産学の連携による「ユビキタス生産システム研究会」を設立 無線ICタグを活用した新生産システムの共同実験を実施
ニュースリリース/NTTデータ
2004年4月21日
株式会社NTTデータ
慶應義塾大学
社団法人日本プラントメンテナンス協会
東洋精器株式会社
(株)NTTデータ、慶應義塾大学、(社)日本プラントメンテナンス協会、東洋精器(株)は、ユビキタス生産システム研究会を4月21日に設立しました。本研究会は、産学の連携のもとで、無線ICタグを用いたユビキタス技術を活用し、製造業において、顧客の注文(発注)に迅速かつ柔軟に対応できる、シンプルな生産を実現するシステムの開発とその有効性の検証をおこないます。
【研究会の概要】
製造業において経営の基本目的である売上収益を上げるためには、顧客の注文に迅速かつ的確に対応し、顧客の要求を充たすことが重要となります。
本研究会では,受注から生産指示、製造、出荷、納品、売上までの情報の流れと実際の製品(モノ)の製造工程の流れを一連の注文処理の流れとして構成し、無線ICタグを利用してその流れを可視化することにより、停滞のない流れの実現に向け、モノの製造工程をトータルな視野から改善・変革できる技術とシステム設計技術の研究・開発を行います。ここで目指す新しい生産システムは、製造現場と間接業務の壁を打破し、多様化する顧客ニーズに価値創出の技術・技能で効率的に対応するものづくりの原点に立脚したシステムです。
本研究会は、製造業における仕事のシステムを設計・改善するための理論(IE:インダストリアル・エンジニアリング)を研究する大学研究室、流通業の実証実験等で無線ICタグに関するシステム、プラットフォーム構築に実績を持つNTTデータ、製造業の設備保全等に対する管理技術の開発・調査・普及活動をおこなう日本プラントメンテナンス協会、高度な固有技術・管理技術をもとに歯車等の精密機器の生産を行っている東洋精器で構成されています。(別紙参照)
本研究会の主査は慶應義塾大学の中村善太郎教授が、副査はNTTデータの山本修一郎 技術開発本部 副本部長が務めており、事務局はNTTデータと慶應義塾大学が共同で運営していきます。
当面の取り組みテーマは、無線ICタグを利用した生産システムのモデル実験による基礎システムの開発およびフィールド調査・実験を通じた適用性の検討と検証です。これらの活動を通じて製造業における情報技術と現場改善技術が融合した新たな方法論・システムの研究を行います。
【当面の主たる取り組みテーマ】
【研究会の進め方】
本研究会では以下、3つの活動を主に実施する予定です。
本研究会は、今回の共同研究を出発点として、ハードウエアやソフトウエアの開発課題、システムや現場のマネジメントの改善ノウハウなどを幅広い業界・分野に対応できる、いわゆる業界横断型の無線ICタグを活用したプラットフォームの開発への展開を目指していきます。
別紙
ユビキタス生産システム研究会が目指すシステムの実現イメージ
【研究会の概要】
製造業において経営の基本目的である売上収益を上げるためには、顧客の注文に迅速かつ的確に対応し、顧客の要求を充たすことが重要となります。
本研究会では,受注から生産指示、製造、出荷、納品、売上までの情報の流れと実際の製品(モノ)の製造工程の流れを一連の注文処理の流れとして構成し、無線ICタグを利用してその流れを可視化することにより、停滞のない流れの実現に向け、モノの製造工程をトータルな視野から改善・変革できる技術とシステム設計技術の研究・開発を行います。ここで目指す新しい生産システムは、製造現場と間接業務の壁を打破し、多様化する顧客ニーズに価値創出の技術・技能で効率的に対応するものづくりの原点に立脚したシステムです。
