangity®」の知見を活用し、営業・マーケティング担当者などユーザーにとっての使いやすさを可視化する評価基準を策定し、検証を繰り返すことで、営業・マーケティング担当者の視点から見た、生成AIアプリの操作方法や効果がわかりやすく伝わるUI/UXを実現しています。

図3:「マーケティング施策用アプリ」の画面イメージ

図3:「マーケティング施策用アプリ」の画面イメージ

今後について

今回開発した「マーケティング施策用アプリ」は、生成AI活用による顧客中心のマーケティングへシフトし、お客さまひとりひとりに合わせた最適で良質なコミュニケーションの生産性向上を目指しています。またDX推進に向けて策定した将来構想ビジョンにおける1stステップとなります。今後も、将来構想ビジョンの実現に向けた機能改善や機能追加、利用シーンの拡大を進めていきます。他の事業領域でも生成AIを活用し、東京ガスとともにさらなるDX推進をめざします。
また、NTTデータでは、さまざまな生成AI関連の取り組みを推進しています。今後も、「デザインと組み合わせた生成AI活用」や「AIエージェント間でのコミュニケーション」など幅広いテーマに取り組んでいきます。

注釈

  • 注1 サービスデザインとは商品・サービスを利用する人の視点に立ち、商品・サービスを使用したときに得られる体験をより良いものへと設計する活動
  • 「Tangity」は日本国内および各国における株式会社NTTデータの登録商標または商標です。
  • その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
テクノロジーコンサルティング事業本部
デジタルサクセスコンサルティング事業部
山野、山口、大和田