外来心臓リハビリテーション患者のウェアラブルデバイス装着継続率と運動耐容能評価に関する共同研究を開始
トピックス
2025年3月31日
株式会社NTTデータ
株式会社NTTデータ関西
株式会社NTTデータ(本社:東京都江東区、代表取締役社長:佐々木 裕、以下:NTTデータ)および株式会社NTTデータ関西(本社:大阪市、代表取締役社長:中島弘嗣、以下:NTTデータ関西)は、医療法人徳洲会 湘南鎌倉総合病院(所在地:神奈川県鎌倉市、以下:湘南鎌倉総合病院)と共同で、2025年2月より、経カテーテル大動脈弁置換術(以下、TAVI注1)施行後の各患者に対し、3カ月間のウェアラブルデバイス装着継続率を主な評価対象とした仮説生成目的の研究を開始しました。本研究では副次的に当該デバイスから測定される心拍数・歩数の代表値、および6分間歩行試験の経時推移についても評価を行います。
本研究は超高齢者が対象のTAVI適応患者層において、ウェアラブルデバイスの受容性を確認することで、当該デバイスの医療活用における仮説を導出することを目的としています。
NTTデータおよびNTTデータ関西は本研究を端緒に、医療現場でのパーソナルデータを含む、最適なデータ活用を目的とした新たな仕組みの構築を目指します。
背景
今日、ウェアラブルデバイスなどの小型電子機器の普及にともない医療現場での積極的な活用例が増加しており、PHR(Personal Health Record注2)データを活用した健康増進についても、さまざまなサービスが検討されています。政府においては、例えば内閣官房の医療DX推進本部が2023年7月に策定した「医療DXの推進に関する工程表」の中で「PHRデータを含む情報連携によるユースケース創出支援」について言及するなど、予防・健康増進の重要性が高まるにつれ、健康・医療分野でのPHRデータのさらなる利活用が期待されています。
TAVIにおいて黎明(れいめい)期より多数の実績を持つ湘南鎌倉総合病院では、施術後の患者がフレイルを発症する例が多くあり課題となっていました。術後リハビリテーションについては、個々の身体能力やADL(日常生活動作)に合わせた個別プログラムでの実施が望ましいとされていますが、TAVI適応患者についてウェアラブルデバイスを活用した臨床研究についてはエビデンスが不足している状況でした。
一方、NTTデータおよびNTTデータ関西は、高齢化が加速するなか、医療DXの推進という社会課題の解決に向けてウェアラブルデバイスを活用し、データの取得や流通、活用行うことで貢献できると考えています。両社の持つ医療データの臨床研究支援の実績やナレッジを生かし、湘南鎌倉総合病院とともに、健康・医療データの安全・安心な流通・活用の仕組み構築に向けたひとつの仮設を導出するため、本共同研究を開始します。
概要
本研究では、大動脈弁狭窄(きょうさく)症に対する新しい治療法であるTAVI適応患者を研究対象としており、当該患者によるウェアラブルデバイスの活用に関して仮説を導出することを目的としています。TAVI適応となる対象は超高齢者が多いため、TAVI実施後のより良い結果を目指すうえで、TAVI前からTAVI後急性期、回復期、維持期の心臓リハビリテーションの役割は重要となります。この心臓リハビリテーションにおいて当該デバイスを活用し、病院外での患者自身によるリハビリテーションの順守状況を医師等が把握し、最適な医療介入を促進することは有用であると考え、当該デバイスの装着率を評価し仮説の導出を行います。
加えて高齢者の場合、術前にはフレイルの症状が見られなかったにもかかわらず、TAVI後に精神疾患などを発症しフレイルを引き起こす事例もあり、術後の運動量が課題となっています。その点においても、医師等がウェアラブルデバイスからの情報を得て適切に患者とコミュニケーションを行うことで、課題解決につながるかを確認予定です。
研究内容について
研究目的 | TAVI後、外来心臓リハビリテーション患者を対象とした3カ月間のウェアラブルデバイス装着継続率と運動耐容能注3に関する評価 |
研究概要 | 対象:重症大動脈弁狭窄症にTAVIが施行され、かつ術後に外来リハビリテーション実施予定の患者。 方法:患者の同意を得たうえで、腕時計型ウェアラブルデバイスを3カ月間装着してもらい、以下のデータを取得し評価を行う。 デバイスの装着継続率、6分間歩行距離経時推移およびウェアラブルデバイスより取得される歩数や心拍数の代表値等を取得し評価を行う。 目標症例数:30例 |
研究期間 | 2025年2月から2026年1月まで(目標症例数に達し次第、期間短縮の可能性あり) |
研究結果発表時期 | 2026年3月頃(予定) |
主な役割 |
NTTデータ
NTTデータ関西
湘南鎌倉総合病院
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図1:本研究プロセス

図2:本研究における各プレーヤーの役割と関係性
今後について
NTTデータおよびNTTデータ関西は、本研究より導出された仮説に基づき医療現場でのPHRデータの活用性についてさらなる調査・検討を進める予定です。また、日本が超高齢化社会に直面するなか、国民の健康増進や医療現場等における業務効率化を促進するためには、PHRデータだけでなく電子カルテなどのEHR注6データについても流通・利活用していくことが肝要と考え、医療機関・自治体・各種事業者と連携し、これらを可能とするシステム基盤の構築と普及を目指します。また医療現場における一層のデータ活用を推進し、社会課題の解決に寄与していきます。
注釈
- 注1 TAVIとは、重症の大動脈弁狭窄症に対して開胸することなく、また心臓も止めることなく、カテーテルを使って人工弁を患者さんの心臓に留置する新しい治療法です。
- 注2 Personal Health Recordとは、生涯にわたる個人の健診情報、予防接種歴、薬剤情報、検査結果等診療関連情報および個人が自ら日々測定するバイタル等保健医療情報のことです。
- 注3 運動耐容能とは、当該患者がどれくらいまでの運動に耐えられるのかの限界のことです。
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注4
アスリブとは、NTTデータ関西が提供する健康インセンティブアプリのことです。歩数や脈拍などのPHRデータを簡単に計測・記録することができます。また、アプリ登録に際しては、事前に生年月・性別・在住中の都道府県および市町村・ニックネームなどの個人情報の提供について同意が必要となります。
URL:https://asliv.jp/ - 注5 本研究において湘南鎌倉総合病院が取得する個人情報については、当該病院のみが管理することとし、NTTデータおよびNTTデータ関西への提供はありません。
- 注6 EHRとは、患者を中心として地域を横断して、収集、蓄積、共有される診療情報のことです。
- 「アスリブ」は日本国内における株式会社NTTデータ関西の登録商標です。
- その他の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。
本件に関するお問い合わせ先
株式会社NTTデータ
ソーシャルデザイン推進室
ソーシャルデザイン推進担当
花谷、杉本、坂岡
TEL:050-5546-9965
株式会社NTTデータ関西
ヘルステック事業部
大串、上西、尾本、谷本
TEL:050-5545-3524