視認性高く容易に地番情報取得が可能な「ふでまっぷ®」を民事法務協会へ提供開始
トピックス
2025年3月28日
株式会社NTTデータ
株式会社NTTデータ(以下、NTTデータ)は、一般財団法人民事法務協会(以下、「民事法務協会」)が運営する「登記情報提供サービス」内の「地番注1検索サービス」に対し、登記所地図データ配信サービス「ふでまっぷ®」の提供を、2025年3月30日から開始します。これにより、利用者は地図上で土地の境界線や形を簡単に確認しながら、必要な地番情報を複数一括で取得することが可能になります。また、農地など住宅がない場所での確認を支援するため、国土地理院の空中写真と筆界注2の重ね合わせも可能になるなど利便性向上に貢献します。
「ふでまっぷ」は、全国人口カバー率注374%の広範囲な筆注4情報を公開しており、毎年のデータ更新により、迅速に最新情報を提供できることが特長です。今後は、「ふでまっぷ」の提供および機能強化を通じて、土地売買の活性化や都市計画の推進など、社会課題の解決に貢献していきます。
背景
民事法務協会では、法務省の所管する登記等民事法務の制度の発展と円滑な運営に寄与するため、登記情報提供業務として「登記情報提供サービス」を運営しています。相続登記の義務化など、昨今の不動産登記に係る法改正・新制度の施行や、所有者不明土地による用地取得の困難化など社会問題の影響を受け、登記情報提供サービスを通じて登記情報を取得される件数は増えています。今後も不動産取引が活発になるにつれ、登記情報取得件数は増加し、登記情報の取得に必要となる地番検索サービスの利用者も増加が見込まれます。現在は士業、不動産業など専門性の高い属性の方が利用していた本サービスですが、一般のユーザーも登記を取得確認する機会が増えると考えられます。こうした背景を踏まえ、インターネットを介して広く地番情報を提供する地番検索サービスにおいては、一般のユーザーにとっても分かりやすく、簡単に、地番情報を確認できる環境を提供することが求められていました。
NTTデータは、2023年から登記所地図データ配信サービス「ふでまっぷ」の提供を開始注5しています。一般ユーザーにとっても分かりやすく便利な環境を提供したいニーズに対し、地番の提供エリアが広く登記単位の土地境界が分かる「ふでまっぷ」を提案し、利便性向上の観点が評価され本提供にいたりました。
地番検索サービスにおいて「ふでまっぷ」が実現する特長
2025年3月30日から、民事法務協会が運営する「登記情報提供サービス」内において、「ふでまっぷ」を活用した地番検索サービスの利用が可能となり、地図上で土地の境界線や形を確認しながら地番を把握できるようになります。さらに登記情報の取得が必要な場所を囲うことで、その中に含まれる複数地番を一括で選択できる機能(図1)によって、1つ1つクリックして選択するには困難な広範囲の登記取得が容易になるとともに、小さく細い地番も漏らさず選択可能となります。また、農地など住宅がない場所での確認を支援するため国土地理院の空中写真と筆界の重ね合わせも可能になるなど利便性向上に貢献します。
地番を把握したい場所の範囲を囲うと、範囲に含まれる筆が選択され、地番を一覧で確認可能

図1:新たな地番検索サービスの画面イメージ
ふでまっぷの特長
「ふでまっぷ」では、利用者が検索したい地番情報をわかりやすく簡単に地図から確認できるように次の特長を有します。
- 提供エリアの広さ
NTTデータは、これまで扱いが困難だった任意座標系データ注6にAI等を活用した独自技術により位置の特定が可能なデータとして加工することで、地図上に重ね合わせて表現可能としています。これにより、全国エリアで土地の区画が把握可能となります。現状、全国人口カバー率で74%の筆情報を提供しています。
公共座標系データ注7提供エリア

任意座標系データも含めた提供エリア

図2:東京都近郊のふでまっぷ提供エリア
- 更新頻度の高さ
G空間情報センター注8を通じて公開されるデータを使用し、自治体の区別を問わず、全国のデータを年1回以上更新します。また、データ公開後から約2カ月で更新作業を完了させる計画のため、迅速に最新の地番情報を反映させます。
- 視認性の高さ
筆界が表示されるため、側道などの細い土地や入り組んだ土地形状も確認でき、視認性高く土地の区画を把握できます。選択した地番を地図上で色塗り表示することで、複数の土地を選択した場合も、全ての土地が色塗りされているか確認できるため、登記情報の取得漏れのリスクを軽減することができます。
- 操作性の高さ
地図上での範囲選択を可能としています。これにより必要な範囲の地番を一括で取得できます。範囲に含まれる小さな土地の取得漏れも防ぎます。また、背景地図から住所も合わせて確認できるため、住所情報と地番情報の照らし合わせが簡単にでき、利用者の確認作業を効率化します。
「ふでまっぷ」では、地番情報検索のほか、既存の業務アプリケーションと連携することも可能で、例えばお客さまが管理する不動産を地番にひもづけて地図上で管理・可視化すること、筆にかかる地価情報やハザード情報、用途地域などの情報をシステム的に取得することなど、お客さまの利用目的に合わせた柔軟なカスタマイズも可能です。
「ふでまっぷ」の今後について
今後、NTTデータは登記所地図データ配信サービス「ふでまっぷ」の提供および機能強化を通じて、土地売買の活性化、都市計画の推進、空き家や所有者不明土地の確認による防犯性の向上、災害復興の迅速化など、土地に関する多くの社会課題の解決や、お客さま業務の高度化に貢献します。
注釈
- 注1 地番とは、土地の区画単位につけられる番号です。法務局が定めるもので、不動産は地番によって登記されています。
- 注2 筆界とは、土地と隣地との公法上の境界線。
- 注3 人口カバー率とは、各エリアの人口に該当エリアの筆整備率を乗じて算出したものです。
- 注4 筆とは、土地を数えるときの単位です。登記簿では1筆ごとに地番、所在、所有者等が記録されます。
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注5
詳細は下記ニュースリリースを参照ください。2025年3月からサービス名を「ふでまっぷ」として登録商標としています。
日本初、全国を対象とした登記所地図データ配信サービスを開始 | NTTデータグループ - NTT DATA GROUP - 注6 任意座標系とは、任意に定めた基準点をもとにした座標系です。任意座標系の場合、基準点を測量者が任意に設定することとなるため、測量成果ごとに基準点が異なります。
- 注7 公共座標系とは、日本に19の基準点を設定した、公共測量に用いられる座標系。地理情報データは公共座標系で整備されているものが多いです。
- 注8 G空間情報センターを通じて公開されるデータについて、同センターの公開する登記所地図データは最新のデータではなく、法務局における証明能力を有するものではありません。NTTデータは同センターから登記所地図データを取得し、登記所地図データ利用規約にのっとって加工して、本サービスのコンテンツとして提供します。
- 「ふでまっぷ」は日本国内における株式会社NTTデータの登録商標です。サービスに関する詳細は下記製品サイトを参照ください。
登記所地図データ配信サービス「ふでまっぷ」 - その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。
本件に関するお問い合わせ先
株式会社NTTデータ
テクノロジーコンサルティング事業本部
インダストリセールス事業部
杉本(BizXaaS MaP窓口)
E-mail:bxmap@hml.nttdata.co.jp