金融機関向けの短期社債管理パッケージソフト「STATES-SCTM (ステーツ・エスシー)」の販売を開始 〜フロントからバックオフィス業務まで、CPのペーパーレス化に対応〜

ニュースリリース/NTTデータ

2003年7月23日

株式会社NTTデータ

 (株)NTTデータは、平成15年7月1日より、短期社債(電子CP)※1取引業務に対応した金融機関向け短期社債管理パッケージソフト「STATES-SCTM(ステーツ・エスシー)」の販売を開始しました。本パッケージは、「短期社債等の振替に関する法律」の施行により平成15年3月31日より取引が開始された短期社債取引に関する金融機関の各種業務をサポートします。NTTデータは、証券決済業務のシステム化に注力するとともに、本パッケージについて今後3年間で約5億円の売上を目指します。

【背景】
 CP(コマーシャルペーパー)は、各企業が事業に必要な短期資金調達の手段として発行する無担保の約束手形で、証券取引法における有価証券となっています。日本では昭和62年に手形形式(額面)の発行が認められて以来、証券会社などを通じて取引されています。
 CP取引の利便性を高める目的から、平成14年4月に「短期社債等の振替に関する法律」、平成15年1月に「証券決済システム改革法」が施行され、これに伴い同年3月31日より、(株)証券保管振替機構※2の短期社債振替システムが稼働※3し、従来の手形CPと異なり、発行・流通・償還などの取引の全てがシステム上で完結するペーパーレス化された電子CP(=短期社債)の取引が可能となりました。
 有価証券の取引については、短期社債(電子CP)に引き続き一般社債など他の証券関連商品についても電子化の動きが高まっています。NTTデータでは、これらの電子化に伴う電子社債取引対応システムのニーズが高まると予想されることから、平成14年11月よりSTATES-SCの開発に着手しました。

【提供機能】
 STATES-SCは、金融機関向けのパッケージソフトウェアです。各金融機関が行うCP取引業務の電子化にトータルで対応します。具体的には、各金融機関のフロントオフィス部門における自己取引(ディーリング)、バックオフィス部門における自己取引事務管理や、証券保管振替機構加入者としての証券口座管理および証券決済業務などに対応します。
 業務分類・提供機能などは以下のとおりです(オプション・カスタマイズ機能を含む)。
  1. 自己取引ディーリング支援 … ディーリング業務、ポジション・損益管理業務、与信枠管理業務
  2. 自己取引事務管理 … 約定管理業務、会計業務
  3. 証券口座管理 … 振替明細管理業務、振替口座簿管理業務、振替システム管理業務、発行支払代理人業務(オプション)、資金決済システム連携業務(カスタマイズ)、手数料管理業務(カスタマイズ)
  4. 共通機能 … 基本属性情報管理業務、業務共通、外部連絡業務(オプション)

【特徴】
<フロントオフィス部門>
・自己取引ディーリング支援業務
 自己取引ディーリングを行うための約定入力機能および(ポジション・損益管理、与信枠管理等)各種管理機能を提供します。主な特徴は以下のとおりです。
  1. フロントオフィスの管理体系に合わせたポジション管理が可能
  2. 発行体毎の与信管理をサポート
  3. その他ディーリングサポートのための様々な照会機能(損益のリアルタイムな把握など)

<バックオフィス部門>
・自己取引事務管理
 自己取引の約定管理および会計業務を行うための機能を提供します。主な特長は以下のとおりです。
  1. コンファメーション照合機能によるバックオフィスの厳正な約定管理が可能
  2. 短期社債の会計基準に合わせた経理処理が可能
  3. 必要な法定帳簿を完備(電子的に保存)

・証券口座管理
 証券保管振替機構の加入者として証券口座管理/証券決済業務を行うための機能を提供します。また、証券口座管理の関連業務として発行・支払代理人業務もサポートします。主な特長は以下のとおりです。
  1. 3階層化による極め細やかな証券口座管理が可能
  2. 証券保管振替機構宛の振替申請を自動作成
  3. 業務フローに合わせた進捗管理が可能
  4. 証券保管振替機構とのリコンサイルを自動化

【パッケージ価格】
基本機能:2,500万円 〜 (ハードウェア、データベースソフトは除く。)
※ オプション機能を利用する場合は別途相談

【今後の展開】
 NTTデータは、今回提供するSTATES-SCについて、今後3年間で5億円の売上を目指します。また、証券決済業務のシステム化に注力していき、一般債振替制度対応をはじめ、国債、株式、投信といった有価証券の口座管理機関システムの開発・提供を行っていく予定です。

※1短期社債(電子CP) … CPはCommercial Paperの略。短期社債は、平成14年4月に施行された「短期社債等の振替に関する法律」に基づく、電子化(ペーパーレス化)されたCPのこと。平成15年4月に施行された「社債等の振替に関する法律」により規定されている。

※2(株)証券保管振替機構 … 証券流通市場の円滑な運営を図るため、株券等有価証券の保管・受渡しを効率化、合理化することを目的とした保管振替機関。有価証券取引における券面そのものの享受による受渡しを、保管振替機関に設けられた口座間の振替によって処理する。また、有価証券の所有者は、有価証券を保管振替機関に預託したままで権利を行使することができる。昭和59年5月に制定された「株券等の保管及び振替に関する法律」に基づき、同年12月に財団法人証券保管振替機構として設立(事業開始は平成3年、平成14年より株式会社化。)同様の保管振替機関制度は、諸外国にも広く採用されており、証券取引所を有するほとんどの国が保管振替機関を有している。

※3短期社債振替システム … 短期社債(電子CP)取引を行うため、平成15年3月31日より稼働したシステム。CPを発行したい企業や取引を行う投資家などは、短期社債振替システムに接続することにより、短期社債の取引が可能となる。

 *STATES-SCTMは、(株)NTTデータの商標です。
STATES-SC : Securities Trading & AccounT kEeping System - Short-term Corporate bond


参考:システム概要図
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