「患者の主体性と医療への満足度についての調査」結果について 〜 患者が主体的に行動できる環境・サポートが、医療への満足につながる 〜
ニュースリリース/NTTデータ
2004年7月16日
株式会社NTTデータ
(システム科学研究所)
(株)NTTデータ システム科学研究所では、個人を中心にヘルスケア・サービスを捉える「パーソナル・ヘルスケア」に関する研究の一環として、「患者の主体性と医療への満足度に関する調査」を行いました。
この調査は、医療分野で重要なキーワードとなる「患者の主体性」の現状、主体性と医療への満足度の関係や、患者が医療をどのような観点で評価しているかを把握するために、今年1月に実施したものです。調査対象は、3大都市圏の市域及び人口30万人以上の都市に住む20歳以上70歳未満の男女で、平成13年1月1日以降に入院または6ヶ月以上の通院を経験した方です。有効回答は1,270サンプルでした。
【主な調査結果】
【その他の調査結果】
【 調査の概要 】
(1) 調査地域: 3大都市圏(東京圏・大阪圏・名古屋圏)の市域及び人口30万人以上の都市
(2) 調査対象:上記地点に居住する20歳〜69歳の男女で平成13年1月1日以降に
・病気やケガなど(出産を除く)で入院経験のある人
・病気やケガなど(出産を除く)で、6ヶ月以上の通院経験のある人
(3) 抽出方法:調査会社モニタ13,000世帯(無作為抽出)を対象にハガキでスクリーニングし、
調査対象者1,400名を抽出
(4) 調査方法:郵送自記入法
(5) 調査期間:平成16年1月14日〜1月26日
(6) 調査数:1,400配布、1,270回収(回収率90.7%)
調査結果の詳細は、システム科学研究所のホームページ(http://www.riss-net.jp/)でも公表する予定です。
この調査は、医療分野で重要なキーワードとなる「患者の主体性」の現状、主体性と医療への満足度の関係や、患者が医療をどのような観点で評価しているかを把握するために、今年1月に実施したものです。調査対象は、3大都市圏の市域及び人口30万人以上の都市に住む20歳以上70歳未満の男女で、平成13年1月1日以降に入院または6ヶ月以上の通院を経験した方です。有効回答は1,270サンプルでした。
【主な調査結果】
- 複数の選択肢から自分自身で治療法を選択したい人は4割
- 比較的重い病の治療法を決める際、「専門家である医師の決めた治療方法について十分な説明を聞き、納得した上で治療を受けたい」とする「説明・納得タイプ」の人が54.9%で最も多く、「治療について、十分に説明を聞き、複数の選択肢を提示してもらった上で、自分自身が治療方法を選択したい」とする「自己決定タイプ」の人は40.7%で、両者で95%を超える
- 比較的重い病の治療法を決める際、「専門家である医師の決めた治療方法について十分な説明を聞き、納得した上で治療を受けたい」とする「説明・納得タイプ」の人が54.9%で最も多く、「治療について、十分に説明を聞き、複数の選択肢を提示してもらった上で、自分自身が治療方法を選択したい」とする「自己決定タイプ」の人は40.7%で、両者で95%を超える
- 担当医が「医師・患者パートナータイプ」の場合、患者の医療への満足度が高い
- 治療法を決定する際の担当医の姿勢としては、医師が治療法を決定し、患者に説明し同意を得る「医師主導・説明同意ありタイプ」が52.8%で最も多く、医師が複数の治療法を説明し、患者と相談しながら治療法を決定する「医師・患者パートナータイプ」が32.9%、医師が患者にとって最良だと考える治療法を、説明や同意を経ずに決定する「医師主導・説明同意なしタイプ」が9.7%となっている。
- これら担当医のタイプと、患者の医療への満足度の関係を調べたところ、「医師・患者パートナータイプ」で「満足」(「満足した」「ある程度満足した」の計、以下同様)が92.1%であり、他のタイプと比較して高い(対象者全体では85.9%)
- 医師と積極的なコミュニケーションを行う人の、医療への満足度が高い
- 初診時に、医師に対して自分の病状や体質などを「説明できた」人(「適切に説明できた」「ある程度適切に説明できた」の計)は86.4%である。「説明できた」人の医療への「満足」は87.9%で、「説明できなかった」人(「適切に説明できなかった」「あまり適切に説明できなかった」の計)の73.7%と比較して高い
- 医師から診察結果や治療方針について説明を受けた際に、「自分の言葉で確認した」もしくは「不明瞭な点を質問した」人は83.4%である。「自分の言葉で確認した」もしくは「不明瞭な点を質問した」人の医療への「満足」は88.3%と、「確認・質問などは行わなかった」人の「満足」(73.3%)と比較して高い
