モビリティサービスを支えるデータスペース「Japan Mobility Data Space」の検索機能と分析・シミュレーション機能の提供を開始

トピックス

2024年12月5日

株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータ(以下:NTTデータ)は、2023年度から内閣府が実施する「戦略的イノベーション創造プログラム注1(SIP:エスアイピー)第3期/スマートモビリティプラットフォームの構築」の取り組みにおいて、中核となるデータを活用する人とサービスをつなぐための仕組み「Japan Mobility Data Space」注2(以下:JMDS)を構築し、2024年12月5日より、JMDSに登録されているデータカタログ全体を横断的に検索できる「統合データカタログサービス」(β版)の一般公開および、サイバー空間で分析やシミュレーションができる「デジタルサンドボックス」機能を限定公開(会員登録が必要)しました。
JMDSは2024年5月よりテストベッド(プロトタイプ版)として一部企業・団体向けに「統合データカタログサービス」と「データ格納サービス」の限定公開を開始しました。このテストベッドに対する利用者からのフィードバックを受けて、「統合データカタログサービス」の改良と「デジタルサンドボックス」機能を追加しました。
NTTデータは今後、企業、団体等への呼びかけや、プロモーションを行いJMDSの認知を拡大し、理解と利用促進を目指します。さらに社会実装に向けて、データ活用から実装にかかるコミュニティー形成をサポートする機能も含め、JMDSの機能拡張とサービスの改善に努めてまいります。

背景

NTTデータは、内閣府総合科学技術・イノベーション会議の「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP:エスアイピー)第3期/スマートモビリティプラットフォームの構築」(研究推進法人:国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下:NEDO))の公募に採択されました。
本研究開発では、社会課題の解決やSociety 5.0の実現に資するようなモビリティサービスの創造を目指します。NTTデータが担うテーマは「人と情報をつなげるJapan Mobility Dataspaceによるスマートモビリティ社会の実現」です。地域やエリア、プラットフォームごとに分散管理されたデータを連携させ、データのみならずデータを活用する人とサービスをつなぐための仕組みとして、分散連邦型データ連携基盤「Japan Mobility Data Space」(JMDS)を中核とする4つの研究開発項目に関する研究開発を進めています。注3

JMDSは、モビリティ分野を中心に地域やエリア、プラットフォームごとに分散管理されたデータを連携させ、サービス開発に必要となるデータの取得、検証環境の提供やサービス事例・ノウハウの横展開が可能となる仕組みとして、データ・ツール・サービス・人をつなぎモビリティディバイドない社会を実現し、一気通貫でサービス創出まで行うことが出来るプラットフォームを目指します。
2024年5月22日よりJMDSに登録されているデータカタログ全体を横断的に検索できる「統合データカタログサービス」および自社でデータの保有ができない、保有するデータを提供する環境がないデータホルダーに対し、第三者へのデータ提供を可能とする「データ格納サービス」を有するテストベッドを一部向けに限定公開し、登録データのワンストップ検索が可能であることを確認しました。またJMDSの取り組みを発信し、認知拡大を目的としたHPを公開しました。
このたび、2024年12月5日に統合データカタログサービス(β版)の一般公開と、サイバー空間でデータ分析やシミュレーションが行える「デジタルサンドボックス」の機能を限定公開します。

概要

統合データカタログサービス(β版)

統合データカタログサービスは、JMDSに登録されているデータカタログ全体を横断的に検索できるサービスです。通常のキーワード検索に加え、生成AIによる壁打ち機能も利用可能です。壁打ち機能では、実現したいことを投げかけることで、実現に必要なプロセスやアセットを提案します。新たにモビリティサービスやソリューションを立ち上げたい事業者や、モビリティサービスを導入したい自治体職員などが活用できる機能です。壁打ち機能は2024年5月の限定公開の利用者からのフィードバックから改善された機能となります。
データ提供者は保有データをカタログに登録することで、通常の営業活動では出会えない事業者からの引き合いを期待することができ、データ利用者は新たなサービス創出を検討するにあたり、必要となるデータや技術を持つ事業者を検索することが可能となります。

図1:統合データカタログサービス(β版)のチャット検索画面

デジタルサンドボックス機能

JMDS上のデータをもとに、サイバー空間で分析やシミュレーションができる機能です。
最適なシミュレーションまたはデータの提案のみならず、モニタリング、前後評価、改善も加えることで、自治体や事業者によるPDCAサイクルを支援します。
今回はSIP第3期スマートモビリティプラットフォームの構築に参画する名古屋大学コンソーシアムが開発したLIPT-sim(アクセシビリティー評価ツール、LIPTはLivability Index by Public Transportの略称)をデジタルサンドボックス上で利用することが可能です。公共交通機関(バス・鉄道)等のデータを利用し、アクセス性の評価を行うことができ、例えば、交通空白地対策の検討などに活用が可能です。今回のリリースでは既存のアクセシビリティー指標を計算可能としていますが、今後、計算可能な指標の高度化も併せて検討されています。なお、利用に際しては、会員登録(無料)が必要となります。
今後、SIPに参画するコンソーシアムが構築を進めるシミュレーターなどと連携していくことで、さまざまなユースケースでの活用を可能とし、地域のモビリティ導入や合意形成などの支援を加速させていきます。

  • 会員登録を希望する場合は下記【本件に関するお問い合わせ先】記載のメールアドレスまでご連絡ください。

図2:デジタルサンドボックス機能の利用イメージ

今後について

今後、JMDSの社会実装を見据えて、登録データや連携プラットフォームの拡大、利用ユースケースの実証を通じ、2026年度からのサービス提供に向けてユーザーの声を取り入れながら各種機能/サービスを段階的に提供していく予定です。また団体や既存プラットフォーマー、モビリティ業界関係者など広くプロモーションを行い、JMDSの理解と利用促進を目指します。

注釈

  • 注1 内閣府『戦略的イノベーション創造プログラム』
    https://www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/sip/
  • 注2 Japan Mobility Data Space
    https://mobility-data-space.jp/
  • 注3 「SIP第3期スマートモビリティプラットフォームの構築」では、研究開発項目が19定められており、NTTデータは、「(9):多種多様なモビリティプラットフォーム/関連データの統合・相互利活用基盤の構築、実証」「(10):安全・快適・豊かなモビリティの実現のための、サイバーフィジカル型道路空間デジタルシステム基盤(デジタルサンドボックス)の構築」、「(11):都市OS上のモビリティ対応サービスの開発」、「(16):スタートアップ等の事業者間のモビリティデータシェア・共有が可能な基盤となるSSM(Shared Service for Mobility)の構築」に提案し、採択されています
  • 文章中の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。
  • 本成果には、内閣府総合科学技術・イノベーション会議の下で推進する「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期/スマートモビリティプラットフォームの構築」(研究推進法人:国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)(NEDO管理番号:JPNP23023)の成果が含まれています。

本件に関するお問い合わせ先

株式会社NTTデータ
社会基盤ソリューション事業本部
社会DX&コンサルティング事業部
ビジネス企画統括部
営業企画担当
中島、近藤、鶴家、山口
E-mail:japanmobilitydataspace@am.nttdata.co.jp