国内初の共同利用型BaaS基盤「BeSTA-BaaS」提供開始
~山陰合同銀行のデジタル専用ブランド「DanDanBANK」への適用決定~
トピックス
2024年10月17日
株式会社NTTデータ
株式会社NTTデータ(代表取締役社長:佐々木裕、以下:NTTデータ)は、国内初の共同利用型BaaS基盤「BeSTA-BaaS」の提供を2024年10月より開始します。
本BaaS基盤は、勘定系アプリケーション「BeSTA®」注1の機能拡張と、柔軟なAPI基盤に加え、ホワイトラベル方式提供により、柔軟にデザイン変更可能なバンキングアプリ「My Pallete®」注2を組み合わせたものです。NTTデータが提供する共同利用型勘定系システムを利用する金融機関向けにデジタル専用ブランドの提供を可能とするだけでなく、非金融業との連携によるデジタルバンク関連のサービス提供も可能とします。複数金融機関向け共同利用型のBaaS基盤提供は国内で初の事例です。既に地銀共同センター注3において、山陰合同銀行がデジタル専用ブランドとして提供する「DanDanBANK」注4への適用が決定しています。「DanDanBANK」においては、本BaaS基盤提供だけでなく、新ブランドのサービスデザインも含め、上流検討から構築までの支援を一気通貫(End2End)で実施しました。
NTTデータは「統合バンキングクラウド」注5による安心・安全・安価に永続的なバンキングサービス提供を可能とするだけでなく、地域金融機関のデジタルビジネス拡大に向け、今後も本BaaS基盤の利用拡大を目指します。
背景
近年、エンドユーザーの価値観が多様化し、その変化が大きく加速していく中、金融機関はデジタルシフトへの対応が強く求められています。また、金融機関自身のデジタル化に加えて、銀行代理業等のライセンスを活用したBaaS(Banking as a Service)注6による非金融業の金融業参入等が加速しており、バンキングシステムに金融機関に必須となる安心・安全を高い水準で保った上で、様々な形態の俊敏性・柔軟性の向上が必要となっています。
NTTデータは、これらの環境変化を見据え、2020年に「Open Service Architecture®」注7を策定し、デジタル時代に求められる新しい金融ITの姿を具体化した標準アーキテクチャーを整理しました。今回はこの構想に基づいた新しいサービスとして、2024年10月より「BeSTA-BaaS」の提供を開始します。本BaaS基盤の利用により、NTTデータが提供する共同利用型勘定系システムを利用する金融機関はデジタル専用ブランドの提供が可能となります。また、銀行代理業ライセンスを活用する非金融業のプレイヤーと連携した形でのデジタルバンクサービスも提供可能となります。
概要
本BaaS基盤は、Open Service Architecture®のコンセプトに基づき、複数のプロダクト群が有機的に連携することで実現されています。本BaaS基盤の概要は以下の通りです。
パラメータの変更により新商品追加が可能な勘定系パッケージ「BeSTA®」のアーキテクチャーを活かして、既存商品とデジタルバンク側の商品性を分けた形で容易にスピーディーに提供することが可能です。また、デジタル専用支店で発生するバックオフィス事務についても、柔軟なAPI基盤を活用することで、デジタル専用支店に合わせたワークフローを容易に構築可能です。これにより、新規ブランド開設による事務負担を大幅に軽減します。
デジタルバンクに関するエンドユーザー体験の上で一番重要なバンキングアプリについては、ホワイトラベルバンキングアプリである「My Pallete®」を活用することで、新たなデジタルブランドや流通業、通信業等の非金融業の相手先ブランドの世界観に合わせた独自UI/UXを採用したオリジナルバンキングアプリを提供することが可能です。
特長
本BaaS基盤の特長は以下の通りです。本BaaS基盤の活用により、地域金融機関はデジタル領域において、以下の2つのビジネスモデルの実現が可能となります。
(1)地域金融機関自らが運営するデジタルブランドの提供
- 地域金融機関が自行口座の一部を店舗レス、カードレスのスマホネイティブなデジタルブランドとして提供することが可能となります。これにより、デジタルによる新たな顧客の獲得が可能となります。
- そこのスキームを活用して、山陰合同銀行がデジタル専用ブランドとして提供する「DanDanBank」への適用が決定しています。NTTデータは、山陰合同銀行のデジタル推進・変革を通じ、新しい地域社会の構築に向けた『デジタル推進パートナー』として取り組んでいます。本件は『デジタル推進パートナー』の一環として、本BaaS基盤提供だけでなく、新ブランドのサービスデザインも含め、上流検討から構築までの支援を一気通貫(End2End)で実施しました。
