コンピュータ群の一元的運用管理を実現するOSS「Hinemos®」(ヒネモス)Version2.1を公開 〜新たにWindows®に正式対応、更なる機能拡張及び性能向上を実現〜
2006年10月20日
株式会社NTTデータ
(株)NTTデータは、エンタープライズ環境でのコンピュータ群の一元的な運用管理の実現するオープンソースソフトウエア(OSS)「Hinemos®」(ヒネモス)について、機能拡張、性能ならびにエンタープライズ性をさらに向上させた「Hinemos ver.2.1」を、平成18年10月20日より公開します。
【「Hinemos」開発の背景について】
今日のエンタープライズシステムの構築においては、コストパフォーマンスの高いOSSの利用は必要不可欠とも言われています。しかし、既存のOSSでは、統合的な運用管理に必要な機能や連携機能が不十分でした。
そこでNTTデータでは、既存のOSSでは不十分なエンタープライズ環境でのコンピュータ群の一元的な運用管理の実現を目的として「Hinemos」を開発し、平成17年9月よりOSSとして無償公開しています。ユーザは「Hinemos」を使用することにより、フルオープンソース環境での運用管理システムの構築が可能になります。(平成18年10月1日現在のダウンロード数:25,653件)
「Hinemos」は、複数のコンピュータを単一のコンピュータイメージで運用管理する機能を提供し、これにより運用管理の効率化、操作の単純化によるオペレーションミスの低減を実現します。
【「Hinemos ver.2.1」の公開について】
今回のバージョンアップに伴い、クライアント端末および監視対象としてWindowsに正式対応しました。また新たにレポート出力機能、アプリケーションログ監視機能、SNMPトラップ監視機能、http監視機能などを実装し、さらに既存のカレンダ機能、ジョブ管理機能、各種管理機能を機能拡張し、本日より公開します。
「Hinemos」のソースコードは、全てオープンソースのライセンスであるGNU General Public License(GPL)で公開されます。「Hinemos」のプロジェクトはNTTデータのホームページにて公開されており、OSS開発サイトである「SourceForge.jp」でもホスティングされています。
「Hinemos」のURL(NTTデータ):http://www.nttdata.com/jp/ja/lineup/hinemos/index.html
「Hinemos」のURL(SourceForge):http://sourceforge.jp/projects/hinemos/
【「Hinemos ver.2.1」の新規機能について】
「Hinemos ver.2.1」の新規機能の特長については、以下のとおりです。
- レポート出力機能
監視管理機能で取得したイベントのPDF出力を行います。 - アプリケーションログ監視機能
これまでより容易に各種アプリケーションの出力する様々なログの監視に対応しました。 - SNMPトラップ監視機能
SNMPトラップの監視が出来るようになりました。 - http監視機能
監視対象のWebサーバに対してhttpリクエストを行い、結果の値により監視する機能です。 - Windows への対応
クライアント(監視コンソール)および、監視対象ノードがWindowsにも対応しました。
【今後の展開】
NTTデータは、OSSデータベースソフトウエア「PostgreSQL」を拡張し、並列・分散機能を追加した「PostgresForest®」の平成16年3月の公開に始まり、また平成17年11月にはセキュリティ機能強化版Linuxとして「TOMOYO® Linux」などを相次いでOSSとして公開しています。
「Hinemos」の開発・強化にも引き続き取り組み、NTTデータが今後手掛けていくOSSを活用したシステム開発・運用へ組み込むことにより、ITインフラの発展に貢献していきます。
また、今後もOSSの開発・公開を通じて、OSSコミュニティへ貢献していくとともに、エンタープライズ市場におけるOSSの活性化を積極的に推進していきます。
注 「Hinemos」は独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の平成16年度オープンソースソフトウエア活用基盤整備事業の委託(分散ファシリティ統合マネージャの開発)を受け、開発したものです。
注 「Hinemos®」「PostgresForest®」「TOMOYO®」は、(株)NTTデータの登録商標です。
注 「Windows®」はマイクロソフト(株)の登録商標です。
その他、文中に記載されている商品・サービス名、および会社名は、それぞれ各社の商標または登録商標です。