【その他の調査結果】
- 医療機関を選ぶとき、何らかの情報を利用した人は8割。情報を利用した人の満足度は高い
- 最終的に入院・通院した医療機関の選択に際し、何らかの情報を利用した人は80.9%。情報を利用した人の「満足」は88.4%と、情報を利用していない人(76.4%)の「満足」と比較して12ポイント高い
- 情報源としては「かかりつけ医」が52.4%と一番多く、次いで「友人・知人」(27.2%)「家族」(26.1%)など身近な人が続く。また、「インターネット」を挙げた人が5.3%と、「医療に関する書籍・専門誌」(3.9%)や「新聞や一般雑誌」(2.6%)等の他メディアを上回っている(複数回答)
- 医療機関を選ぶときに重視した情報は「医療機関の得意とする手術や治療、分野」と
「病院を利用した人の声・評価」。不足している情報は「医師や医療機関の治療実績」- 医療機関を選択する際に最も重視した情報は、「医療機関の得意とする手術や治療、分野」(21.6%)、次いで「病院を利用した人の声・評価」(15.8%)が高い
- 不足していた情報としては、「各医師の治療実績」(21.1%)、「医療機関の治療実績」(18.0%)、「医療機関の得意とする手術や治療、分野」(17.7%)、主な疾病にかかる自己負担額(17.2%)が上位に挙げられた(複数回答)
- 医療機関を選ぶとき、複数の医療機関を比較検討した人は3割弱
- 医療機関を選択する際に、複数の医療機関を比較検討した人は26.9%、比較した医療機関がない人は72.3%
- 比較検討しなかった理由としては「かかりつけの医院から紹介された」が最も多く29.0%、「別の疾病等で通院・入院していたから」が18.2%、「家族・友人・知人から勧められたから」が14.3%と続いている
- 医療機関を選ぶとき、身近な人からサポートを受けた人は、通院で3割・入院で7割
- 医療機関を選択する際の情報収集などを「すべて自分で行った」人は通院では71.5%と高いが、入院では31.3%であり、「家族や知人のサポートを受けたが決定などは自分が主導で行った」人が55.0%と過半数を超える
- 主にサポートを受ける人としては男女とも「配偶者」が過半数を超えているが、男性では「配偶者」が80.5%と女性の58.6%より高く、男性の配偶者への依存度が高い
- 医療への満足度に影響をあたえる、医療のサービス要素は6つ。
中でも「医師の技術・態度」と共に「医師の説明・コミュニケーション力」の影響が大きい- 患者の医療へ評価は、主に以下の6つ要素により行われることがわかった
(1) 医師の技術・態度
(2) 医師の説明・コミュニケーション力
(3) 看護師の技術・姿勢
(4) 院内の環境
(5) 窓口業務
(6) (入院者のみ)入院生活
(7) (通院者のみ)通院の利便性
(※因子分析により抽出) - 6つの要素のうち、医療への満足度に対する影響力が大きいのは、入院・通院ともに「医師の技術・態度」、次いで「医師の説明・コミュニケーション力」であった。影響力が弱いのは、入院では、「窓口業務」「看護師の技術・姿勢」、通院では「通院の利便性」「看護師の技術・態度」である
(※6つの因子を説明変数、医療への満足度を目的変数とした重回帰分析による)
- 患者の医療へ評価は、主に以下の6つ要素により行われることがわかった
- 医師からの説明を「十分であった」と感じた人は、満足度が顕著に高い
- 診察結果や治療方針に関する医師からの説明を「十分であった」と感じた人は31.7%、「ある程度十分であった」人が48.6%と、合わせて8割の人が医師からの説明を「十分であった」と感じている
- 医師からの説明が「十分であった」と感じた人の医療への「満足」は96.5%と、「十分でなかった」と感じた人(24.3%)と比較して高い
【 調査の概要 】
(1) 調査地域: 3大都市圏(東京圏・大阪圏・名古屋圏)の市域及び人口30万人以上の都市
(2) 調査対象:上記地点に居住する20歳〜69歳の男女で平成13年1月1日以降に
・病気やケガなど(出産を除く)で入院経験のある人
・病気やケガなど(出産を除く)で、6ヶ月以上の通院経験のある人
(3) 抽出方法:調査会社モニタ13,000世帯(無作為抽出)を対象にハガキでスクリーニングし、
調査対象者1,400名を抽出
(4) 調査方法:郵送自記入法
(5) 調査期間:平成16年1月14日〜1月26日
(6) 調査数:1,400配布、1,270回収(回収率90.7%)
調査結果の詳細は、システム科学研究所のホームページ(http://www.riss-net.jp/)でも公表する予定です。