企業内外のシステムやサービスを高信頼に連携させ、ビジネスプロセスを統合するebXML対応のサービス連携プラットフォーム「ΣServ®」販売開始

ニュースリリース/NTTデータ

2003年5月29日

株式会社NTTデータ

 (株)NTTデータは、ebXML※1に対応した高信頼サービス連携プラットフォーム「ΣServ®(シグマサーブ)」の販売を、平成15年6月2日より開始します。
 ΣServは、NTT情報流通プラットフォーム研究所の研究成果であるサービス連携技術「eCoFlow」をベースに、NTTデータが開発した高信頼サービス連携プラットフォームです。ΣServは、既存の情報システム、情報システムが提供するサービスを連携させるプラットフォームであり、企業内・企業間の情報連携を支援します。主に、電子政府・電子自治体などの公共分野や、電子商取引などの法人分野での利用を見込んでいます。NTTデータでは、Webサービス分野でのシステム開発において、ΣServを適用していきます。

【背景】
 企業情報システムの共通の課題としては以下の3点が挙げられます。
  • 部門ごとやサービスごとにシステムが独立しているため、情報の有効活用ができていない。
  • 企業間のシステムやサービスなどの情報連携を容易に実現するための手段が確立されていない。
  • ビジネスの変化が著しく、既存システムがその変化に迅速に対応できていない。
 これらの課題を解決するために、企業では、新しいシステムを一から構築し直すのではなく、できるだけ既存システムの良さを活かしつつ、連携を進めることのできるツールが求められていました。しかしながら、異なる仕様のシステム間をつなぐ方式や規格等が統一されていなかったため、企業の求めるツールが少なかったのが現状でした。また、Webサービスによるシステム連携を、実際のビジネスに適用するためには、セキュリティおよび信頼性の確保が課題でした。
 近年、電子商取引の分野において、XMLをベースにした通信方法などの規格であるebXMLの標準化が進んだことから、NTTデータは、ebXMLに対応したΣServを開発し、販売することにより、この企業ニーズに対応します。また、ΣServはミドルウエアにおいてセキュリティおよび信頼性を確保できるため、容易に高信頼のサービス連携が構築可能です。そのため、Webサービスの適用が難しかった分野においても、ΣServの適用領域の拡大が見込まれます。

【ΣServの概要】
 ΣServは、以下の主な3つのコンポーネントによって、既存システムやサービスを強力に連携し、かつ高い信頼性を生み出すサービス連携プラットフォームです。

  • ΣServ FlowManager®
    柔軟な業務フロー制御を実現するサービス連携エンジンです。業務フローのどこかでエラーが発生した場合、遡って取り消し処理を行う仕組みである長時間トランザクション制御の機能があります。また、「再開保証」の機能もありますので、システムダウンによって処理中の情報が失われることを防ぐことができます。また、グラフィカルなフローエディタを用いて容易に業務フローを定義できます。さまざまな通信プロコトルに対応していますので、多様な接続方法でシステムを連携させることが可能です。

  • ΣServ TransInfo®
    多彩なデータ変換を可能にする、データ変換エンジンです。具体的には、形式の異なるXML間およびXMLとCSV間のフォーマット変換が行えます。また、豊富な変換処理パターンを持ち、変換ルールも容易にカスタマイズできます。

  • ΣServ TrustMessage®
    高信頼メッセージングインフラであり、安全で確実なデータ交換を保証します。ebXML Messaging Service仕様をインプリメントし、一通のメッセージを確実に一通のみ届ける「Once and Only Once」の高信頼性メッセージングを実現します。ネットワークに障害が発生した場合、自動的に感知し、相手に届くまで情報を再送し、情報の再送機能によって、情報が二重・三重に届くこともありません。
    ΣServ TrustMessage は、ebXMLアジア会議の相互接合性テストにて、相互接続性が確認されています。(詳細は電子商取引推進協議[ECOM]http://www.ecom.jp/press/20030411.htmlを参照ください)

  • ※ΣServの コンポーネント図 および 利用イメージ図 は別紙をご参照ください。

【提供時期】
 平成15年6月2日より、販売・提供を開始します。

【価格】
 価格については、個別にご相談させていただきます。お問い合わせください。

【今後の展開について】
 ΣServは、公共分野では電子政府・電子自治体、また法人分野では電子商取引などの場面において、金融分野ではネットワークサービス連携等での展開を目指します。


※1 ebXML(electric business XML)
ebXMLは、企業間商取引の技術標準です(ebXMLの標準化を推進する団体を指すこともあります)。UN/CEFACT(United Nations Centre for Trade Facilitation and Electronic Business、国連による行政、商業、運輸のための実務と手続き簡易化センター)と、OASIS(米国の企業を中心とした、XMLの普及促進を目的とした団体)によって推進されています。
※ 「ΣServ®」「ΣServ FlowManager®」「ΣServ TransInfo®」「ΣServ TrustMessage®」は、株式会社NTTデータの登録商標です。
※ その他の製品や商品名については、各社の商標または登録商標となります。

<参考>
図1:ΣServ®が提供するコンポーネント
図2:ΣServ®の利用イメージ(例)
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