〈みずほ〉とNTTデータグループ、生成AI活用に向けた共同研究契約を締結

~NTT版LLM「tsuzumi®」のチューニングを通じた「〈みずほ〉特化型モデル」の構築~

トピックス

2024年12月18日

株式会社みずほフィナンシャルグループ
株式会社NTTデータグループ
株式会社NTTデータ

株式会社みずほフィナンシャルグループ(執行役社長:木原 正裕)と株式会社NTTデータグループ、株式会社NTTデータ(両社とも代表取締役社長:佐々木 裕、以下「NTTデータグループ」と総称)は、2024年10月、生成AI技術を活用した法人営業の効率化と高度化を目指し、NTT版大規模言語モデル(LLM)「tsuzumi®注1を基盤とした「〈みずほ〉特化型モデル」の開発に向けた共同研究契約を締結しました。
今回の共同研究は、生成AI技術を活用することで両社の社会的価値を高めるとともに、〈みずほ〉における生成AI活用の新たな可能性を切り拓くことをめざしています。

背景と狙い

今日、生成AI技術は企業競争力の中核を成しつつあります。〈みずほ〉とNTTデータグループは、急速な進化を遂げるこの生成AI技術にそれぞれの強みをかけ合わせた革新的なソリューションの提供に向け、共同研究を開始することに合意しました。

〈みずほ〉は、2023年6月にテキスト生成AIアシスタント「Wiz Chat」をリリースし、生成AIの社内利用を加速させており、2024年4月には「AIX推進室」を設立し、生成AIを用いた業務効率化や新規ビジネス開発を積極的に進めています。
一方、NTTデータグループは、生成AIを活用した新たなビジネスソリューションの提供に力を入れており、2024年3月にはNTTより商用化が発表された生成AI「tsuzumi®」の利活用に向けた施策の推進を加速しています。

今回の提携では、「tsuzumi®」をはじめとしたLLMの中でも比較的軽量なモデルをチューニングし、自社特化AIエージェント注2の実現を見据えた開発検証を実施することで、〈みずほ〉のビジネス革新の可能性を追求します。

具体的な取り組み

今回の共同研究では、「tsuzumi®」を活用し、〈みずほ〉のデータセットを基にした「〈みずほ〉特化型モデル」の開発と検証を行います。これにより、一般的な金融モデルを超える「〈みずほ〉ならでは」を追求し、〈みずほ〉独自の文化やノウハウを反映したカスタマイズモデルの構築をめざします。
具体的には、「tsuzumi®」の軽量かつ高効率な特長を活かし、〈みずほ〉の新人研修資料や社内ナレッジといった内部データに加え、特定業界に関する企業データを継続事前学習注3させることで、〈みずほ〉や金融業界に関するドメイン知識を獲得します。また、事前学習を終えたモデルをインストラクションチューニング注4することで、特定の形式に出力を調整します。
これにより、高い精度と実用性を兼ね備えたモデルを実現し、グループ全体の知識資産を最大限に活用したソリューション提供へとつなげます。

今後の展望

本共同研究で構築する「〈みずほ〉特化型モデル」は、今後、営業業務の効率化、高度化を実現するさまざまなユースケースへ展開する予定です。例えば、企業分析エージェントや提案書作成エージェントなどが挙げられ、これら複数のエージェントを組み合わせることで営業活動の効率化・円滑化の実現をめざします。さらに、その適用範囲を拡大することで、デジタルチャネルにおけるパーソナルエージェントの実現をはじめ、グループ全体の業務革新を支える中核的なソリューションの確立をめざします。
また、〈みずほ〉内部の資料を学習させることで、資料から得られる「〈みずほ〉ならでは」のAI化とフィデューシャリー・デューティー(お客さま本位の業務運営)に基づいた対応強化の実現をめざします。

図:〈みずほ〉特化型tsuzumiの今後の展望イメージ

〈みずほ〉は、生成AIの活用を通じて新たなイノベーションを創出し、金融業界の変革を先導することをめざしています。生成AI技術を活用して顧客体験の向上、業務効率の最大化、新たなビジネスモデルの確立を進め、「企業特化型モデル」の活用の新たな可能性を切り拓くことで業界全体の価値向上に貢献します。

NTTデータグループは、お客さまの業務変革を実現するために、「積極的な生成AI導入の推進」と「生成AIガバナンスの徹底」という2つを両立し、取り組んでいます。そして、「tsuzumi®」をはじめとしたLLMの中でも比較的軽量なモデルの特性を最大限に活用し、継続事前学習およびインストラクションチューニングを通じて、お客さまのニーズに応じた最適なモデル構築を推進していきます。また、軽量なLLMと、より規模の大きいLLMとのハイブリッドな活用を行い、業界特化型の安全で安心な生成AIソリューションを提供することで、パートナー企業との共創を一層深化させます。

注釈

  • 注1 NTT版大規模言語モデル(LLM)「tsuzumi®」:
    NTTの研究所が約40年にわたって蓄積してきた自然言語処理技術をベースにした、軽量ながら日本語処理能力に優れている大規模言語モデル
    https://www.nttdata.com/jp/ja/lineup/tsuzumi/
  • 注2 AIエージェント:
    与えられた目標を達成するために、自律的に行動を決定するシステムまたはプログラム
  • 注3 継続事前学習:
    事前学習済みのモデルに対し、主に知識を追加する目的で新しいデータを用いて追加学習を行うプロセス
  • 注4 インストラクションチューニング:
    事前学習済みのモデルに対し、ユーザーの指示に対して望ましい応答をさせる目的で、指示とそれに対する理想の応答が対になったデータを用いて追加学習を行うプロセス
  • 文章中の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。

本件に関するお問い合わせ先

株式会社みずほフィナンシャルグループ
広報室
TEL:03-5224-2026

株式会社NTTデータグループ
技術革新統括本部
Innovation技術部
河村、山中、尾島、村岡
E-mail:tsuzumi-nttdata@hml.nttdata.co.jp

株式会社NTTデータ
金融イノベーション本部
グローバルカスタマーサクセス室
五十嵐、島津


テクノロジーコンサルティング&ソリューション事業推進部
GenAIビジネス推進室
宇都宮、岡本、福島
E-mail:gai-contact-jp@hml.nttdata.co.jp