本研究会は、製造業における仕事のシステムを設計・改善するための理論(IE:インダストリアル・エンジニアリング)を研究する大学研究室、流通業の実証実験等で無線ICタグに関するシステム、プラットフォーム構築に実績を持つNTTデータ、製造業の設備保全等に対する管理技術の開発・調査・普及活動をおこなう日本プラントメンテナンス協会、高度な固有技術・管理技術をもとに歯車等の精密機器の生産を行っている東洋精器で構成されています。(別紙参照)
本研究会の主査は慶應義塾大学の中村善太郎教授が、副査はNTTデータの山本修一郎 技術開発本部 副本部長が務めており、事務局はNTTデータと慶應義塾大学が共同で運営していきます。
当面の取り組みテーマは、無線ICタグを利用した生産システムのモデル実験による基礎システムの開発およびフィールド調査・実験を通じた適用性の検討と検証です。これらの活動を通じて製造業における情報技術と現場改善技術が融合した新たな方法論・システムの研究を行います。
【当面の主たる取り組みテーマ】
- 生産・加工プロセスでの無線ICタグの活用
これまでも製品(商品)に無線ICタグを添付した実験は多く実施されていますが、製品(商品)が製造された後の、主に流通分野における物流プロセスでの有効性を検証するものでした。本研究会では、製造分野を中心に、製品の注文票(発注)のユニット単位に無線ICタグを貼付し、顧客から注文を受けてから製品を製造・出荷するまでの生産・加工プロセスに焦点をあてた、無線ICタグの新たな適用可能性を検証し、情報システムの設計方法を検討していきます。 - 製造現場での可能性と有効性の検討
製品寿命の短期化や、個別的な技術仕様の注文などの技術変化に対応するため、現在の製造業では、モノの在庫・停滞のない、現場の仕事や間接業務のムダのない多品種少量生産に向けた取り組みが必須条件となっております。無線ICタグの活用により、注文ユニット単位での生産実績の把握が迅速かつ的確にできるとともに、作業者に対して生産・加工指示情報を迅速に提供することが可能になります。さらには、製造工程全体の観点から、改善すべき課題をリアルタイムに把握することが容易になります。これらにより、多様な顧客ニーズに対し柔軟な生産対応を可能とするシステムの構築を検討していきます。
【研究会の進め方】
本研究会では以下、3つの活動を主に実施する予定です。
- 製造業の実態調査
実際の製造業の企業を対象にして、現在の生産システム・生産管理業務の実態調査をおこないます。ここでは、無線ICタグの適用可能性や改善可能性を検討していきます。 - 大学でのモデル実験(2004年5月頃)
慶應義塾大学キャンパス内において、生産工程を模した実験装置を用いて、無線ICタグによる生産プロセスモデルの実験環境を構築し、無線ICタグを利用した生産システムの基本的な機能の実験をおこないます。ここでは、無線ICタグに基づく生産システムのメリットの抽出・検証をおこないます。併せて、「モノ」・「情報」を分析する新しいシステムの分析・設計手法の検討もおこなう予定です。 - 現場でのフィールド実験(2004年10月頃)
東洋精器の工場内のある生産ラインに、無線ICタグを利用した生産システムを試験的に導入し、コスト面および技術面での検証をおこないます。ここでは、機械部品を製造している生産ラインにおいて、製品の注文票(発注)のユニット単位に無線ICタグを取り付け、NTTデータが提供するプラットフォームを活用して、生産・加工指示情報や生産実績情報を提供・活用することにより、生産・加工プロセスの改善についての検証をしていきます。
今後、本研究会の成果は、更に活発になると予想される産学連携の取り組みという新しいモデルケースとして、学会発表等を通して積極的に公表していきます。
本研究会は、今回の共同研究を出発点として、ハードウエアやソフトウエアの開発課題、システムや現場のマネジメントの改善ノウハウなどを幅広い業界・分野に対応できる、いわゆる業界横断型の無線ICタグを活用したプラットフォームの開発への展開を目指していきます。
別紙
ユビキタス生産システム研究会が目指すシステムの実現イメージ