(2)非金融業×地域金融機関の連携によるデジタルバンク関連のサービス提供
- 地域金融機関が自行口座の一部をBaaS(Banking as a Service)の形態で他者に提供することが可能となります。
- 非金融業のプレイヤーは銀行代理業のライセンスを活用し、地域金融機関の専用口座を活用したデジタルバンク関連のサービスを自社ブランドで提供することが可能となります。これにより、非金融業の顧客/会員にとってメリットのある新たなデジタル金融サービスの創出が可能となります。
今後について
NTTデータは、本BaaS基盤適用の拡大による地域金融機関のデジタルブランド設立や地域金融機関との協業による非金融業の金融業参入等のデジタル金融サービスの拡大について積極的に支援します。
加えて、既に発表済の「統合バンキングクラウド」も含めて、日本最大のバンキング専用クラウドとしての量的な側面での拡大と発展に加え、本BaaS基盤活用によるデジタルの側面での質的深化も図ります。
さらに、NTTデータが推進する「Open Service Architecture®(OSA)」のコンセプトに基づき、統合バンキングクラウド等の共通インフラ領域とアプリやAPI活用等の戦略領域の「両利きの経営」で、金融機関の新たな顧客体験を目指したDX対応力向上の推進に貢献していきます。
注釈
- 注1 「BeSTA」(Banking application engine for STandard Architecture)は、ベンダーを特定しないNTTデータの標準バンキング・アプリケーションです。
- 注2 「My Pallete」は、ホワイトラベル型で提供されるNTTデータのバンキング・スマートフォンアプリです。
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注3
「地銀共同センター」は、NTTデータが構築・運営する、地方銀行・第二地方銀行向け基幹系共同センターです。
参加行は以下のとおりです。(利用開始および銀行コード順)
京都銀行、千葉興業銀行、岩手銀行、池田泉州銀行、愛知銀行、福井銀行、青森銀行、秋田銀行、四国銀行、鳥取銀行、西日本シティ銀行、大分銀行、山陰合同銀行 -
注4
「DanDanBANK」は山陰合同銀行が提供する、スマートフォンひとつでどこからでも便利に安心に使える新しいデジタルブランドとなります。
https://www.gogin.co.jp/comingsoon/ -
注5
NTTデータ 2022年11月18日サービスインフォメーション「国内初の共同利用型勘定系システム向け「統合バンキングクラウド」を検討開始
~バンキング専用国産クラウドで安心・安全・安価に永続的なサービス提供を目指す~」を参照
https://www.nttdata.com/global/ja/news/services_info/2022/111800/ - 注6 BaaS(Banking as a Service)とは、銀行が提供する機能やサービスを「クラウドサービス」として提供することで、銀行以外の事業者が自社のサービスにさまざまな金融機能やサービスを提供することを可能にします。
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注7
NTTデータ 2020年10月7日サービスインフォメーション「ニューノーマル時代に対応した新しい「金融ITオープン戦略」を発表~「Open Service Architecture™」により、国内最大のAPIエコシステムを整備し、金融ITのオープンイノベーションを実現~」を参照
https://www.nttdata.com/global/ja/news/services_info/2020/100700/
- 「BeSTA」、「Open Service Architecture」「My Pallete」は日本国内における株式会社NTTデータの登録商標です。
- その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。
本件に関するお問い合わせ先
製品・サービスに関するお問い合わせ先
株式会社NTTデータ
第二金融事業本部
営業企画推進部
青柳、十時、井上
TEL:050-5546-7900
株式会社NTTデータ
第三金融事業本部
eビジネス事業部
今井、相場、関
TEL:050-5546-8354