臨床検査匿名化システム「SecureNameTM」販売開始 〜個人情報保護法に対応、セキュリティポリシーやeラーニングとの組み合わせにより運用面もサポート〜

ニュースリリース/NTTデータ

2005年4月27日

株式会社NTTデータ

 (株)NTTデータは、医療機関が臨床検査会社などの外部機関に遺伝子検査を委託する際に必要となる、個人情報匿名化の作業を支援するシステム「SecureNameTM(セキュアネーム)」を平成17年5月より提供開始します。
 平成17年4月1日の個人情報保護法全面施行により、医療機関においても個人情報の適切な取り扱いが求められています。とりわけ遺伝情報は重要な個人情報として認知されており、国や学会のガイドラインで遺伝子検査の外部委託における患者名の匿名化処理の必要性が提案されています。
 SecureNameは、遺伝子検査業務における「個人情報を匿名化し、管理する」という機能をシンプルに提供します。遺伝子検査以外にも遺伝子解析研究や通常の臨床検査などといった様々な業務への適用も可能です。
 また患者の個人情報を保護するためには匿名化処理といったシステムによる支援だけでなく、個人情報を直接扱う医療機関従事者の意識を高める必要があります。医療機関従事者は、SecureNameが提供する「セキュリティポリシーのeラーニング学習機能」で学ぶことにより、「遺伝子検査セキュリティポリシー」に基づく個人情報の適切な取り扱い方針を身につけることが可能です。
 NTTデータでは、SecureNameの販売について、今後2年(平成18年度末まで)で、100システムの販売を目指します。

【開発の経緯】
 平成13年3月に文部科学省、厚生労働省及び経済産業省より制定された「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」および平成15年8月に遺伝医学関連10学会により制定された「遺伝学的検査に関するガイドライン」において、遺伝子検査を外部機関に委託する場合に、個人情報が特定されないよう試料などを匿名化することが求められています。また、平成17年4月より全面施行された個人情報保護法では、同法第一章第三条などにより個人情報について慎重な扱いが指摘されています。
 このような状況の中、NTTデータでは平成16年3月より、臨床遺伝学における検査体制の整備に尽力されている慶應義塾大学病院小児科、および臨床検査業界のリーディングカンパニーである(株)エスアールエルの協力の下、臨床検査の現場で真に求められる匿名化システムの開発を進めてきました。
 平成16年12月の全国遺伝子医療部門連絡会議での成果発表を経て、このたび製品版として提供を開始することになりました。

【特徴】
SecureNameの特徴は、以下のとおりです。

  1. 個人情報匿名化ソフトウエアにより、個人情報を簡単に匿名化
     検査する患者のID、氏名を8桁の匿名符号に自動的に変換し、ラベルに印刷します。検査を委託する際の検体や検査依頼書には匿名符号のみ印字されたラベルを貼ることで、検査を委託する外部機関においては個人情報の特定を不可能にします。検査結果については、結果報告書等に記載された匿名符号を同ソフトウエアで再連結(匿名符号から患者名を特定すること)することで、患者本人との照合が可能になります。


  2. <患者情報の入力/匿名化>
    【画面イメージ】

  3. eラーニングによるセキュリティポリシー学習機能
     患者の個人情報保護という目的を達成するためには、匿名化処理だけでなく、カルテや検体等の物品を含めた個人情報の扱いについて「適切な運用」を医療機関従事者に対して意識付けることが不可欠です。
     SecureNameでは、国や学会の各種ガイドラインに準拠したセキュリティポリシー(情報セキュリティに関する基本方針)をeラーニングで手軽に学習することができます。この学習機能により、一定の知識を習得していること(=テストに合格すること)が、個人情報匿名化ソフトウエアの利用条件となっており、セキュリティポリシーの内容を必然的に身に付けさせることが可能です。

<eラーニングによるセキュリティポリシー学習機能>
【画面イメージ】

【想定ユーザ】
  • 遺伝子検査を外部機関に委託する医療機関

  • ヒトゲノム・遺伝子解析研究を実施する研究機関

  • その他、臨床検査における患者情報の匿名化が必要と考える医療機関


【システム構成】
  • ハードウエア:ノートパソコン、ラベルプリンタ、バックアップメディア

  • ソフトウエア:個人情報匿名化ソフトウエア、セキュリティポリシーeラーニング

【価格】
  • 一式(ハードウエア、ソフトウエア、設置費用):最小構成で84.5万円〜

  • 年間保守費(24時間電話受付、現地での故障対応):15万円〜/年

【販売目標】
 NTTデータは、SecureNameの販売について、今後2年(平成18年度末まで)で、100システムの販売を目指します。


※ ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針(文部科学省・厚生労働省・経済産業省)第2.4.(6)〜(8)

* 「SecureNameTM」は、(株)NTTデータの商標です。
その他、文中に記載されている商品・サービス名、および会社名は、それぞれ各社の商標または登録商標です。
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