都市OSと連携した地域情報を提供「次世代型AIコンシェルジュ」開始

~来街者の回遊性向上に向けた、スマートシティの新たな挑戦~

トピックス

2025年1月8日

三菱地所株式会社
株式会社NTTデータ
一般社団法人 大手町・丸の内・有楽町地区まちづくり協議会

三菱地所株式会社と株式会社NTTデータは2025年1月8日、丸の内エリア(大手町・丸の内・有楽町)に特化したAIコンシェルジュの提供を開始しました。
本サービスは、一般社団法人 大手町・丸の内・有楽町地区まちづくり協議会(以下、大丸有協議会)が開発を主導するマップアプリ「Oh MY Map!」内に搭載され、地域情報をリアルタイムかつ的確に提供するAIを活用したチャットボットです。利用者にまち全体の魅力を最大限に楽しんでいただくとともに、エリアにおける観光客・MICE来街者等の回遊性向上を目指します。

本サービスの特徴

  • 都市OS注1と連携することで得られる多様で最新のエリア情報を、AI技術を通じて的確に提供
  • 東京都の「AI等先端技術を活用した受入環境高度化支援事業」に採択

本サービスでは、最新生成AI技術LLM注2とRAG注3を活用し、最新のエリアイベント情報やおすすめの飲食店情報などを利用者に提供します。提供されるまちの情報は、大丸有協議会が提供する丸の内エリアのデータ連携基盤(都市OS)や各種Webサイト等より収集、多様なデータが統合されたものです。
現在、本サービスのさらなる改善と拡張を目指して、潜在的なニーズに応えるレコメンド機能や、必要な情報を迅速かつ的確に提供する仕組みの開発を進めています。将来的には、大丸有エリアのあらゆる情報発信プラットフォームと連携し、地域の魅力をより深く伝えるサービスを目指します。
なお、本サービスは東京都の「AI等先端技術を活用した受入環境高度化支援事業」注4に採択されました。

図1:サービス画面イメージ

図2:都市OSとの連携

提供エリアとターゲット

AIコンシェルジュが提供する情報は、丸の内エリアのマップアプリ「Oh MY Map!」上で確認でき、エリア内の就業者や頻繁に訪れる利用者だけでなく、丸の内エリアに初めて訪れる方々にも役立つ情報を提供します。特に、グルメ・イベント・アートなど多彩なコンテンツを通じて、エリアの魅力を存分に楽しんでいただけるよう設計されています。

開発について

本サービスは、東京都の「AI等先端技術を活用した受入環境高度化支援事業」の補助金を活用しています。三菱地所は「大手町・丸の内・有楽町地区まちづくりグループ」として、本事業に応募・採択されており、本グループがNTTデータに開発を委託して進めています。また、大丸有の都市OSを運営する大丸有協議会のデータや各種Webサイトの情報と連携し、エリアに特化した豊富な情報の収集を実現しました。
また、本サービスにはLLMのモデルとしてAnthropic社が開発した最新モデルであるClaude 3.5 Sonnetをベースにし、RAGシステムとしても従来のNaiveRAGだけではなく、より高度なAdvanced RAGを採用しています。Advanced RAGで構築することにより、複雑な質問への対応や検索精度の向上、回答に利用されるエリアデータの優先度調整など、ユーザーからの質問に対して的確に回答するチューニングが可能となります。これにより本サービスはユーザーの質問に対して、都市OSに蓄積されたデータをリアルタイムに引き出し、具体的かつ実用的な回答を提供し、これにより、利用者は「今」楽しむべきコンテンツを即座に見つけることが可能注5です。

参考(1):丸の内エリアとスマートシティについて

大丸有協議会のほか、千代田区や東京都で構成する「大丸有スマートシティ推進コンソーシアム」は、「大丸有スマートシティビジョン・実行計画」(2020年3月策定)に続き、「大丸有スマートシティ実行計画 詳細版 ver2.0」を2023年5月に策定しました。
「大丸有スマートシティビジョン」では、大丸有地区の「まちづくりガイドライン」に示された「まちづくりの目標像」を実現するために、ビジョンオリエンテッドのスマートシティ化を掲げています。スマートシティ化をまちづくりの目標を達成するための手段として捉え、新たな技術や都市のデータを活用して、都市機能のアップデートと都市空間のリ・デザインを実現していきます。
大丸有協議会スマートシティ推進委員会(URL):https://www.tokyo-omy-w.jp

参考(2):Oh MY Map!について

国土交通省の「スマートシティ実装化支援事業」および東京都の「データ連携活用促進プロジェクト」等の支援を受け、丸の内エリアを訪れる人々のより充実した回遊体験のために、エリアで開催中のイベントや移動に関連する情報を大丸有協議会にて発信しています(2021年11月サービス提供開始)。デジタルマップとして地下や防災情報も確認できる機能も搭載しており、エリアのインフラマップツールとして今後も更なる機能拡充が目指されています。
URL:https://maas.tokyo-omy-w.jp

注釈

  • 注1 都市OS:都市に関するあらゆるデータを集積・分析し、横断的に活用するためのプラットフォーム
  • 注2 Large Language Model:大量のテキストデータを使ってトレーニングされた自然言語処理モデル
  • 注3 Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成。テキスト生成に、外部情報の検索を組み合わせ、回答精度を向上させる技術
  • 注4 「AI等先端技術を活用した受入環境高度化支援事業」:観光地におけるAI等の先端技術導入を支援する東京都の事業。エリア単位で複数の施設(ホテル・レストラン・観光施設・商業施設等)が連携し、観光地の高付加価値化に資する取組が対象
  • 注5 AIコンシェルジュは、LLMの活用に伴うリスクを十分に考慮し、適切な対策を講じた上で構築されています。ご利用にあたっては、必ず利用規約、注意事項、およびプライバシーポリシーをご確認のうえ、ご利用ください。

本件に関するお問い合わせ先

三菱地所株式会社
広報部
TEL:03-3287-5200

株式会社NTTデータ
社会基盤ソリューション事業本部
社会DX&コンサルティング事業部
コンサルティング担当
E-mail:xgdaimaruyu@kits.nttdata.co.jp